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2009年11月29日
ものづくりにちかいいち
もう秋晴れと呼ぶには、限りなく冬に近く、かといって、冬と呼ぶほどの気候でもない。京都では紅葉が真っ盛りだと、朝刊の写真にあって、紅葉を見に行くのもエエなと想いながら、パソコンに向う・・・・。
「ゆず」をもらって、それに、母親が、数日おきに「ゆず」を届けてくれる。「ゆず湯」に入ったらどぉ!という事だろう。確かに、お風呂に入れると、独特の香りがして、血行がよくなり、気持ちがエエ。冬の楽しみでもあって、実に、日本的な習慣で、ところが、それが、秋というのか、冬というのか、とにかく、その辺りの季節感がとっても曖昧な昨今・・・・・。
家庭内での一連の掃除ブームがあって、レコードを無造作においている棚を掃除していると、レコードが聴きたくなり、弟が保管してくれていた、レコードプレーヤーを届けてもらい、何十年ぶりかで、レコード盤の上に針を置くという、動作をした・・・・。
大学生、数十人が、うちの会社を見学にくる機会があって、学生達が、魅力的に感じる、小さな工務店とは、どんな工務店なんだろぅ・・・・。どんな現場監督なんだろぅ・・・。どんな設計者なんだろぅ・・・・。どんな大工なんだろぅ・・・・。と考えさせられた。
今年一番の忘年会が、一昨日にあって、それは、祖父の代から40年以上も営繕工事等をさせて頂いている、上場企業だ。その企業のある方が、言うのには、「企業が大きくなるにつれて、協力業者との関係がシビア-な金銭的傾向と、品質品質品質という傾向の比重が、かなり大きくなり、人間的な「情」のある付き合いの比重が、めっきりと減る。それは仕方ない事であるけれど、良い商品を創り、産みだそうとすると、協力業者との人間的な「情」のある付き合いがないと、出来ないのでは・・・・・」と、語る。
「ものづくり」に、限りなく近い位置で、建築をつくる小さな工務店でありたい。協力業者とも人間的な付き合いが出来る工務店でありたい。と、妙に、センチメンタルな気持ちになるのは、今、この、背景で、レコード盤からの、古い、懐かしい音が、プチプチという雑音を交えながら、流れているせいなんだろう。
さて、これから、ライトアップされた、紅葉でも見に行こうかと想う。
2009年11月22日
老舗
どんよりとした天気。ちょっとづつ秋も深まり、冬がやってきそうな気配。ちょっと寒い。マフラーを首に巻いて、「ミナミ」へ出掛ける。といっても、無印良品で、買い足したい物があって、高島屋の駐車場に車を止め、百貨店の中を通過し、いやほんと、凄い人人、雑踏をすり抜けて、店舗の外に出て、交差点を渡って、無印の店舗に入る。
久しぶりの、無印訪問。奥方の意向というものが、ナビゲーターとなっていて、そのおもいに引きずられながら、グルグルと店舗内を徘徊する。目線がこんな風に、彷徨う・・・。
買ったのは、クッションと小物入れと小さな木工と・・・。それにしても、相変わらずのシンプルなデザイン。うちの工務店としての建築も、こうありたいものだな・・・・・。
外に出ると、雨が降り出していた。傘を持っていなかった。ほんとうは、堀江の方まで行く予定だったのぉ。と、ナビゲーターが、悔しそうに空を見上げていたが、高島屋の食品売り場をうろうろして、珈琲を飲んで、・・・、そうそう、「今井のうどん」でも買って、夜は、鍋で、「うどんすき」を食べようという事に急遽決めたのだ。きっと、「寒い雨」が、そんな気持ちにさせたのだとおもう。
心斎橋まで、歩くのかと聞けば、今は、地下の食品売り場で、売っているから、というので、食品売り場に行く。ところが、うどんの玉だけのパックはひとパックしか残っておらず、あとは、「きつねうどん」と鍋焼きうどんのセット。他にも、大阪の有名店の冷凍もんが、こうして、売られているのだ。と、ナビゲーターが、解説をしてくれる・・・・・。
うちのナビゲーターは、先日は、息子の中学校の親たち8人ほどを連れ立って、「鶴橋ツアー」をナビゲートしたらしい。この、歩いている最中も、そのツアー参加者のひとりから、奥方への携帯メールがあって、今日は、娘を連れ立って、ふたりで、先日のコース通りに歩いているのぉ・・・・と。
冷凍棚に、今井のうどんの玉がないのを見て、ふたりとも、戦意が喪失した。舌が、既に、鍋の中に、たっぷりの野菜と今井のうどんが入って、湯気が上がっている状態の舌になっていた。その時に限っては、それ以外の組合せを、舌が拒否していたのだろう。たまに、そういう時がある。それで、そのまま、食品売り場を通過して、雨の中を駐車場に向かい、車に乗り込んだ。
途中で、出掛けていた息子と奥方がメールでやり取りして、息子をピックアップした。息子が車に乗り込んでくるなり、「腹へった。メシ。そう、そう、餃子でエエは」と言う。そんな訳で、なぜか、「今井のうどん」が、「王将の餃子」に化ける・・・・。
それにしても、最近の王将の餃子のブームは凄い。うちの会社が営繕工事をしている、町工場の会社に、昔から、その餃子の皮を作っている会社があって、先日は、その会社の外壁の塗り替えをさせて頂いた。それほどの、ブームなんだ。
学生の頃は、十皿食べるとタダ。なんていう時もあり、数年前は、根強い人気はあったものの、そんなにブームというわけでもなく、何となく、店舗も、寂れたような感じだったのが、見事な復活で、凄い。餃子という原点に回帰して、本気で力を入れ直したところなど、企業としても、見習うべきところと、ヒントとなるところがあって、興味深い。
そうそう、そう言えば、うちの家から車で5分ぐらいのところに、「一龍」という、知る人ぞ知る、超老舗の焼肉店があって、25年以上前に、そこで、初めて骨付きカルピというものを食べて、こんな美味しい肉があるのかと、ビックリした記憶がある。最近は、焼肉店が乱立していて、その店へ行くのをご無沙汰していたのだけれど、奥方の誕生日を兼ねて、久しぶりに、訪問する。食べると、やっぱり、ひと味違う、美味しさだった。
「老舗」と云う、ひと味違う、何か。そういう、何かを大切に守り育てていくというのは、大切で、大変な事だなぁ・・・・と、改めて、考えさせられた。
キネマ旬報社が創刊90周年を記念して、日本映画と外国映画のベスト10を発表したというニュース記事があって、キネマ旬報社というのが、90年も続く「老舗」だと知って、改めて、へぇー、と感心した。それにしても、立ち読みは何度もしたが、一度も本は、買ったことがない・・・・。
ところで、その映画の順位を見ていると、なんだか、興味深い。日本映画のエントリーなどは、意外な結果だなぁ・・・。「私」は格別な映画ファンという訳でもなく、そういえば、先日は、ほとんど「アラカン」、還暦に近いひとをそう呼ぶのだと、つい、昨日、知ったところ。その仕事関係の「アラカン」のひとから、私の楽しみは、奥さんと二人で、毎週、毎週、映画を見に行く事で、50歳を超えると、1000円で、夫婦二人で、映画が見れるんやでー・・・と、教えて頂いた。
その話を聞いて、毎週とは行かないにしても、月に何度かの週末に、夫婦で、映画館に行くのもエエなぁ・・・と、少々憧れた。そんな中での、ベスト10の発表であった。唐突だけれど、この時期になると、ナショジオのベスト30というのが、始まって、最近は、それを楽しみにしている・・・・。そういえば、ベスト??に弱い。意外と単純だな。と気付く。
順位はともかくとしても、小津安二郎、黒沢明、成瀬巳喜男と、いわゆる「老舗」が上位を占めているのが、不思議な感じ。いや、当然とも言えるのだろうけれど・・・。1、2、3位と、4から10位までの、アンバランスさも、また、面白い。映画館でこれらをもう一度、上映して欲しいね。順番に、続けて、見たいものだな。とおもう。改めて、夫婦で、それも1000円で、見たら、どんな、印象をもつのだろうかね・・・。
外国映画ベスト10も、やっぱり同じように興味深い。先日、このブログに、偶然登場した、マーティン・スコセッシ監督の「タクシードライバー」が、こんな上位にあることに驚く。それに、「私」はどちらかと云えば、ヒッチコックファンなのだけれど、「めまい」がエントリーされていて、それが、「鳥」じゃなかった事は良かったが、「裏窓」とか、その他・・・。などと、おそらく、それぞれが、それぞれなりに、あの監督のあの作品なら、こちらの方が・・・と、皆が、あーだ、こーだと言い合えるところなど、このベスト10の面白さだなぁ・・・・。
いつも、「脳」というのは、脈絡もなく、唐突なものだな。とおもう。「第三の男」のエントリーを見て、映画の場面を思い出そうと想像したら、なんと、昔、ラジオ放送で、浜村淳さんが、あの独特の語り口と「話芸」で、映画紹介をしていた記憶が蘇った。まるで、実写の映画を見たような気分だった、あの「話芸」。あぁ、久しぶりに、その「話芸」を聞きたい・・・と、唐突に脳が呟いた。
この映画ベスト10を見て、今まで見た映画で、自分自身は、エエ映画だとおもい、好きだったのに、友達や奥方や、まわりには、あまり評価されていない映画が、あって、そういう映画の事が、急に、「脳」に去来する。そのひとつに、ジャン・ジャック・ベネックスの「ディーバ」というフランス映画があって、1980年代に、映画館で見て、ディーバファンになったのだけれど、その映画が好きだという人がどれほどいるのか・・・・。と、「脳内」で、不可思議なフラッシュバックが発生した。
まぁ、そんな訳で、今度は、マフラーを首に巻いて、ミナミの映画館に、夫婦で出掛け、次は、私がナビゲーターとなって、「老舗」の映画を1000円で見てみよう・・・・とおもう。
2009年11月15日
コードレス
掃除機はコードレスがエエな。とおもう。
いつも会社で愛用している、通販で売っている掃除機のギアーが壊れて、歯医者で治療をしている時のような、なんとも、不快な音をたてて、ギアーが空回りし、停止した。もう、かれこれ、これで何台目なのか・・・・。
「もの」の割には、意外と値段が高い。それで、近くにある、ディスカウントショップのDに行くと、半額以下で売っていて、それを2度ほど購入したが、通販で売っている品物に比べて、かなり短時間で、ギア-が破損するのだった。バッテリーの電圧も持続時間も、気のせいか、短いような気がする。
正規品の品物の方が、そういう、ギア-など、見えない部分に対して、品質の良い品物が使われているのだろう。そういう目に見えない部分に対する品質を守るというのは、大切な事だな。と考えさせられた。そういえば、先日、24年ほど前に設計と施工をした家に訪問する機会があって、そういう、目に見えない部分への品質の事に関して、深く、考えさせられる点があって・・・・・。
それはともかくとして、その、コードレスの掃除機の吸引力は、大した事はないのだが、やはり、コードにつながれていないという、手軽さと気軽さが、何とも捨てがたい魅力があり、吸引力と手軽さと金額とのバランス考慮すると、また、買ってしまうのだった。
最近の家づくりにも、同じようなところがあるのかもしれない。コストと品質とデザインのバランスが解る、分かり易い、詳細な見積書というものが必要で、施主の「好み」を反映した「チョイス」というものが必要な時代だな。と実感する。
会社で掃除をするのはエエにしても、家でもちゃんと掃除をして欲しい。この先、子供が成長して二人っきりの生活になったら、どうするつもり! と、タンカをきられたのが、今朝の出来事だった。
数年前に、奥方が、ダイソンの掃除機を購入したのは、勿論、知っていて、そのデザインの格好良さは、「遠く」から、眺めていたのだけれど、情けない話、使ったのは、今日が初めてで、確かに、良く吸う。ノズルの先の回転の仕方としくみも面白い。掃除機の嫌な臭いもしない。ただ、板の間では、どうなのか・・・・とか、ゴミの捨て方が捨てにくいとか・・・・。
ダイソンのホームページを見ると、スティック型の掃除機のしくみなど、その発想が面白いし、それに、あの、羽根のない扇風機は、発想も含めて、カッコエエなぁ・・・・・・・・・。それにしてもだ、掃除機はコードレスになって欲しいものだな。と思う。パソコンの廻りを見ても、マウスとか、キーボードとか、テンキーとか、イヤホンとか、コードから開放された時の、あの自由度が、何とも、快適ではないか。ジャス的に言えば、コードからモードへの移行といえるのかも。
例の、掃除機を、何度も何度も買っていると、やっぱり、コストとしても、結局は割高で、もう少し値段が高くても、性能と耐久性のあるコードレスの掃除器はないものかなと、検索して調べてみると、うーん、やっぱり、性能と価格のバランスが、帯に短したすきに長しだな。と、眺める・・・・・と、そうそう、建築現場の現場で使う掃除器こそ、コードレスになれば、どれだけ快適か。それで、建築工具を作っているマキタのホームページを見る。リチウムイオンで14.4Vの掃除器があった。これ、どうなんだろうか? 高いかな?
よく、考えて見ると、今流行りの、エコでいえば、電気を使て充電し、バッテリーも使うコードレスの掃除器より、「箒」の方が、エエではないかとおもう。うちの会社では、竹の柄とほうき草で出来た、座敷箒を皆が愛用していて、やはり、これに優るものは、ないのかもしれない。
それでも、確かに、「掃く」という事においては、最高なのだけれど、ゴミを「吸う」というのが、やっぱり大変で、集塵機で吸い取るとか・・・・。ちり取りを使うと、腰も少々痛くなり、掃きこぼしもあったりし・・・・と、いや、なんだか、年寄り臭い発言。
そうそう、お盆に訪れた、四国の内子町の街道沿いに、箒屋さんがあって、それがなんだか、とっても良さそうな箒だったので、買ってきた。お盆の旅行での唯一のお土産でもあった。その箒の、掃き味が、かなり良く、奥方が言うのには、フローリングの時は、ダイソンを使ったあと、もう一度その箒で掃いて、ダイソンで吸い込むのぉ・・・・・と、箒がエエのか、ダイソンがフローリングにはいまいちなのか、何とも判断がつかないが、確かに、普段使い慣れている、座敷箒よりも、よく、掃ける。
箒はコードレスなのだ。やっぱり掃除はコードレスがエエなぁ・・・。
そうそう、まぁ、いろいろと反省させられる事が 多かった一週間でもあって掃除をしたのだと、深層心理の中には、あるのかもしれない。いやいや、そんな事は、関係なしとして、掃除をしたのだ。としておこうと、思うのだけれど、奥方からは、取り敢えず、「やれば出来るやん」と、お褒めのお言葉を頂戴した事を、付け加えておこうとはおもう。
2009年11月08日
現場監督
「川渡りの問題」というのがあって、それは紀元前からある、話だという。「狼と羊とキャベツを持った男が、川を渡ろうとしていて・・・・・」という話。その話が、何となく好きで、おそらく、その話を知ったのは、大学生の頃だったと思う。
卒業をして、現場監督という職業をしてみて、気が付いたのは、現場監督の職業は、「その男」の仕事に似ているなぁと思った。男がいないと、狼は羊を食べ、羊はキャベツを食べ、船にはどれかひとつしか積めず、「無事」に向こう岸に渡るのに、どんな工程を考えたらよいのか・・・。例えばそれを、狼さんが塗装屋さんで、羊さんが大工さんで、キャベツさんが左官屋さんだとすれば・・・・。
それぞれが、同時に現場に入ると、良い仕事が出来ず、邪魔し合うので、まずは、羊さんに現場に入ってもらい、それから、狼さんを連れて行き、その時に、一端、羊さんを、連れ帰り、現場から抜けてもらう。っていうのが、ミソなんだろうが、今度は、キャベツさんを現場に連れて行き、最後にもう一度、羊さんと一緒に現場に入る、というのか川を渡る。そんな訳で、職人さんどうしが、ぶつかり合う事なく、「無事」に家が完成する・・。
工程を何とか3回で、収めようとするのではなく、ある意味では、無駄で、面倒くさい事だけれど、羊さんを一端、連れて帰り、また連れていくという、工夫をする事で、都合4回にはなるけれど、5回でも6回でもなく、「無事」に、もの事が運ぶのだ。と、建築の現場の工程に携わってみて、はじめて実感した。
現場監督は、何度も川を往復し、しかも、皆が「無事」に、いくように、余分な1回を、ハッキリとした意識と工夫を持ってする事で、それは、時として、羊さんを説得し、理解してもらう事にもなるのだろうが、そういう面倒くさい事をしながら、そういうエエ工程を考えて、そういう何度も何度も往復をするのが、現場監督の仕事であって、何よりも「無事」に事が運んだ事が、最大の喜びとなる職業なんだ・・・・とおもう。
ゲツク、月曜日9時のドラマあたりで、キムタクに、建築の現場監督の役柄をやって欲しいものだなぁ・・・・・。建築現場における、現場監督という職業が、外から見ると、何だか良くわからない仕事だけれど、もう少し認知されるようになり、それに、現場監督も、誰よりも豊富な知識と経験と誇りを持って、現場を切り盛りして欲しいものだなぁ・・・・・・。と、なぜか、そんなふうにおもった。
何で、今日の朝、こんな事が、突然、頭の中に、浮かんだのかといえば・・・・・。
そうそう、先週の日曜日の朝、起きると、寒かったので、テレビを付けて、天気予報を見ようとすると、「Aホーム」というハウスメーカーの社長がテレビに出ていて、不況化でも業績を伸ばして・・・・と、インタビューを受けていた。その番組の中で、徹底的に建築現場の無駄を省く研究をしている・・・というのが主な内容で、それなりに興味深かった。
考えて見れば、工務店では、そんな、無駄の排除や、コストダウンや、工程などの様々な工夫を、現場監督が、「喜び」として、「好き」として、やっていたのだ・・・・。時代の流れとともに、いつしか、そんな、プロフェッショナルな現場監督が少なくなってきたのかも知れない。と、テレビを見ながら、頭の思考が、クルクルと回り始めた時に、唐突にも「川渡りの問題」を思い出したのだった。
「川渡りの問題」のような個としての「男」の存在と必要性とその努力が、忘れさられ、そういう工夫は、企業化し、システム化していっているのだろう・・・・・・か。まぁ、でも、多様で、個性的な、オンリーワン的な家々が造られるためには、もちろん設計が大切だけれど、やっぱり、これからは、しっかりした現場監督の存在が不可欠なんだ・・・・・と、そのテレビを見ながら、おもった。
今日の朝は、穏やかな気候で、たいへん過ごしやすい・・・・。確か、先週の日曜日は、寒かったような・・・・、朝、起きて、テレビを付け・・・・、そうそう、「川渡りの問題」・・・・。
2009年11月01日
ものづくりの現場
気が付いてみると、マイケルジャクソンの映画「This is it」を見に行くことが、日曜日の予定に組み込まれていて、息子と奥方の3人で見に行くのだ。という。何でも2週間限定の世界同時上映らしい。兎に角、奥方は、そんなキャッチコピーにめっぽう弱い・・・。
布施にある昭栄座という小さな映画館で見るのだと言って、自転車に乗って映画館に向かう。久しぶりだ。この映画館に入ると、中学生の時に、同級生と「寅さん」を見ながら、廻りの人とも一緒に、あのサビのメロディーを合唱したことを必ず思い出す。そんな下町の商店街の中にある、小さな映画館だ。未だに残っているのが、不思議なくらい。
映画を見るのに、ポップコーンとコーラが必要かどうか、それはよく解らないが、やっぱりアメリカの映画で、それも音楽の映画なら、コーヒーよりもポップコーンとコーラの方が、それなりの気分かも。息子の手元にあるポップコーンの容器に手を出して、ポリポリと食べていると、暫くして、あの「ビート」と共に、映像が始まった・・・・・。
前もっての、映画の予備知識が、全くなかったので、想像していたよりは、エエ映画だった。そういえば確か、1980年代の西宮球場でのマイケルのコンサートにも行ったのだが、いまいち、記憶がはっきりしない。当時、少年の殺害事件か何かがあって、その事をマイケルが追悼したのだ。そのあたりから、少年少女が付きまとっているのかも・・・?マイケルの事や、音楽の事は良くわからないが、個人的には、「バッド」や「スリラー」な素材より、もう少し「グッド」な素材やコンテンツを選択して欲しいなと思っていただけに、最後は、ちょっと寂しい結末。それにしても、あの「バッド」の映像をMTVで初めて見た時は、映像として、ビートとして、カッコエエなぁと、思った。
そういえば、音楽の映画と言えば、私は、ザバンドの解散コンサートを映画化した「ラストワルツ」を思い出すのだけれど、大学生の頃に見た、その日、その時の、シチュエーションも含めて、印象に残る映画だった。のちのち、その映画監督が、「タクシードライバー」のマーティン・スコセッシで、マイケルの「バッド」の映像監督も彼だったと知る。確かにカッコエエあのマイケルのダンスより、私の今の立場では、「ものづくりの現場」の方が気になる。その雰囲気。そのプロデュースの仕方。そのスタッフとのやりとり。映像を見ていると、やっぱり「ものづくりの現場」はエエなぁと思う。あぁ、建築業界の「ものづくりの現場」はどうなってしまったのだろうか・・・・・。うちの会社の「ものづくりの現場」も、エエ雰囲気でありたいなぁ・・・・と願う。
それはそうと、映画を見終わった後の奥方の第一声が、「お互いに、反省せんとアカンわ。同い年で、あれだけ、カッコ良く踊れるのぉ。あの細い足。あの体。あのビート。」と言いながら、私のお腹周りをチラリと見る・・・・。比べんといてほしい・・・・・。
私も、明日からは、ダイエットやわ。と言いながらも、昔から布施にある自由亭と言う洋食屋さんで、Aランチを食べるのだという。それも結構なボリュームなのだ。カウンターの中を見ると、昔からのおじさんの代わりに、若いご夫婦が、二人で仕切っていた。以前のような、気合いの入った、ちょっと緊張感のあるビシッとした雰囲気とは違うのだけれど、古い洋食屋さんを息子さんご夫婦が受け継いで、若い夫婦で一生懸命働いているところに、凄く好感が持てた。新鮮な雰囲気の「ものづくりの現場」が、ここにもあった。世の中は、あちらこちらで、世代交代が進みつつあるのだ・・・・。
今週は、うちの、「ものづくりの現場」へ、バタバタと訪問する機会があって・・・・。
弊社での、施工例は少ないのだけれど、半地下の駐車場と、外階段の木造3階建て住宅の引き渡しが、天王寺区であった・・・・。引っ越し後に、外階段に手摺りを設置する予定。
会社から自転車で行ける距離で、お風呂と洗面所をやり替えるリフォームがあって、そのついでに、LDKのクロスを貼り替えるにあたって、天井の回り縁だけは撤去させてもらった。まぁ、オーソドックスなリフォームもあります。
そのリフォームの帰り道に前川畳店の前を通ると、ちょうど、畳表の加工中だった。うちのもっとも古い取引業者で、黙々と真面目に取り組む、姿勢が好きだなぁ・・・。
会社に帰ると、木組みの登り梁の合掌の真ん中に取り付けるドリフトピンの加工がうまく出来ているかどうか、仮組をして、調整していた。こういうのを見ていると、大工ていう仕事はエエなぁ・・・と、憧れる。
中古住宅を買ってリフォームをして、お引き渡しから、1年ちょっと経過した、お宅の雑誌取材があって、久しぶりに訪問する。いろいろとインテリアを工夫しながら住んでいる姿を見るのは、嬉しい事だなぁ・・・・とおもう。
タカヤマ建築事務所設計による堺の家のお引き渡しがあった。この空間に、トラックの家具や、グラフの椅子が入るという。楽しみだなぁ・・・・。家具が入ってから、また、見に行こうとおもう・・・・。
左官の掻き落としという手法で出来ていた、古くなった塀をもう一度、掻き落としで塗り直すために、古い壁を落としている様子。左官という職業も、魅力的な職業のひとつだなぁ・・・・とおもう。
新築にするかリフォームするか悩んで、リフォームした長屋の住宅があって、その雑誌取材がこの土曜日にあった。居間の壁面にある現代仏壇が何ともエエ感じだなぁ・・・・とおもう。屋根の上にあがる階段を止めて、通気窓に変更すると、風が流れだした・・・。
リフォームのウチバラシ(内部解体)をすると、かなり、傷んだ状態で、いやぁ、これからが、何とも悩ましい・・・・・。大工さんと現場監督と設計者が集まって、補強の方法を決めて、施主に説明をする。
ものづくりの現場。
夕暮れ時の別のリフォームの現場。大工さんと現場監督が、次の段取りを打ち合わせする様子。これも、ものづくりの現場のいち風景だな。
何とも大胆なリフォームの様子。ほぼ、完成なのだけれど、ものづくりの現場のようなエエ感じ。建築家の矢部さんのオープンハウスが、本日あって、沢山のひとが集まっていて、そうそう、「This is it」を見るために早々においとましたのでした・・。
「ものづくりの現場」が好きだなぁ・・・・・・。
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