2011年10月09日

陽気

実にエエ気候。最高に心地良い季節。特に戸外が圧倒的に気持ち良い。10月8日の土曜日に、「木村家本舗」というイベントをオープンしたのだけれど、この心地良い季候に誘われて、窓は全開で過ごす。部屋以上に、庭やデッキで過ごす時間がとっても居心地が良い。きっと、多くの人が、あちらこちらの公園や郊外に出て、この数日間のとっても気持ちの良い気候を楽しんでいるのだろうなぁ・・・。

DSC02512今年の一番のりは、建築家林敬一さんの事務所に勤めていた設計のシモカワさんで、2歳になる女の子を自転車に乗せてやってきてくれた。久しぶりの再会で、嬉しい。そんなことを Facebook に書くと、私の知り合いが、彼と同級生だと、名乗り出て、以外な繋がりを知って驚く。Facebookというものが、新たな「縁」を結ぶ、縁側的な役割をしているのだな。

それにしても、1~2歳の子供と二人っきりになるのは、何ともいえない「恐怖」があって、泣かれたらどうしようかとドギマギするし、おむつを替えるのもどうもね・・・。っていうのが、「私」。でも、若いシモカワくんは2時間以上も二人っきりでいられるのは、とっても勇気があるねぇ・・・なんて、話すと、いや、最近の若いお父さんは、半分ぐらい、そんな感じで、平気ですよ。と云う。

いやぁ。そんなのムリムリと云っているのは、私やカトウさんや吉野からわざわざやってきてくれた、阪口製材の息子さんのサカグチさん。建築家のコンドウさんは、私には奥さんの持っているような、お乳が出ませんからねぇ・・・と、とっても微妙な言い訳をしていた。さて、皆さんはどっち・・・・。

DSC02516さてさて、ゆっくりとした出足だったが、午後3事頃から、OB施主のお客さんがゾロゾロとお見えになった。うちの会社の駐車場の裏で、眼鏡の3D金型を造る山岡製作所の社長さんが、ふらりとお見えになった。息子さんの家もリフォームしている。

こういうイベントの楽しさのひとつは、家づくりではない、コミュニケーションをする楽しさ。人の出入りが少ない時は、いろいろな話をじっくり聞けたりし、またあれやこれやと、私も話す。山岡さんからは、眼鏡の製造の歴史を聞くのが面白かった。私は途中で席を外したが、カトウさんにとっては、初対面だったけれど、全開の窓の袂で、話がはずんでいたようだった。

なんでも、今の大阪市生野区の田島で、昔から鏡を磨く技術があって、いつしか硝子を磨くことになり、それで、ついでに、べっ甲で、眼鏡も造るようになったのだと。べっ甲って、水が糊の役割となって、くっつくのだそうだ。へぇ・・・。それが150年ほど前の出来事だというから驚き。ある日、福井から人がやって来て、眼鏡を造る技術が、福井の人々の冬の仕事として、伝授されて、眼鏡製造の町、福井になったのだと・・・。ある時、映画でロイド眼鏡が流行し、そんな眼鏡を造ってくれという大阪人がいて、セルロイドで型抜きで造る技術から、やがて、鋳型に流し込んで造る技術をDSC02520山岡さんのおじいさん達が造りだし、それが、2.5Dの鋳型の技術に発展し、数年前には、アメリカのスタンフォードの人たちが、この小路の町に沢山やってきて、アメリカのコンピューターの技術と、日本のCAMの技術が融合して、3Dの眼鏡をつくる技術が産まれて・・・。などなどと、一部、間違っているかもしれないが、そんな四方山話を聞くのが、実に楽しい。

DSC02530昨年も沢山の古本を買って頂いた、タカヤマさん設計によるSさん親子が、今年もやってきてくれて、あちらこちらで、寛いでくれた。昨年は、工事中に、このイベントがあり、今年は、完成した家から、この木村家本舗にやって来てくれたのは、とっても嬉しい出来事。

なのに、ご主人が、千葉へ転勤するコトに決まって、来週には、単身赴任するのだと云う。超大手企業って、イジワルなのね・・・・。まぁ、それでも、Sさん一家が愛する家で、奥さんが心地良く過ごしている姿を思い描けるのは、ある意味、幸せなコトでもあって、亭主がたまに帰ってくるぐらいが、丁度、エエのと違いますぅ。なんていう冗談を交えながら、エールを送った。

DSC02548うちの経理部長のコバヤシくんの同級生で、ただ今リフォーム工事が終盤にさしかかっているKさんが、家族でお見えになった。コバヤシくんも、会社からこちらにやって来て、庭のデッキや、あちらこちらで、ゆったりと過ごしながら、あれやこれやと話をする。

木村家本舗の玄関前の行き止まりの道に偶然迷い込んできた若い二人の男性がいて、偶然にも私と玄関前の道路で居合わせて、それで、行き止まりやでぇ、と告知し、迷いついでに、木村家本舗にでも迷いこんでみるぅ?と、声をかけてみると、そのうちのひとりが、じゃぁ。と云って、入ってくれた。まぁ、彼らにしてみればワナにはまったような、とってもおかしな「縁」。でも、それなりに喜んでくれた。

その後は、昨年コンクリートの外断熱の家を施工した、DSC02552OB施主のNさんが、次の店舗工事の打ち合わせを兼ねてお見えになり、設計のヤマガタくんも会社からこちらに来たり、一緒に会社に戻ったり。ただ今、計画中のSさんも立ち寄ってくれて、あっそうそう、長男の同級生で、高校生の頃、よくうちに泊まりに来て、やんちゃに遊んでいたトガワくんが、彼女を連れて、来てくれたのも、それぞれの成長と時の移ろいを感じさせられる嬉しい出来事だった。

15日16日の写真展の準備も兼ねて、キュレターをしてくれている、印象的丸坊主頭のノモトヒロヒトさんが、女性写真家の詫間のり子、山元彩香さんを連れ、会場セッティングの事前打ち合わせに来てくれて、うちの工事部長のトミマスくんを交えながら、あれやこれやなんだかんだ・・・。

こんな感じで、初日の木村家本舗の幕が開いた・・・・。そしてオープニングパーティー。

うちの社員。grafのスタッフ。写真家のメンバー。ツタイミカ、ヤマサキミノリの、やべガール。ミカワ嬢の同級生の女性トリオ。カトウさん夫妻。近くに住むチーママのトンちゃん。退院リハビリ中の顧問フクモトさんも家から駆けつけて、それに会長も飛び入り参加して、それにそれに私たち夫婦。などなど30数名が、異業種交流のごとき様相で懇親する。そういえば、この宴で、カトウさんより「現場監督」=「クリエーティブディレクター」という命名がなされて、きっと何時しか、うちの現場監督の名刺には、そのように刻印されているコトでしょう?

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「縁」を結ぶ可能性が薄い人たちが、木村家本舗という「縁」で出会い、楽しく「宴」を催し、新たな「縁」を結ぶのは、実に楽しい。それもこれも、この陽気のお陰だな。いや、ひょっとすれば、それは、妖気だったのかもしれない・・・・。まぁ、でも、とにかく、この気候に感謝したい。

PS
そうそう、ツタイミカさんによるマンガ皿が実にエエ感じ。
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↑ レイアウトを考えるツタイミカ
↓ マンガ皿を見た、大人も子供も笑顔する。
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今月号のANA翼の王国の「ANA  MEETS ARTS」に紹介されていて、長谷川祐子さんの文章には・・・

「マンガ皿」は文化と人間の肉体を繋ぐその瞬間をテーマにしているのではなかろうか。

料理は作られればそれで終わり、ではない。口に入れる行為が食物と人間とを脈絡付ける儀式である以上、その接点はおろそかにしてよいものではない。

もちろん、古来、人類はその重要性を知悉していたから、器に関して、長い研鑚と深い考慮を重ねてきた。「マンガ皿」のおもしろいところは、そうした文脈を現代の問題へと昇華させている点にある。

食事という行為を食事が持つ文化を「読み取る」行為へと一歩推し進めようとする姿勢が、「マンガ皿」にはある。「食べる前に読め!」と提言するかのような愛らしくも鋭利なお皿たちを前にすると・・・・

ツタイミカ本人は、そんなに深く考えてませんけどねぇ・・・。と、ホンワカと語りました。
時間があれば、是非、ご覧下さい。

投稿者 木村貴一 : 2011年10月09日 23:55 « 準備 | メイン | 貢献 »


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