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2009年09月27日

グランドデザイン

何とも言えない、エエ気候。暑いぐらい。時折吹く風の心地良いこと・・・・・・・・・・・・・・。ここ、大阪の生野区の小路でのこと。

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シルバーウィークに、山道を独りで歩く。尾根道を通過すると、それなりに急な登り坂から平坦な道に切り替わって、ゆったりと歩くその心地良さ・・・・。前方に織りなす微妙なカーブ。尾根を吹き抜ける心地良い風。ザワザワと音をたてる広葉樹のトンネル。足下を見ると、「赤土」。その赤土が綺麗だなぁ・・・とおもう。もう、何十回も歩いた道なのに、突然、そんな事に、気付く。頂上まで至るこの山道の中で、もっとも綺麗な「土」。

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ここまでに、至る道は・・・・・
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お盆休みに、「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2009」を見てきた、設計のT中くんが、「その中で、エエ作品は、地面のデザインと繋がりがきっちりとしていて・・」と、印象に残る言葉を語った。

山道を歩く。道と山との「境界」に発生する、様々なデザインの美しさを眺めていると、さきほどのT中くんの言葉が、ふと、脳裏をかすめていったのだが、運動不足からくる、汗が、額から滴り落ち続ける事に、意識が向かい。またそれに、何年も履き慣れていた、登山靴を替えて、3回共、急な登り坂で、踵の上に靴擦れをお越し続けていて、そんな事柄に、意識がとられてしまい、「道」の事はそぞろ・・・・・・。

左官屋さんが、あそこの「土」は、エエとか、もうひとつ・・・・。などと、楽しそうに語る姿を見ていると、「土」に興味を持つようになる。エエ土の場所を見つけたので、左官屋さんに教えてあげたいけれど、あまりにも遠く、労力もかかるなぁ・・・・。

山小屋で、あの場所のあの綺麗な土の話をしていると、その尾根の下の水場では、昔、砥石を切り出していた人が居て、神奈川の有名な刀剣士の砥石に使われていたのだ・・・・・と、聞かされる。確かに、この頃、「土」の色を見ると、なぜか、うちの大工が、刃物を研ぐ、その砥石の色と、砥石から流れる水の色を思い浮かべてしまう。それに、大工の刃物を研ぐカッコエエ姿。これは、一種の職業病だなぁ・・・・・。

山道の「境界」に発生する自然のデザインを見ていると、お盆休みに訪れた、松山の道後温泉と伊丹十三記念館を想い出した。道後温泉の、あの建物の摩訶不思議な雰囲気に、微妙な魅力を感じたのだけれど、道路を隔てた高台の駐車場から眺めた時の、道路と建物との、その関わりが、とってもカッコ良かった・・・・。

伊丹十三記念館も、心地良い中庭に囲まれた、居心地の良い建物だったのだけれど、そのグランドデザインの曲線と建物の在りようが、道後温泉のそれと似たところがあって、カッコエエなぁ・・・・と、眺めた。

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そうそう、このシルバーウィークの最終日。ひょんな事から、T大学を案内して貰う。長男が幼稚園の時からの幼なじみと、ルームシエアーをして住んでいて、その同居人のYくんが、T大学の学生で、今春、卒業するという。まるで、下宿の掃除婦として訪れたような奥方と、その下宿で落ち合って、Yくんの案内で、駒場のT大学を見学する。

どんよりとしたイメージをしていたのだが、意外や意外、とってもエエ雰囲気。木々もあって、芝生もあって、デッキもあって、あちらこちらで、ゴロッとしたり、座ったりしながら、語り合っている。学生の雰囲気もエエ感じ。Yくんが、言うのには、「季節によって、めっちゃ綺麗で、意外と居心地がエエねん」と大阪弁で語る。

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きっと、大地との、環境との、関わりが上手く出来ているからだなぁ・・・。国家のグランドデザインを考える人たちの集う場でもあるのだから・・と、少々の憧れをもって眺めた。

ついでに、タクシーに乗って、東京ミッドタウンに向かう。やっぱり、大地との関わりが、美しい・・・・・。グランドデザイン・・・・・。

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・・・・・・と、大阪の下町の「我が家」で、シルバーウィークの楽しい出来事を思い出し、近くの三国屋さんで買った、アイスモナカとイカ焼きを食べながら、ブログを書く。これを書き終わったら、音楽を聴いて、本でも読もうかと思う。いやいや、我が家でくつろぐのも、実に、楽しいなぁ・・・・・・。

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2009年09月20日

太陽さんには感謝したい。

山口県の長府にある毛利家のお屋敷を見学していると、突然、高校時代の同級生から携帯に電話がかかって来て、親しい同級生が、急死したというのだった。しばし、何の事だが、理解できなかったが、そのまま、お屋敷を歩いているうちに、徐々に、事態を、飲み込めるようになってきた・・・・。

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長府にある長府製作所に行って、エコウイルとエ コキュートと太陽熱温水器を見学しましょうよ。と、お誘いを受けての事で、午前中に長府に到着して、しばし、町中を見学し、昼からが、長府製作所での工場見学だった。

太陽熱温水器を既存のガス給湯器に接続できるシステムがあって、家庭用エネルギーの中で、33%ほどの割合を占める、給湯エネルギーの確保を考えると、古くさいかもしれないが、確かに、太陽熱温水器は、有効な手法だとおもう。太陽のエネルギーを使って、お湯が沸いても、太陽からは請求書はやって来ない。デザインが少し、ヘンなのと、屋根の上に重たいものを乗せるので、耐震の事を考える必要があるのだろう。

勿論、照明や家電を使うエネルギーを確保するのに、太陽パネルが有効であるのも、太陽が請求書を送ってこないからだろう・・・。そんな意味でも、「太陽さん」は、ほんと、有り難いお方だとおもう。だいたい照明と家電のエネルギーも全体の31%ほどらしい。

調理をするエネルギーをIHヒーターにするのか、ガスにするのかは、最近では、安全性なども含めて、好みが別れる事で、私など、両方使えたら、有り難いとおもう方なのだけれど、電気温水器で、ガスを使うとオール電化割引など、低料金の電気を使えないという、電力会社の思惑が絡んで、消費者にとっては、あまり有り難くない、選択を迫られているわけで、確かに、最近の家造りでは、誰もが、悩む事のひとつでもある。

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そうそう、先日、キッチンのショールームに行くと、ガスとIHヒーターが、同時に使える調理器具があって、ところが、調理の好みを選択するよりも、ガス代金と電気代金の事を考えてしまうのが、今という世情かも・・・・・。
それにしても、家庭で、調理に使うエネルギーの割合は、全体の8%ほどという。そんなに、お金の事は、気にしなくても、ひょっとして大丈夫なのかも・・・・?。

お湯を沸かす給湯エネルギーとして、エコキュートとエコウイルのどちらが良いのぉ。という質問もあって、どちらの器具も製作している長府製作所で、両方の特徴のご意見をお聞きするのは、確かに、面白い事だった。エコウイルを製造している技術者が、エコウイルの良さを誇り高く説明する姿を見ていると、確かに、技術者としての好感が持てた。

発電所の火力発電では、ガスを使って、発電し、効率としては、電気が40%ほどしか出来ず、残りの60%は、熱として海に捨てているらしい。それに送電線で、何パーセントかのロスをしながら、家庭に送られてくるという。それで、エコウィルは、家庭内で、ガスを使って、エンジンを回して、発電をし、その、熱として、損をしていた分を、お湯を沸かすエネルギーに利用するのだと。ただ良く聞くと、家庭用は、20%ほどしか発電効率がないので、・・・・、続く・・・・、まぁ、こんな話は、これぐらいにして。

エネルギーを得るためには、エネルギーが必要で、そのエネルギーを造るためのエネルギーが、少ないコストと資源で済むように、皆が努力しているのだとおもう。

そんな訳で、長府製作所での、技術者の方々との楽しい会話は、新幹線の時間が押し迫ったために、途中で切り上げる事になり、凄く残念だったのだけれど、工場内の整理整頓が行き届いた、ビシッとした雰囲気も含めて、企業の姿勢としても、参考になる事が沢山あった。感謝。

そんな、工場見学と並行しながら、心の中では、同級生の訃報が、微妙なムードとなって、内面のどの部分かに、ちょっとした違和感を醸しながら、外面世界の楽しい工場見学とパラレルの状態で、内面世界では、ちょっとだけ、動揺していた。

シルバーウィークの今日、こうしてブログを書いている訳なのだけれど、最初は、コラムの形式で、2004年1月から始めたのだが、2005年の3月、4月、5月と3ヶ月間の空白が出来てしまった。書くのをためらいだした「私」が、そこに居た訳。

そんな最中、その同級生が、3月の末に、こんなメールをくれた。
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はろー!

どないしたん?
いっこも、コラムが更新されてないけど・・・
忙しいんか・・・?
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このメールが、「きっかけ」になった。今までのコラム形式をブログ形式に変更するために、私にとっては、とっても扱いにくい、Movable Type3を、グチャグチャと、内職のようにいじくって、現在のブログ形式に変更し、ホームページのコラムを造り替えた。そして、そのメールの2ヶ月後にようやく「復活」できたのだった。あっ、それと、そんな内容のメールを受け取らないようにするため、自分にとって、更新を続けるための、持続可能な時間を模索して、日曜日の週1回を更新とする事にした。

そうゆう「きっかけ」をつくってくれた、その同級生が急死した。哀悼。

まぁ、そんな事が、あろうが、なかろうが、「時間」とは無慈悲なもので、淡々と流れていく。今日は、シルバーウィークの初日だけれど、「日曜日」だという事もあって、ブログを書くという、見えない糸が絡んでいて、自宅の近くにいて、遊ぶ事を選んだ。

阪神対広島戦を甲子園球場で、息子と二人で、見た。私は、野球場で野球を見たのは、小学生の時以来、40年ぶりの事。それに、テレビで、野球を見るのも、年に1回あるかないか。ニュースで見るぐらい。

祖父は猛烈な阪神ファンだった。阪神が負け出すと、テレビの前から離れて、孫の私たちに、ちょっかいを出しに、うろちょろし出す。父は、隠れ南海ファンだった。今でも、きっとそうだ。息子は、かなりの阪神ファンだ。私は、今日だけの阪神ファンだった。

そして、猛虎打線が爆発した。勝ち、気持ちが良かった。得点が入る度に、まわりの見知らぬ人たちと、三度も四度もハイタッチをした。六甲おろしも皆と一緒に歌った・・・・。

ディゲームで、太陽がまともにあたり、猛烈に暑かった。球場がこんなに暑い場所とは知らなかったので、汗びっしょり。アルコール消費量に関しては、かなりの省エネな私も、生ビールを楽しんだ。暑くて暑くてたまらなかったけれど、それでも、この天気に、やっぱり「太陽さん」には、感謝したい。

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皆さん! 素敵なシルバーウィークを!!!

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2009年09月13日

微笑み

吉野に行く所用があって、久しぶりに、「こばしのやき餅」を食べDSC01279DSC01281る。昔からの口コミの人気だけで、午前中に売り切れてしまうらしい。

まぁ、親戚にもあたるのだけれど、冠婚葬祭の時にしか、顔を合わせる事がないので、今日は、ほんの30分ほどだけれど、その秘訣を聞いてみる事にした。

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まず、素材はエエものを使う。そして、その素材のバランスが大事。餡や餅や餡に餅を包むのに機械を使うのだけれど、餅を焼くのには、機械化をせず、一個ずつ、「手」で焼くのだと。機械で焼くと、どれもが均一になってしまい、その素材の状態を読み取って焼く事ができない。やっぱり、焼くのが難しい。それで、作れる数には、限りがあるのだと。その表情には、エエ職人さんが、共通して持つ、独特の微笑みが、うかがえた。

そう言えば、鰻屋の友人が言うのには、鰻は、串刺し3年、焼き一生といって、「蒸す」と「楽」なのだが、蒸さずに炭火でじっくりと焼くのが難しいのだ・・・・・と微笑む。やき餅の作業場を眺めながら、そんな言葉を想い出した。

そうそう、先日の上棟式の宴席で、刃物を研ぐ砥石の話になって、大工さんが、「嫁さん貸しても、砥石は貸すな」という諺があるぐらい、砥石には自分のくせが、ついてしまうのだ・・・と、微笑んだ。あっ、言葉で表現すると、女性に対して、凄く、失礼な表現になってしまっているので、それは、とっても謝罪しておくとして。

職人さんの世界には、公然の秘訣が、いろいろ、あるのだとおもう・・・・・。

吉野杉の床材や壁材を製造直売して、うちに納入してもらっている、丸岡材木店にお邪魔する。桟積みの仕方。乾燥の仕方。いきなり実加工をせず、一端切りそろえる加工をして、板の状態を確認して、抜け節パテを処理などをしてから、刃を替えて、実加工をする。抜け節の処理の仕方。ちょっとしたパテ埋め。サンダー仕上げの方法。エンドマッチの加工等々、仕上がった杉床材の表面からだけでは読み取れない、隠れた手間の説明と微笑み。確かに、話を聞くと、確かに、愛着もでる。

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金峯山寺・蔵王堂にも、ちょっと、立ち寄る・・・・。相変わらず、美しい屋根と軒。弊社のK本くんが呟いた。90cmの庇を延ばすのに、あーだ、こーだと言っているのに、あー、なんとも凄い軒の出だなぁ・・・・・と。どんな職人さんが、墨付けをし、刻み、上棟をし、屋根を造り、微笑んだのだろうかと、正面に対峙しながら、想像してみた・・・・・。

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微笑みを持てるようになりたいものだなぁ・・・・とおもう。

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2009年09月06日

エネルギーを得るためにはエネルギーがいる

という・・・・・。

キャンプ場に着くと、土地探しから始まる。もちろん、区画と指定された場所が決められたキャンプ場もあって、それはそれなりの良さもあるのだが・・・、今回は、場内であれば自由。四万十川上流の河原のすぐそば、を選択しても良いのだが、そうそう、7年前は、そうしたが、今回は、土手の上の、木陰を選ぶ事にした。

美しい大きな木があって、河原の眺めも良い、「一等地」は、既に「先住民」が居た。それで、一等地には見劣るものの、一本の大きな木がある、私たちにとっての「二等地」をチョイスする。まぁ、それは、「私」の役目でもあって、一応、「ここでエエかな」と奥方の了承を得る。「エエよぉ!」と心地良い返事が返ってくれば、「即決」するのだが、なんだが、「いまいち」な表情と言葉の抑揚を読み取ると、考え直して、場所を変更する。今回は、お互いに、「あの一等地」に憧れと未練を残すものの、まず、住むことのできる土地を見つける事が、最優先事項なので、「即決」する。

それで、その「土地」にどのように、テントを設営するのか、どんな「家」を建てるのかが問題で、まぁ、職業柄もあって、それを、「楽しむ」事が、私にとってのキャンプの楽しみのひとつでもある。

「家」そのものにあたる「テント」は、既に、買って、あらかじめ用意するのが、一般的な事で、勿論、25年ほど、「そんな生活」を趣味としていると、「何軒」かを買ったりしている訳で、中学生の頃に買って貰った、三角屋根のオーソドックスなテントから始まって、ロッジ型で、寝室とダイニングの二つに分かれたものが、最初の憧れのテントになった。最近は、キャンプ場で見かける事もなくなっってしまったが。ロッジ型のテントの御陰で、椅子やテーブルをキャンプに持ち込むようになった。

それから、三次元的にフレームを曲げて組み立てる、ドーム型のテントが、普通に売られるようになって、コンパクトに収納できる、4人用のドームテントを買った。それをバックパックに詰め込んで、家族3人と犬一匹で、北海道をレンタカーで、キャンプ旅行をした。確か、屈斜路湖のアイヌ民俗資料館の前で、設営したのが、最初だったとおもう。少々流行後れのテントだけれど、今でも、そのテントを使うし、皆に、貸し出したりもする。

そうそう、「タープ」というものが、「出現」した時も、それなりに衝撃的だった。雨の多い、日本の気候風土にマッチしているとおもったし、タープを張る事で、ひとつの「空間」が生まれる事が、何よりも、面白い、体験だった。そのタープの御陰で、椅子やテーブルをキャンプに持ち込んで、食事をしたり、くつろぐ事が普通になって、キャンプ生活が、随分と、「モダン」になったなぁ・・・・とおもう。

学生の頃、バックミンスター・フラーの「宇宙船地球号」という考え方とフラードームというものが、格好エエなぁ・・・・と、おもう時期があって、今まで、あたりまえだった、三角型のテントからドーム型のテントに入った、その時は、「テクノロジー」というものを感じた。そういえば、「moss」というブランドが出現した時も少々の衝撃を受けた。同じ、ドーム型のテントやタープが、「デザイン」によって、こんなに格好良くなるものか・・・と、憧れた。

今の、私たちの「家」としてのチョイスは、ポップアップ式の小さなキャンピングカーで、キャンプ場内でも威圧感のない車が、好みだ。地面のエネルギーを感じながら、テントで寝るのも、たまには、エエのだが、キャンピングカー内の、「高床式」の快適さには、抗しきれず、また、奥方を、キャンプに「招待」するには、必須でもあった。夏のキャンプでは、風が流れるのが、心地エエので、ポップアップ式をチョイスして、15年ほどになる。

今、タープは、車の横からスライドして出てくるタープと、家形のスクリーン式タープを使う。設営が、少々面倒だが、風や雨にも強く、少々大きいめなのがエエかな・・・。気候のエエ時期は、そのタープに、GIベットを持ち込んで、毛布やタオルケットや寝袋などにくるまりながら、「私」は寝る。コンパクトなドームテントも張る。子供は、テントに寝るのが、楽しいようだ・・・・。

それらの「道具」を、その敷地条件と、木と、眺望と、キャンプの隣人との関係を考慮して、どのように、セッティングするのかが、ほんの少々の楽しみ・・・・。

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川などで遊んで、帰ってみると、新たな「住民」が、私たちの、テントの直ぐ近くまで、迫っている事も、たまにあって、「境界」が特定されているわけでもなく、「先住民」が優先されるのだぁ・・・と、勝手な権利を主張するべきでもない・・・・・。この隙間に、テントを張るのぉ・・・という、ひとも、居て、それでも、出来上がってみると、いやぁ、意外に上手く、設営するものだなぁ・・・と、感心することもしばしば・・・。そんな訳で、時としては、隣のキャンプの様子が気になる事も、まま、ある・・・・。

土地というものがあって、人間というものもあって、生活という形態があり、「住まい」というものが必要になり、隣人が居て、あぁ、縄文人はどうしていたのだろうか・・・、弥生人は・・・、古代国家が成立するのにあたって、敷地境界はどうやって、決めていったのだろうか・・・と、キャンプの隣人を見ておもう。

リビングダイニングのようなスペースをタープの下に確保して、炭や焚き火を使いながら、飲み食いをする場所も設定し、調理器具や食器類や水やクーラーの設置する場所も設定する。テントの場所。車の場所。

 

「敷地」や「家」の問題も多々あるが、「エネルギー」の問題をどうするのかが、大げさに言えば、キャンプ生活の課題でもある。それは、主に、調理をするためのエネルギーと、明かりをとるためのエネルギー確保が、主たるテーマ。

ホワイトガソリンをエネルギー源にして、コールマンのツーバーナーと赤いランタンを使っていた時期もあって、今でも、カッコエエし、火力もあって、明るさも抜群なのだけれど、それぞれを、譲った。今はガスを熱源とする、ツーバーナーとランタンを使う。そのガスも、どこにでも売られている細長いタイプのガスボンベが使える器具をチョイスしている。

それは、徐々に、キャンプに行くために準備をする時間が楽しめなくなり、また、面倒くさくもなってきたからで、行き当たりばったりの準備不足でも、何とかなりそうな、熱源をチョイスした結果の事であって、最近は、インターネットの普及で、アウトドアーショップに出向かなくても手に入るようになってきたので、準備の仕方もちょっと変わった様相。

調理をするための熱源に「炭」があって、これは、一回分ほどだけを、家から持って行って、後は、現地で調達をする。ホームセンターで、割安の炭を大量に買っておいて、車に、荷詰めをして、現地まで運ぶのも良いが、トランクの大きさもあって、現地で、「炭」を調達する事も多い。あまりにも、高くて、損したなぁ・・・・と、おもう時もあるが、おもわぬエエ炭にあたる時もあって、そういう、「出会い」や「地産地消」が、楽しい。

「キャンプ=焚き火」とおもうほど、焚き火こそ何よりの楽しみ。とは、言い過ぎだが、やっぱり楽しい。焚き火のための道具の話は、おいておいて、その「薪」というエネルギーをどうやって確保するのか。勿論、ほとんどの人が、現地調達なのだろうが、うちは、工務店だという事もあって、廃材の杉などを、薪として使える、準備があり、出かける前に、適当な大きさに切って、用意をすれば良いのだが、まさに、「エネルギーを得るためには、エネルギーがいる」を実感する瞬間であって、確かに、面倒くさい・・・・・。

焚きつけ用の、細い薪だけを用意する事も、心の余裕がある時は、そうするのだが、現地で調達して、「地産地消」となる事がほとんど。車のトランクの大きさや面倒くささなど、計量しにくいい、「輸送コスト」というものが、反映されているのだとおもう。

「薪との出会い」も楽しみのひとつであって、それぞれの、地方とその場所によって、出てくる薪の種類も様々で、燃え方も様々。今回は、ひと束300円の薪の中に、焚きつけようの細い薪が何本もあって、何とも「親切」だなぁ・・と、感謝した。もちろん鉈(なた)を携行しているのだけれど、そうゆう心遣いが嬉しい。今回の調理エネルギーは、ほとんど、その薪と、そこで買った炭で、まかなった。ガスボンベを一本分ほど使用したかな。

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家庭で使うエネルギーを4種類ほどに分類する教えがあって、一つは、調理に使うエネルギー。今回の旅行では、薪と炭とガスボンベを使った。それは、コストとしてどうなのか、それに最近でいう、CO2の排出量に換算するとどうなるのか・・・・と、考えてみる。

一つは冷暖房に使うエネルギーで、今回は夏だったが、川縁で、木陰の涼しさもあって、消費量は当然ながらゼロ。ただ、車の移動中に、エンジンをまわしながら、クーラーをかけたっけ・・・・・。そんなエネルギーもトータルで考えるのかどうか。避暑のために、車を使い、お金を使い、宿泊施設を使って、また、そのための様々な準備費用。贅沢な冷暖房費用かも・・・・・。

もう一つは、給湯エネルギーで、お風呂や、台所や洗面で使うお湯のこと。今回は、ゼロエネルギーだったのかと言えば、その村が杉の木で造った瀟洒な建物に、シャワー室と便所があって、3分間100円のシャワーが使えて、意外と快適で、家族3人の合計が1000円ぐらいだったのかな。それに、一カ所だけ、ウオシュレットがあって、すっかり、ウオシュレット依存症になっている私のお尻は、ほとんど、無意識的に、その場所を目指していて、電気エネルギーを消費しながら、お尻のお湯を快適していたわけ。また、きっと、村が、村の税金を使って、建物を建て、維持管理しているのだろうから、トータルなコストを考えると、それなりの贅沢な、シャワーとウオシュレットだったかなぁ・・・。そうそう、近くの温泉に入りに行ったのを忘れていた・・・。コストに換算すれば?

もう一つは、照明や家電に使うエネルギー。一般家庭では3割近い消費量があるという。今回は、照明はガスランタンを使い。2本ほど使った。それは、エネルギーコストとしては、高いのか安いのか・・・。キャンプでは、いわゆる家電を使わないのだけれど、冷蔵庫の代わりに、コールマンのスチールベルトのクーラーボックスを長年、愛用していて、その購入費用とか、コンビニで買った、氷代金とか、出発前に冷蔵庫で冷やしておいたアイスボックスの電気代金とか・・。氷というのは、エネルギーコストに換算すると、どうなるのだろうかと、エネルギー問題を真面目に考えるのも、いまという時代かな。

そうそう、最近、家電としては、携帯電話とか、パソコンとか、ゲームとかをキャンプに持ち込んで、そのバッテリーの充電は、自宅の電気で供給されているのだけれど、それを、現地で消費しているわけで、隠れた電気消費エネルギーといえるかも・・・・・・。

 

「電気」というものが、ない生活が、時としては、楽しい。そして、キャンプでの暗闇が、楽しい。レイ・ブラトベリの絵本に「夜のスイッチ」というのがあり、暗闇とは夜のスイッチを入れる事だよ。というようなニュアンス。確かに、キャンプでは、夜のスイッチを「ON」にすれば、楽しめる事が沢山ある。焚き火など、なんとも瞑想的だ。満天の星空も。

心の問題も含めて、「エネルギーを得るためには、エネルギーがいる」のだとおもう。

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