2015年05月31日

ぐたぐた

親父が亡くなってから生野区の各種団体に、その代わりとして誘われる事が増えて、特に、この5月6月は総会といわれる会合に出席してくださいと、その背後に親父の姿がちらちらしながら誘われるわけで、そんなお誘いにイエスというのが、仕事のひとつなのだと、「私」の中の私に言い聞かせたりしながら、参加すると、この56歳の私は、そこそこの年齢なはずなのに、こんな会合では、まだまだ若造なのだと、70歳を超えた沢山の会社経営者の方々と挨拶を交わしながら、キムラさん、まだまだ、学ぶ事や、やるべき事が沢山ありまっせ!と、それとなく気付かされたりするのが、エエのかもしれない。

総会があり、マイナンバー制度のレクチャーがあり、懇親会があって、IMG_7245万歳三唱で終わったその帰りに、昭和9年生まれと昭和10年生まれの「お父さん」にスナックに誘われたりし、ママがいるカウンターで、80歳の大先輩に挟まれて座ると、あんたの親父わな…、なんていう話から始まり、勿論、ママにも、それなりに楽しくちょっかいをだしたりしながら、あっちこっちと話が飛びつつ、さまざまなエピソードを語ってくれるわけで、そんな会話を通じて、「会社」という存在と「親父」と「私」を否応なく考えさせられたりするのが、妙な刺激になって、私のなかのどこかに、残留物のように何かが残ったりするのだった。

昭和9年生まれのAさんは、生野区で鉄鋼業の工場と自宅を持って商売をされていたが、後継者がいず、悩んだ末、数年前に店をたたんで、建売業者に土地を売却し、娘さん家族と同居してるという。つい数年前に奥さんを亡くし、朝起きると、ふと、会社をたたんで、ほんとうに良かったんかいなと、自問自答がわきおこってきまんねん。仕事をなくしてしまったでっしゃろ。と、時折ママがつぐビールを飲みつつ、切々と語りながら、「仕事」という存在の大切さを私に伝えようとしてくれているのだろう…。

そうそう、本日の日曜日と明日の月曜日は、木村工務店協力会社の精親会の第59回総会研修旅行で、社員や大工さんや協力会社のひとたちがバス1台に乗って旅行をする共有体験が、お互いのコミュニケーションの助けになるのだと、なんとなく思えるようになったのは、ここ10年ほどの事で、親父が私に、おまえこの旅行続けるのか、別にせんでもエエでぇ、と言いながら、これはこれで、大切な事なんやでぇ。という空気感をふわっと出していて、それで、軽やかに、続けるわ。と言うと、そうかぁ。と言いながら、それでエエねん。みたいな、はにかんだ顔をしていた、あの日の事を想い出した。

年寄りが有り難かったり邪魔になったりと、さまざまなわけで、勿論時として、私自身がそういう存在となる時もあるのだろうし、あの住民投票でも多くの高齢者が変化を拒否し、若い人たちの中にはその事を嘆いていたひとたちもいて、それもそうだとおもうわけで、いや高齢者ゆえの経験値を通じてのエエ判断なのだともいえるわけで、で、こんなふうに「ぐたぐた」考えるのは、あのカウンターでの残留物のせいだな…(笑)

投稿者 木村貴一 : 2015年05月31日 00:26 « 記念撮影 | メイン | 改善 »


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