2004年07月12日

イタチと目があった

先週はうだるような暑い日が続いた。新聞にも書いてあったが、まさに猛暑の梅雨だ。

暑さのあまり夜中に目が覚めた。隣で寝ている子供が暑さのせいで布団の上で暴れまくっているのだ。 1回目に横っ腹に襲ってきた子供のキックは「親」として、やさしく丁重にはねのけ、定位置に子供を寝かしつけた。 2回目に襲ってきた肘打ちには少し「むっ」ときたが、やさしく強く肘をはねのけ、お互い暑いのだからと我慢した。

暑いなぁ・・・と思いながらもウトウトとした頃、今度のキックは顔に襲ってきたのだ。暑さで布団の上を半回転し、 その勢いで子供の足が私の顔にどかんと当たったのだ。3回目は「親」であることを思わず忘れた。「こんちくしょう」 と子供を反対側までゴロンと思いっきりころがした。それでも、子供は暑さにもがきながらもぐうぐうと寝続けていた。

熱帯夜と子供の熱気とキックに翻弄され、ウトウトとした眠りが続いたまま、5時過ぎに起きた。汗もかいたし、眠れそうもないので、 朝風呂に入ることにした。湯船に浸かった後、窓を全開にして浴槽に腰をかけ、庭を眺めていた。ほとんど、私の存在が感じられないほど、 身動きもせず、じっと、静かに腰をかけて、座っていた。と、その時、窓の下をゆっくりと一匹のイタチが、ほんとうにゆっくりと歩いてきた。 私が手の届きそうなところの背後に居ることなどつゆしらず、優雅に歩いてきた。 私の目の前を通り過ぎて少し行ったところで立ち止まり後ろ足で立ち上がる。そして、 前足をちょこんとした姿勢で何気なくゆっくりとこちらに振り向いた。その、目の前に私の顔があったのだ。私の目とイタチの目があった。 びっくりしたのはイタチのほうだった。素早く、ほんとうに素早く一目散に縁の下に向けて走り去った。何だか無性におかしかった。 声も出さずにニヤニヤと笑い続けた。お陰で暑さが吹っ飛んだ。

というようなことを思い出しながら、今、選挙結果のテレビを眺めているのだった。 今夜は選挙結果の暑い激論を聴きながら眠りについていこうと思う。

投稿者 木村貴一 : 2004年07月12日 00:56 « 夏 | メイン | ホタルを見た。 »


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