2008年10月19日
栗きんとん
トイレに貼ってあるカレンダーを見ると「栗きんとん」と書いてあった。そうそう、昨日そう言えば、栗きんとんを食べたのだ。 以前に食べたのは何時の事だろう・・・・。思い出せない・・・・・。それにしても、栗きんとんを買ったのは、ひょんな事からだった。
E教授のお誘いで、岐阜県立森林アカデミーに行く。 前日から一泊の予定が、仕事が重なって泊まれなくなり、次の日の早朝に会社を出て、美濃に向かうことになった。そう言えばこの3月、 この道を走って、社員で、スキーに行ったけ。と思い出しながら、高速道路を走る。ちょうど、皆が朝食時に到着した。
挨拶を交わし、談笑しているうちに、どんどん時間が過ぎ、気が付いたら、セミナーの時間となって、施設を見学する時間を「ロスト」 してしまった。まぁ、それというのも、お会いした人が、偶然か、それともそれは、必然の事だったのか、今まで、 何んらかの縁のある人ばかりだったからだ。
初めてお会いしたT先生は、弊社で施工した「目神山の家22」 の取材をされ、お施主さんとも面識があって・・・と、話される。そうそうと、建築家の石井修さんの施工中のエピソードも含めて、 話がはずむ。
森林アカデミーで教授をされている、Ms建築事務所の三澤文子さんにお会いするのも久しぶりの事だった。 以前、 施工させていただいたのは何時の事でしたか・・・と、話がもりあがる。
だいたいにおいて、木村工務店で、木造建築をもう一度見つめ直し、しっかりとやり直そうとした、そのきっかけは、 Msの三澤さんとの出会いがあったからだ。「木」という素材。その「流通」も見つめ直した上での「木」への取り組み。そして「木組み」と 「木構造」という構造へのこだわり。その木組みを「今の住宅」の内部に見せるためのさまざまな工夫。
工務店が「木」に対して、やるべき事を見失っていた、その時に、パイオニアとなってチャレンジしたのが、建築家の三澤さんだと思う。 いま、多くの工務店が、自然素材の家とか木組みの家としてやっている事の多くは、三澤さんの、その取り組みの御陰とするところが多い。
そんな三澤さんとの出会いから、国産材にこだわる「木童」さんと出会い。木構造のパイオニア「田原」さんとも出会う。Msの所員だった建築家の 「林敬一」 さんとの出会いや、現代計画の江川さん設計の「今田町の家」 を施工させていただいたのも、木童さんや三澤さんとのつながりからだった。その後、江川さんとは「目神山の集会室」 の施工などを通して、石井修さんの「目神山の家22」へと繫がる。
そして、その元を辿れば、美建の石井修さんや、石井先生の話にもよく出てくる、吉村順三さん。また、現代計画の民家型工法などにそのルーツがあるのかもしれない・ ・・・・。
そんな事を、いままでの感謝を込めて、三澤さんとお話をしている間に、あっというまに、セミナーの時間になった。まず、
木材開放試験室を見学する。つい先日、弊社の木造3階建てで、
初めて使った「モイス」の強度試験をしていた。
これも、何かの偶然だな・・・・と、E教授と歩きながら会話をする。
広大なキャンパスを少しだけ散策しながら、研修室で、セミナーを受ける。あっ、 講師をしているのは、以前、Ms設計の所員で、その時、うちで施工した住宅の担当の辻さんだった。彼が設計をした 「道の駅 美濃にわか茶屋」の説明を受ける。ウッドマイルズ等、 その説明の上手さに驚きながら、設計事務所の所員だった頃からの月日の流れを垣間見る。ほんの数分間の車の中会話だったけれど、 久しぶりの話に、花が咲く。
その後、風の通りぬける「道の駅 美濃にわか茶屋」を実際に見学し、食事をする。
軽く食べようと、そばを頼んだのに、出てくるまでに、ものすご~く時間がかかったのは、のんびりとした、でも一生懸命働いている、 美濃の人たちの姿を見ると、それは、仕方ない事だよなぁ・・・・と、考えている私がそこに居て、そう考えている事自体が、私には、やっぱり、 大阪人の「いら血」が流れているのだ・・・・・と、脳裏で、ブツクサと心が彷徨っていた。
皆は、観光バスへ。私は自分の車へ。一緒に、ちょっとだけ「うだつの上がる町並み」 に立ち寄る。
文句なしの秋晴れ。うだつの町並みにひと筋の飛行機雲。のんびりと流れる時間感覚。
うだつの町並みの脇道の駐車場の奥に見える蔵。その破風の漆喰の白と錆びたトタンの風合い。それがなんとも感じいいなぁ・・・・と、 E教授と立ち止まって、会話をしながら、お互い、しばし、写真撮影。
皆と別れて、駐車場に向かう。その途中で脇道へ。秋晴れの中。3本の飛行機雲と2本のうだつのコントラストが美しかった。
そうそう、その和菓子屋さんで、「栗きんとん」を買った。
投稿者 木村貴一 : 2008年10月19日 22:03 « ぐずぐずとした・・・ | メイン | MOTTAINAIを考えてみる秋 »