2008年06月22日
人間として
大工さんの作業を見ながら、「エエ仕事してるなぁ・・・・」と何気なく声をかけると、「そぉやろぉ、人間として、しあわせやわぁ・・・ ・」と、徳島訛りの言葉で、黙々と作業をしながら、ぼそぉっとした音声で、言い放った。
その大工さんが素朴に発声した「人間として」という言葉に、しばし沈黙してしまった・・・・。「しあわせ」という言葉以上に、 「人間として」と言う言葉に「感じて」しまったのは、きっと、秋葉原で起こった事件などが、心のどこかに引っ掛かっていたからかもしれない・ ・・・。
普段、ブツクサブツクサ冗談ばっかり言っているその大工さんからの意外な言葉を聞いて、作業所内に、暖かい笑いが、ブワーっと、 広がった。その笑い声を聞いて、大工さんが、照れながら、「2階の事務所で、皆に、言わんといてやぁー。きっと、皆に、ひやかされるけん」 と。
あっ、今、言ってしまった・・・・。
そうそう、こんな事をなんとなく思い出したのは、先週から今週にかけて、テレビの「たかじんのそこまで言って委員会」 に出演していた拉致被害者家族の話を聞いて、涙し。「ザ・マジックアワー」を奥方と映画館で、見て、笑い、涙し。「すべらない話」を見て、 笑い。「探偵ナイトスクープ」のグランドアカデミー大賞を見て、笑い。と、なんだか「人間ぽい」映像を立て続けに観たからかもしれない・・・ ・・。
外では、雨が急に激しくなってきた。今日は、打ち合わせがあったのだけれど、かなり蒸し暑かったなぁ・・・・。そうそう、 最近のブログでは、研修旅行の話ばかりしていて、あまり、仕事の話がなかったような気がする・・・・それではっと。(桂小枝風に)
先週の土曜日、雑誌の写真撮影があって、お伺いすると、撮影終了後に、
住まい手へのインタビューがあった。そしたら、そのインタビューの待ち時間を利用して、突然、カメラマンが、
ライトをセッティングして、そのお宅の娘さんをモデルにして、撮影会をはじめたのだ・・・・・。
娘さん、ラッキーやったね。
風が通り抜けて欲しい・・というのが、打ち合わせ時にあって、西の小さな窓から東の大きな窓に向けて、そよ風が通り抜けて・・・、
ほっとした。
子供室の一角に出来たフリースペースの本棚には、絵本やらがいっぱい並んでいて、撮影の合間も娘さんが杉板の上に座って、本を読んでいると、
レースのカーテンが風をはらんで、ふわっと揺らいだ。そんなのが、意外に、心地良かったりして・・・・。
雑誌社のスタッフが、男の子の部屋のブースに入って、椅子に座り。
落ち着くなぁ・・・っと言いながら暫し瞑想的に・・・・。
先週、I井設計事務所へ見積図面を貰いに行って、その建物の模型をサッと撮影して、会社でその写真を見てみると、模型より、
赤い服の事務所のスタッフの姿にピントが合っていた・・・。え?、それがどぉしたのぉ・・・と、言われても・・・、別に・・・・、ただ、
写真のムードが、独特だったので・・・。
H敬一さん設計の現場を覗くと、丁度、カスタム工房のH川さんがキッチンを施工中だった。スキッと綺麗に見せるために、
下地の調整作業を繰り返していた。職人さんは、隠れたところで、努力しているのだなぁ・・・・・と。その背後の窓に、忍者のように、
我が現場監督のT田くんが静かに作業を見守っていた・・・・・。その姿に、ちょっとビックリ。
もう、先々週の事になる。地鎮祭で、
お饅頭を食べた家の上棟式があった。プレカットをするんやったら、手加工をさせて欲しい!と、
自分の描いたかんばん板を手にして叫ぶ、大工S木くんの、その心意気を記念写真として、パチリ。
やっぱり、先々週の事だ。和歌山の橋本で、いわゆる、古民家再生工事の引き渡しがあった。ガラスの入った障子の建具が、少し、「浮き気味」
だったかもしれないなぁ・・・・と思っていると、お施っさんが、開口一番、「自分の要望通りに建具を造ってくれて、よかったワー」っと。
そう言われると、やっぱり、その住まい手好みに造る、「好き家造り」
というのが、一番エエのでワーっと、おもえてきた・・・・・。
家の前では田植えをしていた。このお宅で、一番最初に工事をさせていただいた、長屋門を壊して造った、新築住宅を、 田んぼ越しに眺めながら、この5年ほどの間に、新築とは別に、3カ所もリフォームさせていただいたのだなぁ・・・・。と、 お庭のにゃんこちゃんに、お礼の言葉を述べさせて頂こうとおもう。
投稿者 木村貴一 : 2008年06月22日 23:54 « 大阪 | メイン | 古式に則った左回りの旋回 »