2012年08月26日
模型製作ワークショップ
お盆休暇も終わり、もうすっかり通常の仕事モードなのだけれど、8月中はまだ夏休み。という、一種独特の夏の響きがあって、まぁ、そんな夏休みが終わろうとしている寂しさと残暑が入り交じるムードの中で、模型製作ワークショップを催す。
今回は、木村工務店の設計部の3名が中心となって、吉村順三設計による軽井沢の山荘を題材として模型を製作することにした。参加定員は20名。どんな方々が参加されるのかと思っていたら、家を建てたお客さんや工事中のお客さんが、小学生のお子さん連れで、夏休みの宿題も兼ねて参加された方が半分ぐらいで、あと大人の単独の参加者が男女それぞれ3名づついて、それに高校生が3名で、そのうちの1名は女子で、建築志望で、お父さんが設計事務所をしていて、なんていう父と娘の二人参加で、娘さんにダメ出しをされながら笑顔のお父さんの姿があって、息子二人の父親という私の立場からすると、とっても羨ましい感じの製作風景。
ちなみに、つい3年ほど前に突然、建築を志して、東京の学校に通う長男が、きっと模型製作で鍛えられてちょっとした自信のようなものを持ったのだろうか、模型製作ワークショップの手伝いを兼ねて大阪に帰ってきた。それに、はじめてこのワークショップに参加することになった高校生の次男がいて、確かに工務店の息子という立場でありながら、ワークショップ初参加というのも、親として微妙な立ち位置を感じる訳なのだけれど、もちろん参加してみたらどう。なんて軽やかに促し続けていたものの、クラブとかデートとか、などなど様々な理由をもって断り続けられての今回の初参加。
そういえば珍しいことに、小学校に通う二組の双子の兄弟がいて、どちらもうちで新築とリフォームをしたお客さんで、その双子のお母さんとバアバがそれぞれ付き添いでやってき、どちらの二人の親も一生懸命に手伝いながら、いやいや、ほとんど二人の親が子供そっちのけで楽しみながら、微妙に個性が違う双子を相手している姿に独特の雰囲気があって、とっても楽しそうな感じだった。
そうそう、時間が経つにつれて、子供そっちのけで、オトナが本気で製作にのめり込み、子供達は畳の間でファミコンをするというとっても現代的な構図があって、そういう光景の中に、「ものづくり」が本来的に持つ「オトナの魅力」が潜んでいるのだとおもう・・・。そういえば、夫婦二人で仲良く共同製作をするオトナのカップルが二組あり、単独のオトナの参加者は、無口で黙々と、でも、うっすらとした微笑みを持ち続けながら模型造りを楽しんでいた・・・・。
午後1時30分からはじめて、賑やかだった会議室に誰もいなくなったのが、午後7時30分頃で、ほとんどの人がちょっとした休憩だけをはさみながら、約5時間ほどの時間を連続して模型製作に集中したわけで、毎回の事ながら、5、6歳から70代までの幅広い年齢層が、一緒にものづくりを楽しむ姿とエネルギーに接すると、その渦巻くエネルギーと歓声のお陰で、主催した私たちにも、独特の喜びと感謝の気持ちが湧いてくるのだった・・・・。
仕事の都合で、早く帰った人がいたのだけれど、ほとんど全ての参加者が、多少の不完全さはあっても、皆で一緒に、「できたぁ!」という共有体験と笑顔を持てたことが、何よりもの出来事だとおもう・・・・。
投稿者 木村貴一 : 2012年08月26日 23:59 « 1985巡礼団 | メイン | 室戸のクワガタくん »