2011年09月18日

番宣

「待宵」「中秋の名月」「十六夜」「立待月」「臥待月」「更待月」と、昔の人は、中秋の名月をメインイベントとして、その数日間、満ち欠けしていく「月」を眺めて、「暮らしを楽しむ」、その姿がカッコエエな。とおもう。それも一日ごとに、いやぁ、実にカッコエエ「タイトル」を付けているのが心憎い。テレビのない時代の「オトナの遊び」なのだとおもう。勿論、女子や子供も楽しめる遊びでもあって、あっ、そうそう、オトコが考えたと勝手に思い込んでいるのが、「私」がオトコだからで、きっと、「遊び」は「オトコ」が考える戯言なのだと、何となく考えているからだろう・・・・。

「待宵」9月11日日曜日。満月をワクワクして待つ、そんな心境になりたいものだが、「月」の事は、すっかり忘れていた。朝、ランニングをし、スパー銭湯に行き、家族はそれぞれ、どこかに出かけていて、ひとり、家で、ゴロッとしたり、ブログを書いたりした。そうそう、この日曜日の夜は、結構な時間を費やしてブログを書いたのだった。今思い返しても、月の記憶がない。

「中秋の名月」9月12日月曜日。夕方からお施主さんとの打ち合わせがあり、その後、社員が日々、掲示板に書く、現場報告を読んでいるうちに時間がすぎ、22時頃、家で晩ご飯を食べている時に、思い出した。「中秋の名月」なのだと。南面の窓を全開にして、「月」を観る。

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「十六夜」9月13日火曜日。夜、コトバノイエのカトウさんと写真家のノモトさんとデザイナーのヤマサキミノリさんと弊社のミカワ嬢の5人で木村家本舗の打ち合わせをする。ノモトさんのキュレイションにより、女性写真家たちの写真展を、大工が構造材を刻む加工場でしようかという企て。デッキに出ると、南東の夜空に、欠けているのか欠けていないのかよくわからない月が出ていて、皆で、眺める。

「立待月」9月14日水曜日。夕方から、grafのカワニシマリさんが、カトウさんに連れられて、電撃的訪問となった。木村家本舗の家の雰囲気を見てもらいながら、あれやこれやと打ち合わせをする。それで、graf 川西万理さんによる茶事をするコトになる。気楽な会話をしながら中国茶を入れて・・・。それが、つまり、「私」は、未体験なわけで、「私」そのものが、どんなものか楽しみにしている状況。打ち合わせが終わり、会社に戻って、事務作業をしたあと、帰り道の道路に立って、欠け始めた月を眺める。

「臥待月」9月15日木曜日。夕方から大今里で、リフォーム工事の契約があって、お伺いする。説明責任という約束事が、ますます大切な時代になっていて、もちろん、何度も契約書を読んで説明をしてきているのだが、いつもながら、あの、契約書の文言は、読みにくいし、内容を説明するのも、ムツカシイものだな。と、毎回毎回おもう。「月」は、帰り道の自動車からなんとなく眺めたのか、全くもって記憶が不安定。

「更待月」9月16日金曜日。夜、材木屋さんの岡房商店の社長がお見えになって、打ち合わせをする。帰られた後、事務処理をしている間に、「月」のコトはすっかりと忘れてしまった。この日、月を見たのか見なかったのか、記憶から完全に欠落している。

月をテーマにして、その満ち欠けを暮らしの中で楽しむ。という、そんな時代に「進む」コトが、ちょっと面白いし、本当に必要とされているのかもしれないな・・・・。と大真面目に考えるようになったのは、あの東北の震災での津波と原発の出来事があってのコトだとおもう。人間のもつ文明とは、文化とは、それはいったい何なのだろうか・・・と。

DSC018179月17日土曜日。「forward to 1985 energy Life」 という大集会が名古屋であって、弊社の設計のヤマガタと工事のトクモトの三人で、一緒に、車で参加したのだけれど、そのパネリストの討論を通じて、「省エネな暮らし」を「お金を使って」大まじめに「楽しむ」時代がやってきたのだ。と、体感した有意義なイベントだった。

ちなみに、夕刻、名古屋で、櫃まぶしを食べて、三人で帰阪したのも楽しい出来事。そういえば、櫃まぶしも一杯の鰻どんぶりを4回に分けて、それぞれの食べ方で楽しむ文化で、月の満ち欠けを楽しむ文化と似通っている。そうそう、「月」のコトは頭の片隅にもなかった・・・。この日は、月の正式タイトルがないので、まぁ名付けて、「忘月」。
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あれやこれやで、「月」をモチーフとして、まったくもって、こじつけがましいが、「コトバノイエのカトウさんとキムラコウムテンのキムラさん」が、「暮らしを楽しむための大まじめなオトナの遊び」としてやってみようよ。というコトで、始まった「木村家本舗」も第二回目になった。そのスケジュールが決まったのだ。と云いたいがための、お「月」様。


||||||| 木村家本舗 BOOK IN RESIDENCE 2011 ||||||||
10月の週末のオープンホームとライブラリー
10月8日/ 9日/10日/15日/16日/22日/23日の7日間
OPEN : 11:00 - 18:00
下町の長屋をリフォームした木村邸で、オープンハウスと古本屋をやってみようということで昨年企画した「木村家本舗」。
それが思いもよらぬ盛況となり、調子に乗って第2回を催すことになりました。
去年と同じことを繰り返しても面白くないので、今年はもう少し進化させて「オープンホームとライブラリー」と称し、木村家の心地よい空間で、ゆったりと寛いで本でも読んでいただこうと企画しました。
また、ご来場いただいた方に愉しんでいただけるよう、去年はなかったドキュメント・ムービーの上映、建築家相談会、写真展、お茶会、トークショーなどのイベントも予定しております。
みなさまお誘い合わせの上お越しいただければ幸いです。
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EVENT SCHEDULE
<10月08日>
■ オープニング・レセプション 17:00 - 21:00
<10月09日>
■ 「世界の中心で、イエーッとさけぶ / the movie」12:00 - / 16:00 -
JIA近畿支部住宅部会の7月例会として開催された建築トークショーのドキュメントを上映します。
■ 建築家ってどんな人たちなんだろう? 14:00 - 17:00
これから住宅を建てたい、建築家の設計した家で暮らしてみたいと考えている人のために、ふだんあまり接する機会のない建築家の方と、話していただける場を設けました。
参加建築家 : 林敬一 / 高山佳久 / 近藤英夫
<10月15日>
■ 写真展 「tri - angle」at 加工場Photo Gallery 11:00 - 18:00
写真家ノモトヒロヒトさんのキュレイションによる、気鋭の女性写真家たちの写真展。
ふだんは鑿や金槌の音が響く加工場の空間に、女性ならではの繊細な感覚の写真が展示されます。
参加写真家 : 多田ユウコ / 詫間のり子 / 山元彩香
<10月16日>
■ 写真展 「tri - angle」at 加工場Photo Gallery 11:00 - 18:00
■ graf tea salon et autum garden 11:00 - 17:00
茶事 : graf 川西万理
「秋の庭。山茶花が咲く頃。あたたかな香ばしいお茶や秋の果実を使った甘いお菓子をどうぞ。木村家の庭にて深まる秋のアフタヌーンティーをお楽しみくださいませ。」
■ Traveling Library 大村家本舗 at 駐車場 11:00 - 17:00
好漢大村クンが、愛車ルノー・キャトルに古本を積み込んでやってきてくれます。
<10月22日>
■ トークショー「モノづくりのプロセス、そして未来」
服部滋樹 X 木村貴一 at 木村家ガーデン 19:00 – 20:30
大阪を代表するクリエイティブ・ユニット「graf」を率いる服部滋樹と大阪の下町生野区で3代続く工務店を経営する、木村家本舗店主木村貴一によるトークショー。
料 金 : 1,000円(1ドリンク付)
茨木市 cafe 百花 による珈琲のケータリングがあります。
予 約 : 06-6751-4414(木村工務店 参川まで)
<10月23日>
■ クロージング・パーティー 17:00 – 21:00
感謝をこめてのささやかな宴、そして木村工務店の新しいプロジェクト「まちのえんがわ」のお披露目。
|||||| 会期を通じての展示 ||||||||
■ graf / Narrative 11 この秋発表されたグラフの新作家具
■ ツタイミカ / マンガ皿
■ 写真家 ノモトヒロヒトの新作シリーズ発表


こんなスケジュールで、ちょっと私的解説を加えてみると・・・

graf / Narrative 11:開催期間を通じて、grafの家具が体験出来ます。実際の生活をしているスペースで、家具を体験出来る、それもgrafの家具。是非是非、体験を。

ツタイミカ / マンガ皿:不思議なお皿をつくるヤベガールです。建築家ヤベさんがプロデュースをする女性クリエーターのコトを「やべガール」と呼びます。ツタイミカさんは、JIN's EYEWEAR DESIGN CONTEST 2008 優秀賞、第17回アイリス生活用品デザインコンクール 学生奨励賞、Tokyo Midtown Award 2010 柴田文江賞という1988年生まれの女性デザイナーです。暮らしの中にあるマンガ皿を体験ください。

ヤマザキミノリ/ 木村家本舗のフライヤーとフリーペーパー:やべガールのひとりで、イラストレーターです。YCOJIWAという不思議なホームページをご覧ください.。ご来場頂いた方々に、お持ち帰り頂ける「ペーパー」を、ただ今製作の真っ最中なのです。ガンバレヤマサキミノリ!

写真家 ノモトヒロヒトは、酒飲みで、酔っぱらいですが、眼差しは真摯です。風貌を遙かに上回る、カッコエエ写真なのです。是非、彼のホームページをご覧ください。さてさて、常設展示は、どんな作品が展示されるのか、楽しみです。


オープニング・レセプション 10月8日(土)17:00 - 21:00は、夕方ぐらいから、生ビールとおでんによる、気楽なパーティーです。木村工務店の社員も出入りするでしょうし、OBのお施主さんなど、久しぶりに、○○に会いたい。と思われる方は、是非この日かクロージングパーティーにお越しください。

「世界の中心で、イエーッとさけぶ / the movie」10月9日(日)12:00 - / 16:00 -は、この木村家本舗のプロデューサーである、カトウさんが、コトバノイエと呼ばれる自邸を建てるにあたって、建築家のヤベさんとの出会いから、その家を建てるエピソードを「施主」の立場から語る貴重なトークショーの録画ビデオです。建築家との家づくりをする「施主」になろうかどうかと迷っている皆さんにとっては必見のビデオです。是非、参考にしてご覧ください。

建築家ってどんな人たちなんだろう? 10月9日(日)14:00 - 17:00 は、弊社で施工をした建築家のタカヤマさんとハヤシさんとコンドウさんが、お見えになります。具体的な家の相談も出来ますし、建築家って、どんな人なのか、会ってみて、簡単な会話でもしてみたいと思われる方は、気軽にお越しください。本のついでに、チラッと見るだけもOK!です。

そうそう、

yabetatsuya9:25pm via Web

木村さん、やべガールの説明ですが、建築家ヤベさんがプロデュースする女性クリエーター、じゃなくて、やべがナンパした元女子大生、に訂正お願いします。

と「ヤベ」さんからツイートがきた。見た目は取っつきにくいが、ヨッパラうと、実に、楽しいヒトなのだ。「建築家ってどんな人たちなんだろう」には、仕事があって、「出演」できないのが、とっても残念。この場で、皆さんにご紹介しておく。

写真展 「tri - angle」at 加工場Photo Gallery 10月15日(土)と16日(日)11:00 - 18:00 は、多田ユウコ / 詫間のり子 / 山元彩香 は、かなり有名人の女性写真家ですよ。とキュレイションをした写真家のノモトさんが、お酒を飲みながら、でも、真剣な眼差しで、語っていました。「私」は、まだ作品を見たコトはないのですが、楽しみです。それより、カミングアウトすると、写真のコト、全く理解できてません。そういえば、購入できる作品もあるそうです。ちなみに、多田ユウコさんは建築家のタカヤマさんの建築写真も撮影してはりますし、前回の木村家本舗にもお越し頂きました。彼女の摩訶不思議なコトは、時々、巫女さんになるのであります。

graf tea salon et autum garden 茶事 : graf 川西万理 10月16日(日)11:00 - 17:00 は、grafの川西万里さんが、中国茶を野点しながら、心地よい会話と共に、ゆったりと楽しくお茶を飲む、茶事です。実は、「私」も未体験で楽しみなんです。

Traveling Library 大村家本舗 at 駐車場 10月16日(日)11:00 - 17:00は、d&bという工務店で現場監督をしている大村くんが、愛車ルノー・キャトルのトランクに古本積み込んで、木村家本舗横の駐車場で古本を販売する企てです。昨年の木村家本舗にもやってきてくれました。

トークショー「モノづくりのプロセス、そして未来」 服部滋樹 X 木村貴一 at 木村家ガーデン 茨木市 cafe 百花 10月22日(土)19:00 – 20:30 は、grafの服部さんと「私」という、「ものづくりの組織」を持つ二人の、「模索と格闘」のトークショーです。司会はカトウさんで、きっと鋭い質問と突っ込みが飛んでくるのだとおもいます。要予約なのですが、当日でも大丈夫、OKでしょう?・・・・。でも、出来れば予約してください。

クロージング・パーティー 10月23日(日)17:00 – 21:00は、このプロジェクトに関わった人々を含めて、感謝と&Love&Peaceな宴として、賑やかに楽しくやりたいとおもいます。 建築家の人も集まるでしょうし、社員や、いろいろ・・・。


木村工務店の新しいプロジェクト「まちのえんがわ」のお披露目10月23日(日)は、木村工務店が、まちの人々と「繋がり」を持つための「縁側」としての「まちのえんがわ」であり、「まちのライブラリー」でもあります。また、イベントを発信するスペースであり、建築家と出会えるスペースでもあり、木村工務店の仕事を伝える場所であり、木村工務店に関わる人たちが、住まいに関する「専門知識」を皆さんに分かり易く解説するために努力するスペースでもあります。まだ、工事中で、本も並んでいない状態なのですが、そうそう、これから急ピッチで進めなくてはなりません・・・。

あっ、そういえば、「まちのえんがわ」は、「キムラさんの頭の中身」だといわれました。

そんな訳で、「まちのえんがわ」は、月の満ち欠けを楽しむお月見の文化のように、「ものづくりのプロセス」を楽しみ、伝える縁側です。また、木村家本舗から繋がる、「暮らしを楽しむ遊び心」をもった文化を広げる、「木村工務店の縁側」でもあります。

つまるところ、今日のブログは「木村家本舗」と「まちのえんがわ」の「番宣」なわけで、皆さん!よろしくお願いします・・・・!

投稿者 木村貴一 : 2011年09月18日 23:58 « 雑誌掲載 | メイン | ちょい「脱皮」 »


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