2009年12月06日

モニュメント

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今朝、大阪管区気象台跡の顕彰碑記念式典というのがあって、記念碑を建立するという事を「けんしょうひ」と呼ぶのだなと考えながら、心のこもった祝辞の数々を聞いた。

生野区に勝山公園という公園があって、かつては古墳で、昭和40年代までは、大阪管区気象台というのが建っていて、私も、小学生ぐらいに、そのあたりを通ると、巨大なアンテナ塔と、コンクリート建築の独特のムードがその周辺から漂っていて、何だか秘密の実験場みたいだった。と、記憶として残る。

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その石碑を造る工事の依頼があり、もちろん、木村工務店は家を造るのがメインだけれど、何よりも、「ものづくり」の会社であって・・・、そんな訳で、工事部長のT桝くんが、要望をお聞きして、製作をする。その石碑の裏面には、かつての気象台の写真が貼り付けてあり、それは昭和初期のコンクリート建築であるらしいのだが、よく見ると、何とも、レトロモダンで、カッコエエ。

祝辞のお話しの中で、「室戸台風、ジェーン台風、第二室戸台風という三代台風をこの気象台が迎え撃った」と、表現された。当時の気象台の館長が、避難をメディアに強く主張し、災害から府民を守ったのだ・・・・と。工務店という仕事に携わる私たちは、いつも、天気予報のお世話になっており、気象台の「おかげ」という事が、たくさんあったのに、そう言えば、感謝する事もなく・・・。そんな訳で、気象台というものの役目を改めて、考えさせられ、そう言う意味では、感謝の石碑でもあるのだ。とおもう。

その「歴史」が、大地の記憶に残された事を、微笑みと共に、ささやかに喜ぶ、気象台OBの年配の人たちの姿が、とっても、印象的だった。


それはそうと、若い人たちの姿がとっても印象的だったのが、先週の日曜日に、ブログを書いた後に訪れた、京都、清水寺の夜景のライトアップだった。

紅葉のライトアップを見た事がなかった。京都の紅葉を真面に見たのも昨年が初めてで、確かに、大徳寺にある高桐院の紅葉は、圧倒的な美しさだった。それで、次は、ライトアップの紅葉でも・・・・・、いや、きっと、内面のある部分が、ブログネタの「取材」として行こうよ。と、そそのかしていたのかも。

DSC02913少々小雨交じりの清水寺の坂の下に到着したのは午後5時半を廻っていて、まさか、入場するのに、30分以上も並ぶとは思っていなかった。それに、廻りを見渡すと、若い人たちが圧倒的に多い。年配の人たちばかりかと想像していたのだ。「私」の二十歳頃は、紅葉を見に行く事が、デートのひとつには、なかったなぁ・・・・。

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ちまちました日本人。というような言葉を聞いたことがある。でも、この清水寺のライトアップに接すると、先人達の、構想力の大きさに感服する。それに大地との関わり方が何とも言えず魅力的。それに、工務店の私たちからすれば、よくも、まぁ、見事に、施工したものだなぁ・・・・と、その「ものづくり」の実行力にも感心する。

もちろん、宗教施設であるのだが、大胆かつ繊細に、大地に刻まれた「ものづくり」の歴史的モニュメントでもあるのだなぁ・・・・と思えてきたのは、今日の顕彰碑記念式典の「おかげ」だとおもう。

投稿者 木村貴一 : 2009年12月06日 15:45 « 忘年会 | メイン | ものづくりにちかいいち »


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