2016年11月20日

流行。

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小学校の同級生と3人で、ロードバイクに乗って、ランチを食べに、河内長野に向かう。遠くに岡本太郎デザインのPLの塔が見えて、畑の中にポツンと、imageサイディング貼りのフツウの平屋の建物と温室が併設して建っていて、その平屋のパン屋さんで、パンをチョイスし、それにプラス500円で、地元で採れた旬の野菜を使ったヘルシーなお惣菜とサラダと飲み物がついてきて、その併設して建っている温室をリメイクしているテラスハウスで食事をする。イチゴ農家が、お米でパンを焼くことにこだわった米パン工房であること、自家製の野菜や素材にこだわっていること、土曜日曜日だけオープンしているパン屋さんであること、ぐるっと囲われた畑の中にポツンとお店があること、そんなのが、なんとなく「いま」という時代の需要と供給の特徴を表現している「流行」のようにおもえた。

10月11月の日曜日と祝日の朝にロードバイクに8回乗ったが、日曜日にワークショップや相談会等がなくて、まるまる一日乗れたのは3日だけなので、合計で550Kmほど走って、よく自転車に乗ってるひとからすれば、たいしたことない距離で、しまなみ海道のペンションLINKの親父は66歳なのに1ヶ月に1000Km走ったというし、それでも、いままでの「私」からすれば、それなりの距離なわけ。

いや、それが、関西大学で木造設計製図の講師をして6年ほどになり、教授のEさんのもと、建築家のMさんと構造のSさんと工務店の私とで、生徒の提出する共同設計課題に対して、アドバイスと評価を繰り返しながら授業を進めるのだけれど、授業の休憩時間の会話で、構造のSさんが、最近ロードバイクに乗って、平日も含めて、1ヶ月に500km近い距離を走っているらしく、建築家のAさんも最近ロードバイクに乗りだしているよ。建築家のロードバイククラブが出来るかもしれませんよ。なんていう会話に、それとなく刺激されているのだろう。今度、皆で、一緒にしまなみ海道をロードバイクで走りながら伊東豊雄さんや隈研吾さんの建築を見て廻りましょうよ....。なんていう会話になるのが、いまという時代のひとつの「流行」を表現しているのだろう。

この木造設計製図は、吹田にある実際の高低差のある敷地が設計課題で、同じ敷地を4年連続繰り返えして課題にしていて、2,3人のチームで設計する課題なのだが、毎年毎回、違う案が出てきて、そういうことが、あっ、プランニングって、まだまだ、いろいろな可能性があるのだなぁ....と刺激を受けたりする。

設計製図は、毎週毎週、「課題」に追われるなか、どの学生も頑張って真面目に提出して、その姿に、感心するのだけれど、うちの次男も東京で建築学科の学生をしていて、奥方との会話では、「課題。カダイ。かだい」と口を開けば宣っていて、それが、建築学科の学生の呪文のようなものであるわけだが、最近の電通の鬼十則の事件など、「仕事。シゴト。しごと。」が、もはや呪文となりえず、呪いとなって、大きくのしかかって心身に支障をきたす頻度が増してくる時代でもあり、「シゴトとかカダイ」とかの有り様が問われているのが、ひとつの流行でもあるのだろう。

最近気に入っているコトバで「利用の構想力」という概念は、プランニングという概念をもう一歩進めた感じがするのだけれど、大学生が、空き長屋に興味を持って、その利用の方法や、プランニングを考えるために、先週は、うちの持つ空き長屋の調査に来たりしたが、今週は、とある大学の教授と行政の方々と鶴橋で焼き肉を食べながら、空き長屋の活性化に関して、家主のコト、大学の授業と学生のコト、空き長屋に住みたいと望む若い利用者のコト、DIYのコトなどを焼き肉のアテにしながら話し合った週でもあり、大学生が、木造のコトや空き家資源のコトに取り組むのが、いまという時代性と流行なんだろう。

こんな「流行」と遭遇した一週間だった。

投稿者 木村貴一 : 2016年11月20日 23:29 « 加工場での忘年会とワークショップ | メイン | 民主 »


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