2012年12月16日

ところで、民藝とは

写真: そしてピザ宴会。今回はカレーとナンも。本日は、住宅相談会があり、建築家のハヤシさんやヤベさんも仕事を兼ねてお見えになって、それで、前回のブログにも書いた、「カマド宴」をそれとなく催す。そうそう、そのカマド宴の合間を縫って、午後8時前に、ぎりぎりの投票に行く。本当のところは、「白票」を投じたい気分で、投票権は行使しますけど、成り行きにお任せしますわ。ぐたぐたと文句は言いませんけど、やることはしっかり見てますから・・・みたいな気分の白票。投票したくないひとの気持ちもわかるのだけれど、宴でのちょっとした選挙話題もあって、ま、その勢いと「私」といういまの立場も考えて、やっぱり投票に行くことにした、そんな今回の選挙。

こんな感じで住宅相談会とカマド宴と選挙という奇妙な組み合わせになったのだけれど、この一週間を振り返って見ると、この週全体が、とっても奇妙な取り合わせの一週間だった。

IMG_4012月曜日の夜、京都でマンションリフォーム工事をさせて頂いた、「ワサブロー」さんのコンサートに設計担当のヤマガタくんと一緒に行く。シャンソンを生歌で聴くのはもちろん初体験。最後の数曲は背筋がピンとなって対峙して聴きいった。職人芸をみたような感覚で、私たちも、それは木村工務店のことなんですけど、愛情をもってきっちりと丁寧に仕事をせなあかんな・・・と背筋が伸びた感じ。

2000年
仕事が創造性に富み、その質の高さにより、文化の
担い手としてフランス及び世界に貢献した人にフランス政府
から授与される芸術文化勲章“シュバリエ章”を 受章。
多数のシャンソンフェスティバル出演やテレビ番組への
出演等、30余年にわたって、主にフランスを中心に
活動する。

ワサブローオフィシャルサイト http://www.wasaburo-paris.com/
ワサブログ http://wasaburo.cocolog-nifty.com/paris/

水曜日の夕方、「まちのえんがわ」に近くの小学生が大勢で遊びに来て、走り回って遊ぶ。やんちゃだけれどカワイイ。何でもやり過ぎたらアカンでぇ。と、窘めるものの、内心は、どことなく嬉しいのだ・・・。

はしゃぎすぎるのを制御するために、一緒に本を眺める事にした。小学生がビジュアル的に読めそうな本を瞬発的に手元で探すと縄文土器の図鑑のようなものが目に止まって、一緒に眺める。火炎土器の写真を見て、うわー、カッコエエ・・・と歓声が出て、そんなコトが嬉しかったりするのだった・・・・。

 

IMG_4038金曜日の夜、木村家本舗で「村の茶会」を催してくれた鞍田さんと前回のブログでの大阪アースダイバーの著者である中沢新一さんと第一回の木村家本舗から関わってくれているgrafの服部さんとによる「〈民藝〉の野生と僕らの時代」というトークイベントが京都のMEDIA SHOPであった。

民藝とは、手仕事による生活道具のことですが、素材や制作には、地域の自然条件が密着に関わっています。民藝における大きなテーマ「自然と暮らしとの関わり」について問い直すことが、今回のテーマ。
ゲストは人類学者の中沢新一氏と、graf代表の服部滋樹氏。
「民藝は、3・11後の日本のひとつの灯台である」と位置づける中沢氏と、「民藝の中に時代を生き抜く可能性」を見いだす服部氏。
ふたつの対談を通して、〈民藝〉という言葉=思想をシェアすることが、自然と共存した暮らしのためにどんな答えを与えてくれるのか、そこから私たちはどういう暮らしの可能性を紡ぎだせるのか。現代の識者が語る「民藝」最終章となるトークは必聴です。

「私」の世代からすると、民藝というコトバが民芸調家具や民芸品というイメージを連想させて、かなりの拒否反応があるものの、話をじっくりと聞くと、民芸という、柳宗理によって生み出された造語を本来の思想にもう一度リセットしようよ。という事なのだろう。

トークイベント終了後、立ち話の中で、「まちのえんがわ」というのは民藝運動みたいなものやね。という服部くんのコトバがあって、本当は、京都で、夜な夜なその話について、もう少し深く話し合いたい気分なのだけれど、すでに23時30分になっていて、それに脳内では、明日の習慣になっている早朝の掃除、午前中の打ち合わせ、忘年会、翌々日の住宅相談会とカマド宴と選挙、50代という年齢、まで含めた、エエ加減な演算処理がぐるぐると回っていて、その上、後半から参加したコトバノイエのカトウさんが、家まで送ってくれるという、有難いお言葉まで頂戴していて、頭と心が微妙な躊躇と混乱を繰り返しながら、はじき出された答えが、今すぐ電車で大阪まで帰る。だった。

地下鉄の終電と京都駅からJR普通の終電に乗って大阪駅に到着したら午後1時を過ぎていて、タクシー乗り場に向かうと100人近く並んでいた。もちろんこんな事、初体験。15分ぐらいは並んだけれど、5分に1台ぐらいしかタクシーが来ず、前のひとを数えると60人近くのひとがいて、どう計算してもタクシーに乗るのに明け方までかかる訳で、冬の寒い夜中にこうして明け方まで並ぶ事を想像すると忍耐力が一気に途切れて、唐突に列から脱出し、新地の方に向かって小走りに歩くコトにする。十分ほど歩くうちに大阪駅に戻ってくるタクシーが、すっと止まってくれて、助かったぁ・・・みたいな。それにしても、あの列の人たちどうしたのだろうか・・・。

写真: 一番元気な夫婦写ってます。

土曜日の夜は、会社の忘年会。社員と大工さんと手伝いさんの総勢31名だったけ。ここ3年ほどは、がんこ寿司の平野郷で催していて、それは役員の方のお宅をリフォーム工事させて頂いたご縁で、大きな倉を改造した一棟の個室を予約してもらえて、ワイワイと大騒ぎしながらも、落ち着いた心持ちの忘年会になるのは、場所の持つ力が、大いに関係しているからだろう。

写真: これから二次会ー!!そうそう、会社から平野郷までの送迎バスの中が、宴会場より、異常な盛り上がりになるのは、大工のフミノくんの面白い「ボケとツッコミ」のお陰であって、それは、「木村工務店」の「ひと」というのが、雇用関係としての社員だけでなく、大工さんや手伝いさんも含めて「木村工務店のひと」なのだ。という、柔らかな心の繋がりがあるからだとおもう・・・・。

それで、本日の冒頭の相談会とカマド宴と選挙の日曜日。ところで、これからの「日本」というシステムの「灯台」のひとつが「民藝」なのだと云う。皆さん、どう感じますか・・・。

投稿者 木村貴一 : 2012年12月16日 23:59 « 労わる | メイン | 加工場とカマド »


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