2007年11月04日

頭を柔らかく使う?

天気の良い日曜日だったけれど、肌寒かった。紅葉はいつ頃かなと、少し意識した。奥方は、ゴソゴソと衣替えをしていた。 長く伸びすぎていた髪を切りに散髪屋さんに行く。

店の男の子が、髪の毛を洗い、頭をマッサージしながら、「頭柔らかいですね」と言った。「最近、エステで、 頭のマッサージをやっていると、頭の固い人が多くて・・・。3人もすると、腱鞘炎になりそうです」「久しぶりに柔らかい頭に触りました」 と言いながら、しっかりと、マッサージしてくれた。ああ、頭皮の柔らかさが、頭脳の柔らかさと同じだったらええのになぁ・・・・と、 心をよぎっていった。

最近、頭を柔らかく使う事って、何かやってるかね。と考えると、そうそう、つい先日、「自立循環型住宅」の講習会に行った事を思い出した。そういえば、 一年間ほど「木造住宅の耐震診断・ 耐震補強を考える会」に参加して、講習も受けたっけ。

P1080471どちらにも共通していて、興味深い事は、国土交通省が監修するテキストを元に、 講習がおこなわれ、どちらのテキストも大変参考になる良くできたテキストだという事だ。

それと、先日の自立循環型の講習会の講師は、以前からシロアリや羊毛断熱材を依頼していた住まいと環境社の野池さんで、それは、 大変分かり易い講習会だった。

「木造住宅の耐震診断と補強方法」のテキストの解説を中心にした「木造住宅の耐震診断・耐震補強を考える会」は木構造研究所 田原の田原さんとその所員の人が講師をしていて、 弊社の施工する何軒かの新築建物や耐震改修の構造を依頼している。

自立循環型の住宅というのは、すでに実用化あるいは製品化している身近な技術を用いて、 エネルギー消費の半減を目指す住宅をさすらしい。大きく3つのテーマがあって、 自然エネルギーを活用する技術と建物外皮の熱遮断技術と省エネルギー設備技術で、その中にある13の技術と手法で、 省エネルギー効果を目指すとのこと。

13要素のどれもが、弊社でも今まで何らかの形で、施工している技術である。断熱、遮蔽、通気、通風、省エネ設備、その他・・・・。 それらを分かり易く、しかも体系的にまとめられているのが、良い。そして、それを、基準の住宅に対して、 何パーセント省エネになるのかを数値化して、説明出来るところが、面白い。

うちの会社にとっては、外断熱か内断熱かというような議論に巻き込まれず、わりと曖昧に議論されていた事が、それなりに明確化され、 今まで、弊社で取り組んでいるそれらの事柄に素直な取り組みを続けながら、素直な説明をできそうに思えた。

考えてみれば、耐震診断にしても、現状の建物を基準にして、どれほど強くなるかを数値として知りたいわけだし、 温熱環境も断熱材やペアガラス、その他の様々な手法にお金を費やしつつも、それが、数値として、 どれほど省エネルギーになるかを知りたかったのだと思う。我慢することだって必要だしね・・・・・。

耐震診断にしても自立循環型住宅にしても、その信憑性はともかくとして、目新しい技術を使わずに、今まである技術をもとにして、 新たな関係性を再構築しているところに新しさを感じたりする。いずれにしても、 空間性やデザインや収納と共に構造と温熱環境をしっかりと取り組んでいくことが、これからの住宅には必要不可欠な要素だなぁ・・・・。

投稿者 木村貴一 : 2007年11月04日 20:36 « ナショジオ | メイン | 徒弟制度 »


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