2008年06月15日

古式に則った左回りの旋回

P1150538古式に則って、左回りに旋回してから正面の鳥居をくぐります。と、 船長のアナウンスがあって、船が、ゆっくりと海の上を進む。

宴会が終わった後に、自由参加で催した厳島神社ナイトクルージングは、間近に見る鳥居の柱が、想像以上に大きかったなぁ・・・・と、 何人かのひとと、思い出しながら話し合っていると、社員のTくんは、鳥居をくぐった記憶など、ほとんどない・・・・。と言い張る。 そういえば、船のデッキの上で、大の字になって、気持ちよさそうに寝ていたなぁ・・・。

平家や源氏の時代に、丁髷を結って、鎧甲を着た武士が、櫓をこぎながら和船に乗って、その、古式と言われる左旋回をしたあと、 厳粛な面持ちで、鳥居をくくった姿を想像する・・・・・。

そんな、緊張感のある情景からすると、浴衣、ジーパン、酔っぱらいの観光船は、チャラチャラして、不謹慎きわまりないのかもしれない。 それでも、それでもそれなりの厳粛な空気がその観光船の中に漂っていて、アナウンスに従って、乗船者全員で、二礼二拍手一礼をして、 船上から鳥居をくぐる。

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P1150517穏やかな海の上を漂う、船の緩やかな揺れを体で感じながら、ライトアップされて、 オレンジ色に光る鳥居を眺めていると、目でとらえるオレンジ色の鳥居という「モノ」とともに、その背後に潜む目に見えない「何か」 、「厳粛な雰囲気」みたいなものを、感覚としてとらえていたようにおもう・・・・。それは、厳島神社のもつ「厳」粛なのか・・・ ・ 。私たちの中にもつ遺伝的な何かなのか・・・・。

明くる日の早朝から小雨降る厳島神社を参拝する。

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今、こうしてブログを書きながら振り返ってみると、「自然」とのこういう関係性を構築した厳島神社の、 創建当時の施主もプロデューサーも設計者も施工者も格好エエなぁ・・・・とおもう。そんな遺伝子が「私」にも宿っているのだと、今一度、 そんな何かを思い起こす事が出来れば・・・・・・と、願う。

そうそう、快晴の前日は、閑谷学校のあとに、錦帯橋を見学する。現在施工中の地元、 清見原神社の木材を納入してもらっている奈良桜井の金幸さんが、錦帯橋に吉野材を納入した縁で、錦帯橋の棟梁の海老崎さんを紹介してもらう。

棟梁から解説をしてもらう前に、棟梁を交えて、皆で記念写真を一枚。錦帯橋集合写真2
あれぇ、2名ほどいない・・・・。社員のツジピーと大工のセンさんが、錦帯橋の橋の下で、大の字になって眺めていた・・・というより、 酔っぱらって寝ていた。が、その二人は、下から眺めて、橋の構造を研究していたのだぁ・・・・と、言い張る。まぁ、いつの時代にも、 集合写真の横に黒枠の顔写真で写る人間はいるもんだよなぁ・・・・。

海老崎棟梁の解説を聞きながら橋を渡る。
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海の上に浮かぶような神社を造ろうとした厳島神社の人々も、木造で、吊り橋でない、アーチ橋を造ろうとした錦帯橋の人々も、 その心意気が素敵だなとおもう。そして、それを受け継ぐ人々のその心意気も。

古式に則った左回りの旋回が、自分たちのDNAの中に眠る、「自然」に対する心意気のようなものを、じんわりと、 目覚めさせてくれたのかもしれない・・・・・・・。かな?

 

投稿者 木村貴一 : 2008年06月15日 13:09 « 人間として | メイン | DNA »


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