2017年06月25日

まちに参加する

19224844_1411044665601509_5459265957638528585_n

19日を生野の日とする生野区の企画があり、それに乗っかる形で、毎月、何かのテーマで、「まちのえんがわ」ミーティングを開催するようになって、6ヶ月ほど経過した。そのほとんどが、「空き家カフェ」(生野区空き家活用プロジェクト)というテーマで催していて、この19日も、加工場に20名ほどのひとが集まって談義した。生野区に住みたいひと、空き家をお持ちの家主さん、不動産のプロ、建築のプロ、まちづくりに関わる方々、行政の方々、日本政策金融公庫の方など、多彩な顔ぶれでのコミュニケーションだった。

こういう場に参加して、空き家を探そうとするひとは、「まち」と関わりを持ちながら住みたいというひとたちで、「生活を営む家を探す」という不動産的な土地探しや中古住宅探しという感覚だけでなく、その「まち」に暮らすひとたちと繋がりを持ちながら、自らも「エエまち」にする住民として、まちに「参加」しようとするひとたちなのだろう。「私」も、「まちに隠れて住む」、というような感覚を持っていた時期もあったが、「まちのえんがわ」を始めてから、「まちに参加する」という感覚に気付くようになった。まちの「観客」から、まちの「参加者」になるような感じ。

おなじように、この場に参加される家主の方々も、空き家を借りたいひとと出会いに来る、という感じだけでなく、もちろん、ビジネス的には、それは大切なアプローチなのだけれど、それだけでなく、まちの活性化に関わりたいというひとに、家を貸したい、と願っている方々で、「まちづくり」に参加するというのは、ちょっと大げさで、「まちに参加する」という、軽やかな感覚を持っているひとに、家を借りて欲しいというニュアンスなんだとおもう。家主さんも、自分たちのまちを良くしたいという、「まちに参加」しようとする家主さんなのだろう。

日本政策金融公庫の方が、「企業活力強化資金」という融資をレクチャーをしてくださって、そのなかに、最近出来た、<空家等対策関連>という融資があり、「空家等対策計画を策定している市町村の区域内において不動産賃貸業を営む方で、老朽化した賃貸用不動産の改修を行う方が対象です。」という貸付だそう。

老朽化した空き家を持つ家主さんの多くは、その空き家の水回り等の設備を含め、仮に、300万円ほどのお金をかけようとする時、手持ちの現金がなくなると、将来発生するであろう相続の問題を考えると、将来の相続税を支払う現金が少なくなることに不安が大きく、銀行の融資は、担保等の面倒な問題があり、また、改修しても借り手がいるのかどうか、などなど、あれやこれやと、改修を躊躇することが多い。

そうそう、ある会合で、いま、若いひとが、車や家にお金を使わないのは、将来の年金が支給されないかもしれないという不安が大きく、現金を使いたくないし、ローンを組むことにも躊躇する状況で。65歳以降、生活できる最低限の年金は、必ず支給されます。と政府が約束をするのが一番大切やとおもう。と語ったひとがいた。いろいろなひとが、それぞれの立場で、なんとなく躊躇してしまう気分の時代なんだろう.....。

それにしても、空き家が、大きな社会問題になってきた昨今、いろいろな立ち位置のひとが、それぞれの立場で、まちの観客から参加者になってみる、そんなライフスタイルが、求められている時代なのかもしれない。

投稿者 木村貴一 : 2017年06月25日 23:54 « イッケイ。 | メイン | ポリリズム »


Share (facebook)