2011年12月04日

Making of 住宅風呂巡礼

温泉ソムリエぐっち」という、誠に怪しい名前をもつ、グッチさんと知り合ったのは、木村家本舗というイベントに、様々な偶然的な「縁」が重なって、お越しになり、それで、名刺交換をしながら、お互いに、今まで行った、温泉の話をして、盛り上がった。

暫くして、何気なく、彼のホームページを見て、気付いたことは、各地を巡る温泉の写真に、必ず、湯船に浸かりながら、頭に手ぬぐいを載せた自分自身の写真が、写っている事。ちょっと不思議で、ちょっと怪しい感じで、ユーモラス。会って、会話をしていることもあって、少々笑いながら見ていた・・・・。

各地の温泉ばかりを巡るのも、テレビ番組を含めて、食傷気味で、それに、私自身もそれなりに温泉を巡っていて、ちょっと、飽きてきた感じもし、まぁ、それでも、やっぱり温泉は好きではあるものの、何というのか、ほどほどで十分な感じ。そんな内的なムードを宿しながら、彼のホームページを見ていたら、あっ、そう、そう、温泉ソムリエぐっちが、住宅にある、気持ちよっそうなお風呂に入って、タオル頭で、気持ちよさそうにお風呂に入る、あのちょっとユーモラスなシーンを撮って、日本全国にある、有名無名住宅建築の素敵な家風呂を巡る旅はどうだろうか・・・と思った。

そんな訳で、ぐっちさんからは「やりましょ!やりましょ!」という軽やかな、返事があって、まず、手始めに、うちの木村家のお風呂のシーンを撮る事で合意した。そんなベタな話題を建築家のヤベさんに話すと、意外にも、その企画に軽やかに乗っかってくれて、工務店の企画としては上出来!、などと、お褒めのコトバかどうかはべつにして、有難くも、「住宅風呂巡礼」と名付けてくれた。

今朝の午前9時前、写真家のタダユウコさんが、車に機材を積んでやって来た。そうそう、建築家のイシイリョウヘイさん主催による「ヤネメシ」パーティーで、隣の席に座ったのが、通称タダユウで、彼女は、その草屋根と天窓との隙間にはまりこんで、骨盤を強打するという、草屋根に落ちた唯一の女性カメラマンとして、名誉な負傷をしたのだけれど、きっと、かなり酔っぱらっていたのだろう。その酔いのせいもあってか、住宅風呂巡礼の撮影を、大まじめなお遊びとして、「付き合うわ!」と宣言してくれた。

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12月4日日曜日午前9時
温泉ソムリエぐっち、怪しい笑顔と軽やかなピースサインと共に、靴を脱いで、我が家にあがる。

 

DSC04400 1階にある、お風呂を確認した後、お風呂にお湯を入れる。2階のデッキにて、3人で朝食を食べながら、なんやかんや、ぐたぐたと会話をし、お湯が入るのを待つ。ちなみに、朝食は、奥方の美味なモーニングサービスなのだ。と、奥方もたてておく・・・。
DSC04408 入浴剤を入れるのだというのだった。つまり、写真に、アレが丸見えになるので、白濁するのがエエのだというのだった。用意した入浴剤を入れるものの、全く、無色で、それで急遽、奥方が、泡の出る入浴剤を探してきて、浴槽に注いで、泡を立てる・・・・。
DSC04418 温泉ソムリエぐっち、流石に慣れているのか、素早く服を脱いで、温泉に浸かり、髪の毛をオールバックにし、顔を洗い流しながら、撮影モードに入る。ちょっとした、役者のよう。ヤマグチタカシから温泉ソムリエぐっちに変貌していくのだ。
DSC04440 写真家タダユウ、これこっちにおきましょ。これこうしましょ。とテキパキと判断して、周辺を整えて、カメラを構えているうちに、ほんとうに、カメラマンいやいや、カメラレディーに変貌していくのだった。ぐっちさん、すでに頭にタオル。

うちのお風呂は、午前の早い時間帯は、朝日が入って、それが、アルミサッシュのフロストガラス面に、木々の陰影が写って、美しく見える日があり、昨日の雨模様のうっとおしい天気と違い、今日の朝は、お天道様の光が入る、絶好の撮影日和になった。勿論、タダユウが、それを見逃す訳がなく、ますます、本気の後ろ姿。
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温泉ソムリエぐっち、タダユウから「どや顔」を要求されると、堂々と「どや顔」を披露して答える。「どや顔慣れ」している感じ。
DSC04460 温泉ソムリエぐっち、「私」が要求する本を読みながら浸かってや!という要望に、快く応え、お風呂用の本読み台を設置する。すると、手に持て本を読んだほうがエエわ。という、タダユウからの駄目だしが出て、take2撮影開始。

手に取るのは、建築家、磯崎新の「建築における日本的なるもの」それを声を出して読み始める。
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窓硝子を開けてのtake3の撮影開始。
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タダユウ激写!
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タダユウ、まるで、盗撮!
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タダユウ、怪しい構えで、ぐっちさんの背後から、トグサとトグサの隙間にレンズを差し込んで撮影を開始する、その位置からカメラを覗くと・・・・。
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タダユウ、ついに、2階のデッキからお風呂を覗き込んで撮影を開始する。ますます怪しい撮影風景。
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温泉ソムリエぐっち、そんな事には全く動じる様子もなく、あっっっ。気持ちエェェェ、と終始、優雅にお湯に浸かる。流石、温泉ソムリエ。
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温泉ソムリエぐっち、そろそろ、のぼせてきたのか、妙な、腕と足のポーズをとる。
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写真家タダユウコによる撮影が無事終了した後、ぐっちさん、お風呂での自分撮りの技を披露してくれる。
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自分撮りも無事終了!

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撮影終了後、昨日、奥方が、北新地のムジカで買ってきた、紅茶を飲みながら、ぐっちさんが持ち込んだ、テレビ出演のDVDを見て大笑いし、和む。

つまり、それで、住宅風呂巡礼の撮影現場は妙に和むのだ。と書き置きしておこうとおもう。次回1月は、「コトバノイエ」か「カットザコーナー=ヤベタツヤ自邸」のどちらかへ巡礼する予定で、12回巡礼シリーズになるのかも。そうそう、この企画は、「まちのえんがわ」による第一弾の住宅巡礼企画とでもしておこうかとおもう。

そういえば、12月1日木曜日大安午前9時、二礼二拍手一礼と御神酒による神事で、「まちのえんがわ」が、しめやかにオープンしました。「住まいのライブラリーとワークショップと縁側カフェ」というのがキャッチフレーズになるのでしょうか。

よろしければ、お気軽にお越し下さい。

投稿者 木村貴一 : 2011年12月04日 23:48 « 心が最も強く動かされたもの | メイン | 分岐点 »


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