2015年06月07日
記念撮影
社員や大工さんや手伝いさんや協力会社のひとたち50人ほどと一緒に、岩場にへばりつぎながら「投入堂」の前で記念撮影をし、それはなんだかとってもエエ経験と想い出で、それにしても、ここまでのアプローチは思いのほかハードで、木の根っこや岩場や鎖場をそれなりに慎重に歩きながら、なんとか全員が無事に辿り着けて、最後は岩陰を左側から右回りに回り込んだところに突然開けたスペースに出て、その正面の岩場の中に、へばりつくように投入堂の可愛らしい大きさの木造建築がバーンと出現し、思わずカッコエエなぁ…と呟いた「私」。
さまざまな建築家のひとたちが好きな建築のひとつとして上がる有名建築であり、そんなのを建築に携わるものづくりの職人さんたちと一緒に共有してみるのが面白そうだと企画した研修旅行で、道中では、どうやって建てたのかは勿論やけど、それより大工さんは、どこで加工してたんやろ。とか、それにしても、毎日こんなハードな道を大工さんたちは往復してたんかいな。いや、きっとキャンプしてたんとちゃぅのぉ。とか、確かにこんな岩場の連続やったら材料運ぶのタイヘンやな、絶対イヤヤな、こんな現場に行け言われたらどうしょぉ。とか、この投入堂のちょっと手前に岩の中に入り込むような観音堂があって、その場所で皆が揃うまで待機している時には、いやいや、この観音堂の中には、仏像やなくて、きっと仮設資材とか大工道具とかいっぱい入っているでぇ、と言いながら板の隙間から中を覗いていたりする職人さんもいて、そんなコミュニケーションが家族旅行と違う楽しさなのだろう。
確かにこんな話を想い出しながら写真を眺めていると、観音堂を建てる前は、この岩穴を、大工さんたちは加工場として使い、飯場として利用した後、このお堂を建てて、今はメンテナンス用の小屋になっているのかもしれないと思えてくるのが、職人さんたちのそれらしい妙な説得力なのだろう。
今日の日曜日は椅子張りワークショップで、昨年、建築家のヤベさんのケンチクイスワークショップでは、座面を貼るコトになり、その時に3人の椅子張り職人さん、upholster 秋田英明さん、Twisted フナコシユウマさん、SUN De WITCH 新子真希さんがお見えになって、その縁が繋がり、今年はアキタさんのアイデアで、パンケーキスツールを製作する事になった。それが今までで、もっとも高額なワークショップで、それ故に参加人数を心配したのだけれど、意外にも、キャンセル待ちがでるほどの人気で、25組のお客さんにお越し頂いた。脚は既に製作済みで、生地選びから始めて、既に用意してあった型紙を使って裁ちばさみでカットし、それをミシンで縫製する。クッションは脚にウレタンを何重かに積み重ねてエアーのスプレーガンで接着して製作し、そのクッションに生地を巻き付けて、エアータッカーで止めて完成すれのだけれど、確かに製作工程を見ていると、おもいのほか手間と材料費がかかるコトを実感するのだった。
パンケーキクッションが完成し、完成の喜びと共に6人の女性が集まって、寛ぎながらあれやこれやと会話をしている時だった、私たち「イストモ」やなぁ…って、参加者のとんちゃんが突然言い出して、それで6人の椅子に座るイストモ記念写真を撮影するコトになった。確かに「まちのえんがわ」ワークショップの縁で、それもこの椅子の縁で集ったひとたちで、しかも、この日造った兄弟姉妹のようなパンケーキスツールたちは、それぞれの暮らしの中に置かれたりするわけで、そういう繋がりっていうのも、なんか凄くエエなぁ…とおもえるワークショップだった。
経験を共有することが、コミュニケーションをスムーズにするのだとよく言われるが、確かに旅行とか、ワークショップとか、ま、それで、「記念撮影」なんかをすることで、その共有経験も焼き付けられたりするのかね…。
投稿者 木村貴一 : 2015年06月07日 23:59 « パッシブとアクティブ | メイン | ぐたぐた »