2011年06月05日
木の文化とは
「木のいえ整備促進事業」というのがあって、木造の長期優良住宅を建設する時に100万円の補助金が出て、それに地域認証材を一定量使うと20万円プラスされ、合計で120万円の補助金が出る。年間50棟以下の工務店で、1社5戸までの数量制限があるのだけれど、その地域認証材を使う住宅を初めて建てることになった。
お施主さんと設計担当者と現場監督と材木屋さんで、地域認証材を取得している、吉野の阪口製材まで、杉の構造材の「木取り」に行く。木取りというは、木材をどの箇所に、どの向きに、どの面を見せて使うのかを決める作業で、ワイワイガヤガヤと、この面を下端にして、こちらがわを「に」の「6番」に使うわ。なんていう具合に決めていく。以前にも書いたが、「い」の「1」といわれる箇所が、所謂「いの一番」。この阪口製材の天然乾燥された杉は、独特の光沢があって、美しい。阪口製材の社長は、天然乾燥に拘る。
そういえば、先日、豊中でリフォームしたお宅で、設計担当と現場監督と大工と私が食事に招待して頂いて、その席で、話題にのぼったのが、光る杉柱。建物の構造の都合で、抜くことが出来なかった米栂の柱を杉の柱に入れ替えた。その1本の柱を大工のササキが、1日かけて、鉋がけをした。ササキ大工に聞くと、ここ最近、長い間、鉋がけをしてなかったので、どうしても鉋をかけたくて、かけたくて、我慢できなくなり、朝から午後3時頃まで、一心不乱に、杉の柱に鉋がけをしたのだそうだ。確かに、独特の光沢で、杉柱が光る。それにしても、こういう大工の心意気はカッコエエねぇ・・・。
一本の杉。その杉の苗を山に植え、育て、間伐し、伐採し、運搬し、乾燥し、製材をし、家の構造材となる。、それを先日のように木取りをして、大工が手加工をする。ある日、上棟式を迎えて、竣工し、家となり、やがてマイホームとして、家族の生活を黙って見守り続ける。その一本の木に愛着をもって関わる様々な人々。「木の文化」とは、何なのだろうかねぇ・・・。
そうそう、本日の6月5日日曜日と明日6日月曜日は社員と協力業者の研修旅行のため、臨時休業をします。ご理解のほどよろしくお願い致します。
投稿者 木村貴一 : 2011年06月05日 00:13 « 五月晴れの四国吉野川 | メイン | 五月雨の日曜日 »