2009年11月22日

老舗

どんよりとした天気。ちょっとづつ秋も深まり、冬がやってきそうな気配。ちょっと寒い。マフラーを首に巻いて、「ミナミ」へ出掛ける。といっても、無印良品で、買い足したい物があって、高島屋の駐車場に車を止め、百貨店の中を通過し、いやほんと、凄い人人、雑踏をすり抜けて、店舗の外に出て、交差点を渡って、無印の店舗に入る。

久しぶりの、無印訪問。奥方の意向というものが、ナビゲーターとなっていて、そのおもいに引きずられながら、グルグルと店舗内を徘徊する。目線がこんな風に、彷徨う・・・。

DSC00192DSC00193DSC00194
DSC00195DSC00200DSC00201
DSC00207DSC00202DSC00205
DSC00206
DSC00210DSC00211
DSC00212DSC00214DSC00215
買ったのは、クッションと小物入れと小さな木工と・・・。それにしても、相変わらずのシンプルなデザイン。うちの工務店としての建築も、こうありたいものだな・・・・・。

外に出ると、雨が降り出していた。傘を持っていなかった。ほんとうは、堀江の方まで行く予定だったのぉ。と、ナビゲーターが、悔しそうに空を見上げていたが、高島屋の食品売り場をうろうろして、珈琲を飲んで、・・・、そうそう、「今井のうどん」でも買って、夜は、鍋で、「うどんすき」を食べようという事に急遽決めたのだ。きっと、「寒い雨」が、そんな気持ちにさせたのだとおもう。

DSC00223 心斎橋まで、歩くのかと聞けば、今は、地下の食品売り場で、売っているから、というので、食品売り場に行く。ところが、うどんの玉だけのパックはひとパックしか残っておらず、あとは、「きつねうどん」と鍋焼きうどんのセット。他にも、大阪の有名店の冷凍もんが、こうして、売られているのだ。と、ナビゲーターが、解説をしてくれる・・・・・。

うちのナビゲーターは、先日は、息子の中学校の親たち8人ほどを連れ立って、「鶴橋ツアー」をナビゲートしたらしい。この、歩いている最中も、そのツアー参加者のひとりから、奥方への携帯メールがあって、今日は、娘を連れ立って、ふたりで、先日のコース通りに歩いているのぉ・・・・と。

冷凍棚に、今井のうどんの玉がないのを見て、ふたりとも、戦意が喪失した。舌が、既に、鍋の中に、たっぷりの野菜と今井のうどんが入って、湯気が上がっている状態の舌になっていた。その時に限っては、それ以外の組合せを、舌が拒否していたのだろう。たまに、そういう時がある。それで、そのまま、食品売り場を通過して、雨の中を駐車場に向かい、車に乗り込んだ。

DSC00226途中で、出掛けていた息子と奥方がメールでやり取りして、息子をピックアップした。息子が車に乗り込んでくるなり、「腹へった。メシ。そう、そう、餃子でエエは」と言う。そんな訳で、なぜか、「今井のうどん」が、「王将の餃子」に化ける・・・・。

それにしても、最近の王将の餃子のブームは凄い。うちの会社が営繕工事をしている、町工場の会社に、昔から、その餃子の皮を作っている会社があって、先日は、その会社の外壁の塗り替えをさせて頂いた。それほどの、ブームなんだ。

学生の頃は、十皿食べるとタダ。なんていう時もあり、数年前は、根強い人気はあったものの、そんなにブームというわけでもなく、何となく、店舗も、寂れたような感じだったのが、見事な復活で、凄い。餃子という原点に回帰して、本気で力を入れ直したところなど、企業としても、見習うべきところと、ヒントとなるところがあって、興味深い。

そうそう、そう言えば、うちの家から車で5分ぐらいのところに、「一龍」という、知る人ぞ知る、超老舗の焼肉店があって、25年以上前に、そこで、初めて骨付きカルピというものを食べて、こんな美味しい肉があるのかと、ビックリした記憶がある。最近は、焼肉店が乱立していて、その店へ行くのをご無沙汰していたのだけれど、奥方の誕生日を兼ねて、久しぶりに、訪問する。食べると、やっぱり、ひと味違う、美味しさだった。

「老舗」と云う、ひと味違う、何か。そういう、何かを大切に守り育てていくというのは、大切で、大変な事だなぁ・・・・と、改めて、考えさせられた。

キネマ旬報社が創刊90周年を記念して、日本映画と外国映画のベスト10を発表したというニュース記事があって、キネマ旬報社というのが、90年も続く「老舗」だと知って、改めて、へぇー、と感心した。それにしても、立ち読みは何度もしたが、一度も本は、買ったことがない・・・・。

ところで、その映画の順位を見ていると、なんだか、興味深い。日本映画のエントリーなどは、意外な結果だなぁ・・・。「私」は格別な映画ファンという訳でもなく、そういえば、先日は、ほとんど「アラカン」、還暦に近いひとをそう呼ぶのだと、つい、昨日、知ったところ。その仕事関係の「アラカン」のひとから、私の楽しみは、奥さんと二人で、毎週、毎週、映画を見に行く事で、50歳を超えると、1000円で、夫婦二人で、映画が見れるんやでー・・・と、教えて頂いた。

その話を聞いて、毎週とは行かないにしても、月に何度かの週末に、夫婦で、映画館に行くのもエエなぁ・・・と、少々憧れた。そんな中での、ベスト10の発表であった。唐突だけれど、この時期になると、ナショジオのベスト30というのが、始まって、最近は、それを楽しみにしている・・・・。そういえば、ベスト??に弱い。意外と単純だな。と気付く。

順位はともかくとしても、小津安二郎、黒沢明、成瀬巳喜男と、いわゆる「老舗」が上位を占めているのが、不思議な感じ。いや、当然とも言えるのだろうけれど・・・。1、2、3位と、4から10位までの、アンバランスさも、また、面白い。映画館でこれらをもう一度、上映して欲しいね。順番に、続けて、見たいものだな。とおもう。改めて、夫婦で、それも1000円で、見たら、どんな、印象をもつのだろうかね・・・。

外国映画ベスト10も、やっぱり同じように興味深い。先日、このブログに、偶然登場した、マーティン・スコセッシ監督の「タクシードライバー」が、こんな上位にあることに驚く。それに、「私」はどちらかと云えば、ヒッチコックファンなのだけれど、「めまい」がエントリーされていて、それが、「鳥」じゃなかった事は良かったが、「裏窓」とか、その他・・・。などと、おそらく、それぞれが、それぞれなりに、あの監督のあの作品なら、こちらの方が・・・と、皆が、あーだ、こーだと言い合えるところなど、このベスト10の面白さだなぁ・・・・。

いつも、「脳」というのは、脈絡もなく、唐突なものだな。とおもう。「第三の男」のエントリーを見て、映画の場面を思い出そうと想像したら、なんと、昔、ラジオ放送で、浜村淳さんが、あの独特の語り口と「話芸」で、映画紹介をしていた記憶が蘇った。まるで、実写の映画を見たような気分だった、あの「話芸」。あぁ、久しぶりに、その「話芸」を聞きたい・・・と、唐突に脳が呟いた。

この映画ベスト10を見て、今まで見た映画で、自分自身は、エエ映画だとおもい、好きだったのに、友達や奥方や、まわりには、あまり評価されていない映画が、あって、そういう映画の事が、急に、「脳」に去来する。そのひとつに、ジャン・ジャック・ベネックスの「ディーバ」というフランス映画があって、1980年代に、映画館で見て、ディーバファンになったのだけれど、その映画が好きだという人がどれほどいるのか・・・・。と、「脳内」で、不可思議なフラッシュバックが発生した。

まぁ、そんな訳で、今度は、マフラーを首に巻いて、ミナミの映画館に、夫婦で出掛け、次は、私がナビゲーターとなって、「老舗」の映画を1000円で見てみよう・・・・とおもう。

投稿者 木村貴一 : 2009年11月22日 23:50 « ものづくりにちかいいち | メイン | コードレス »


Share (facebook)