2009年02月08日

リフトで北欧デザインと出会う。

P1170563 机の上に、今、これを書いているノートパソコンがあって、その横に、 何気なく置いてあるパンフレットを見ると、「北欧デザインな旅」とあった。

へぇー、そんな旅行の企画が成り立つという事は、それなりの数の人が、北欧デザインに、関心を持っているのだなぁ・・・。そういえば、 このパンフレットを持ってきたのは、奥方で、「こんな旅行に行ってみたいぃぃ・・・」と言いながらさりげなく机に置いた。

そうそう、昨日、リフォーム雑誌の取材があった。その家にも北欧デザインの家具や照明器具が何点か置いてあり、住まい手が、 以前から持っておられた家具や照明器具が、配置された。居心地がエエなぁ・・・と、思いながら、取材の後も、結構、長居する。                

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もちろん、このリフォームも、木村工務店の設計と施工なのだけれど、敢えて言うなら、お施主さんとの「協働設計」だとも言える。 工務店の設計に携わっていて、最近、思うのは、「工務店の設計」は、提案力とか創造性というよりも、どちらかと言えば、編集作業、 編集力のように感じる事が多い・・・・。お客さんの要望を中心において、様々な建築的な要因やデザインをどのように「素直」に編集し、 まとめるのか・・・。特にリフォームではその傾向が強い。もちろん、編集作業における、創造性や提案力というのも存在するだろうけれど・・・ ・。

そのお宅では、壁や天井は漆喰塗料で、床には北海道産のカバ材を使っている。いわゆる自然素材で出来ていて、取材中も床は、 スリッパを履かなくても全然冷たくなかった・・・・・・。えぇ、なんで、そんな話を今、敢えて書いているのかと、言えば・・・・。

実は、今日、突然、日帰りで、スキーに行って、帰ってきたところ。今もパソコンをタイプしながら、体の節々が、 ギシギシと悲鳴をあげている状態なのだ。

日曜日の午前中の打ち合わせが、急遽キャンセルとなる。今日は、小学校のPTAの集まりで、竹原義二さん設計の「土と陶の工房 美乃里(みのり)」 へ行く予定もあり、それなりに楽しみにはしていたのだけれど、今更、行けるようになったと言うのも、迷惑をかけそうだし・・・。それで、 そんな話を家でしているうちに、小学生の息子と二人で、スキーに行こうよと言うことになった。奥方は「私はパス」と、きっぱりと宣言する。

まるで、春のような陽気。気持ちの良い青空。白い頂きの山々がくっきりと見えて、すがすがしい。クワッドリフトに乗ると、 隣のカップルが会話する。「床暖房の上で寝てたらムチャクチャ気持ちエエワ」「おばあさんみたいに、コックリコックリと寝てしまうワー」 と彼女。彼氏が「床暖房のない、普通のフローリングはムッチャクチャ冷たいなぁ」「冷たすぎて、スリッパというか靴でも履かんとアカンワ」 「フローリングちゅうのは、だいたい西洋の、靴の文化のもんやでぇ」「あれは・・・」という時に、リフトが終着し、私たちは右へ、 カップルは左へとそれぞれ別れて、滑り出す。

その話を聞きながら、私の脳は、くるくると回転していた。9年ほど前にリフォームした子供部屋は、 仕事で余った床材ばかりを集めてきて、バラバラの床材で貼った。ほとんどが、合板のフローリングだった。他の部屋や玄関廊下が、 杉やチークや栂という無垢の床材だったので、その冷たさの違いはほんとうに、「顕著」だった。子供達は、廊下の杉材と比べながら、 子供に対する差別だぁぁ。と愉快に抗議した。私にとっても「エエ勉強」になった。その出来事が、高速回転中の脳内で、フラッシュバックする。

昨日のリフォーム取材で、体験した、床暖房のない、道産カバの床材の心地良さを・・・・、 合板のフローリングとの違いを教えてあげたいぃ・・・・と、リフトの横に乗りながら、脳が、高速回転で、呟いていた。そして、 錯綜するかのように、そのお宅の北欧デザインが、目の前をよぎる。垂直に、まっすぐと伸び上がる木立の間に挟まれて、リフトが進む。

床の断熱材があるかないかの問題も大きいかもしれない・・・・・と、やっぱり、脳内は高速回転する。もし、「それは、つまり・・・・ 云々」と、リフトの横で、カップルに語りかけていたとしたら、それは、れっきとした、「おやじ」だな。「私」も「アラフォー」 とお別れするのは、もう間近に迫っている。パソコンをタイプしながらも、体は既に、「おやじ」だな。と、今も脳内は呟いているのだった。

まぁ、そんな訳で、今日は、リフトで北欧デザインと出会った。という事にして、ぐっすりと寝ようとおもう・・・・・。

 

 

 

投稿者 木村貴一 : 2009年02月08日 22:28 « 芝生 | メイン | かまど »


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