2007年08月05日

響き

P1060274朝、アブラゼミの大合唱が始まった。 今年の大阪は、蝉が異常発生する年だと、新聞にあった。 なぜ蝉が鳴くのかとグーグルで検索すると、雄が雌に求愛しているとある。雌は良い雄かどうか判断してから交尾するらしい・・・。 それにしても、朝っぱらから、派手な、求愛だなぁ・・・・。

P1060286夏に、風鈴の音を聞くと、その音と共に心の中のざわめきや暑さをスーッと運んで、 消え去らしてくれるように感じる。夏の大阪は、路地の間から吹く、西風が心地よい。左側のイルカの風鈴は、確か、 沖縄の水族館で買ったものだ。ガラスとガラスが触れあって、優しい、つつましやかな音色がする。右側の黒い石の風鈴は、 サヌカイト石で出来ている。すごく乾いた独特の音色を響かす。四国うどんツアーに行った帰りに、 高松の屋島で手に入れたものだ。

風鈴の音色に比べて、アブラゼミの鳴き声は、心のブツクサを無理矢理、ガバッとかき消し、 考えることすら許されないくらいの大きな音をがなり立て、否応なしに、黙らさせられるようなイメージだ。まるで、ロックだな。そういえば、 先日の目神山の引き渡しでは、ヒグラシの涼しい鳴き声を聞いた。アブラゼミと比べれば、神秘的な感じすらする。そうそう、芭蕉も「静けさや、 岩に・・・・蝉の声」という有名な句を残したなぁと、思い出した。どちらにしても、セミの声は、その空間に漂う「響き」としても、面白い。

室内も見た目の印象とともに、「響き」のようなものがあって、室内に使われる、床材や壁材や天井材などの素材の組み合わせによって、 実に違った印象があるとおもう。

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ここ2ヶ月ほどの間で引き渡しをした家の素材を振り返ってみると、床材は、杉板、タイル、大理石、コルク、ヒバ、チーク、パイン、 既製フロアー、畳と様々だなぁ・・・。壁は、珪藻土、漆喰ペンキ、ペンキ、クロス、珪藻土クロス、チャフウォール、杉板・・・・。天井は、 ペンキ、クロス、チャフウォール、杉板、シナベニヤ、ラワンベニヤ、・・・・。

家は、窓や天井の高さによって、その印象が、大きく影響されるのだけれど、素材とその組み合わせという事に焦点を絞ってみても、家の 「響き」が随分と違ってくるのが面白い。ひとそれぞれ、素材とその組み合わせによって、 そのひとの感性に合うのかどうかも千差万別だとおもう。そんなことを考えると、住まい手の「肌に合う家」を造っていきたいものだなぁ・・・・ とおもう。

 

投稿者 木村貴一 : 2007年08月05日 14:44 « お盆休み(屋久島その1) | メイン | 職責 »


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