2006年05月14日

五島列島の旅(その3)

RIMG148海岸べりを車で走っていると、奥方が「あっ、みつけた」と叫んだ。 入り江越しに青砂ヶ浦教会が見えた。レンガ造りの美しい教会だった。国の重要文化財指定とある。大曾教会を見た直後であったので、 内部のリブ・ヴォールト天井とよばれる天井の形状と高さに、似通ってはいるものの、かなりの違いがあることを初めて知った。 今回の旅では、鉄川与助の造った教会を数えてみれば、10件も見たのだが、同じ天井のものはひとつとしてなく、 それぞれがそれなりにバリエーションが違っていた。

もうすでに、夕方の4時半を回っていた。見学をしていると、信者の方々が集まりだした。なにやら、毎日、夕方からミサがあるらしい。 村全体が、教会を中心とした、生活のリズムが出来上がっているようだった。奥方がなにげなく言った。「ここには、 不良とよばれるような子供はいてへんのかなぁ・・・」「うちの子に足らんのはお祈りなんかなぁ」なんて言うつぶやきを聞いたのだろうか、 息子が姿をくらました・・・・・。

RIMG0162背後から、息子がカメラをかして、と声をかけてきた。 そして私を撮った写真がこれだ。 大曾教会では正面から夕方の光が差し込んでいたのに対して、青砂ヶ浦教会では背後からステンドガラス越しに、神秘的な光 が差し込んでいたのだ。


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外に出てみると、ぞろぞろと、村の人々が教会の坂を
立ち話をしながらゆくりと登ってきていた。
一緒にミサでも受けたいという気持ちもあったのだが、
息子はもう、教会巡りは限界のようだった。
それで、キャンプ地を目指すことにした。

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新魚目のふれ合いランドとい所に着いた。近くに温泉もあるらしい。きれいな公園だった。 息子は爆発したかのように公園を駆けめぐり出した。その間、管理室を探して、オートキャンプが出来るかどうか聞いてみた。どうも、 テント泊かロッジだけらしい。あいにく、今回はテントを持ってこなかった。もう一度掛け合ってみると、「駐車場ならOK。 洗い場を使わないのならタダでいいよ。使うなら500円」と素朴でやさしそうな管理人が言った。

RIMG4RIMG0179もう5時半になっていたので、駐車場で、十分だった。それに、けっこう、 それなりに素敵な場所だった。キャンプをする人からは邪道だと罵られせそうだが、時間をかけたくない時は、炊飯器を使う。 15年ほど前に、仕事の出入り業者のガス屋さんにプロパンガス用の3合焚きの炊飯器を探して貰った。それに、 キャンピングガスのボンベをつないで、炊く。まぁ、15分ほどで、できあがるのだ。RIMG2そりゃぁ、飯ごう炊さんの旨さにはかなわないけれどね。

お刺身にご飯という簡素な食事だけれど、自然の中で食べていると、旨いなぁと言いながら、 皆が食べてくれるのが、 それなりに嬉かったりするのだ。夕焼けまぁ、それが、やっぱり、しんどいめをしても、 キャンプに来て良かったなぁと思える瞬間かな・・・・・。

夕焼けが始まった。そんなショーがはじまるような感覚だった。海岸まで散歩して、眺めた。「月と夕焼けやなぁ」と息子がつぶやいた。 ほんとうは、どこにでも、ある光景なのだろうが、都会に住んでいると、夕焼けの存在すら忘れてしまうのだなぁ・・・・。

RIMG152 車に戻ると夕闇の中で、いきなり、足下にサッカーボールのパスがきた。 ええっと思いながらも、思い切り蹴り返した。数十分後、本日最後の「お勤め」を無事終えて、空を見上げると、星空だった。しかし、 今日の一日は様々な「光」を見たなぁ・・・・・

とおもいながら、8時すぎにはぐっすりと眠っていた。

(つづく)

 

投稿者 木村貴一 : 2006年05月14日 21:10 « 五島列島の旅(その4) | メイン | 五島列島の旅(その2) »


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