2010年10月17日
新たなコミュニケーションとくつろぎ
「木村家本舗」の16日(土)17日(日)の第2週目が終わる。
「明日は、きっと、日曜日の気がするわ。えっ、月曜日。たぶん、お休みするとおもう。」と言い放ったのは、うちの奥方で、多くの方々との出会いは、ほんとうに楽しく、それぞれの方々と、もっと、ゆっくりとお話しをしたかったと、心惜しく、思えてきて、時間など、あっというまに通り過ぎてしまった。午後6時の閉店後にやってくる、この、何とも言えない、空白。ソファに座ると、気がついたら、心地良い、居眠り状態だった。オープンホームというオモシロさと疲労を実感する。
この2週間ほど、「木村家本舗」のしめる比重が意外と大きく、かと言って、そのことに浮かれているわけにもいかず・・・・・、と書きだすと、そうそう、あるお宅の引き渡しで、ロータスヨーロッパに乗ったことを思い出した。と言っても、小さな子供が、遊園地で自動車のおもちゃに乗って喜ぶレベル。
若いご夫婦が、中古住宅を購入したリフォームで、この車を車庫に入れれるのが、その購入の条件であって、その結果、おもいのほか大きくて高価な中古住宅を購入することになってしまい、リフォーム費用の予算は大幅に少なくなってしまった。それで、その予算配分とバランスには苦労をしたけれど、施主と一緒に力を合わせながら、それなりに、快適なリフォームになった。
「サーキットの狼」なんていう漫画があって、ロータスヨーロッパに乗った主人公が、コーナーをカウンターをあてて抜けていく、その姿に憧れた世代で、こんな形で、その「夢」が実現しているのは、不思議な感じ。いや、勿論、そんなたいそうな夢だった訳でもなく、このガレージに入るまで、全く忘れていたぐらいで、それに、走ってもいないし、カウンターどころか、コーナーもほど遠い状況な訳。
施主のロータスヨーロッパと言う偏愛的な嗜好が、様々な悪条件を産む原因であるものの、その負荷が、工夫や努力をもたらし、結果としてそれが、それなりの心地良さを生み出すわけで、木村家本舗の本質にも、似通ったものがあるとおもう。
趣味が高じて古本屋さんを開くことになったコトバノイエのカトウさんの負荷と屈折とそれゆえの思いやりや心地良さが、木村家本舗の本のセレクトとチョイスに宿っていると感じるし、私は私なりの居心地の良い場所を創造し、そこで本を読んだり、音楽を聴いたり、バーベキューしたり、ゴロとしたり、ブログ書いたり、コミュニケーションしたりという、ごく趣味的なものへの偏愛と屈折と負荷が、妙な努力と私にとっての心地良い空間を生み出したのだと思う。
今日は、近くの散髪屋のおっちゃんが、木村家本舗に、仕事の合間を縫って、ふらっとやって来て、「えっ、兄ちゃん、ジャズ趣味やったん。ワシもや。このエリックドルフィーのアルバム、ワシも持っるでぇ、好きやねん。あの曲の・・・・・。知らんかったなぁ・・・。ジャズ好きやとは・・・・」と、まさか、エリックドルフィーの話を、いつも顔を会わして挨拶を交わす、近所のオッチャンとするとは、かなり、想定外の出来事であり、とっても嬉しい出来事でもあった。
コトバノイエのカトウさんと私とで、何度もコミュニケーションをとりながら、何となく、合意している事は、自分たちの趣味的なものを決して押しつけがましくなく、皆と分かち合い、伝える事によって、新たなコミュニケーションやくつろぎがうまれれば、エエね。
そんな感覚からすれば、ある時間、grafの椅子やイームズの椅子に座って、本を読んで、寛いでくれている姿を見れたのは、嬉しい出来事のひとつであった。
そうそう、木村家本舗のオープン日である16日土曜日は、建築家の三澤さんご夫婦が主催するMOKスクールという集まりがあり、そこで、ささやかなる発表をさせてもらったので、木村家本舗に居れず、その日、木村家本舗に来て頂いた方々には、誠に、申し訳なかったのですが、まぁ、それはそれとして、その後の懇親会で、三澤さんの教え子のswing 小泉宙生くんや、東京の岡庭建設の池田隊長や同じく東京の田中工務店の田中社長さんや岐阜の中島工務店の中島社長さんと一緒に歓談し、さらに、田中さんとは、深夜の2時頃まで、懇親を深めたのは、考えて見れば、本日の早朝の出来事であって、そんな意味でも、思い出に残る、17日の日曜日であった。
本日出会った、全ての人とコミュニケーションに、感謝です。
投稿者 木村貴一 : 2010年10月17日 23:56 « ポートレイト・イン・ジャズ | メイン | オープンホーム(木村家本舗オープニングと日曜ブログ) »