2007年06月17日
レッカー
尼崎で木造の3階建ての上棟があって、駐車場に車を止め、住宅街を歩い て、現場に向かう。 最近は、駐車スペースを探すのに苦労することが多い。もともとは古い住宅街だが、阪神大震災によって、ほとんどの建物が、 ハウスメーカー風の新しい建物に建て替わっている。コンクリートのマンションも多い。
建物の間から、キリンの首のようにレッカーの竿がニョキッと出ていて、「おー、やってるなぁ・・・」と呟きながら歩いて、 現場の前の通路に到着する。梅雨入り前の雲ひとつない青空だった。
所謂、旗竿敷地の専用通路の間にレッカー車がスッポリと入って作業をしていた。 「上手いことレッカーが中に入ったものやなぁ・・・」と感心しながら、作業を見守る。
上棟の日の木造の木組みの上に上がるのが好きだ。理由はよく分からないけれど、体が、そのように要求する。平均台の上を歩くように、 梁と梁の間を歩きながら、木と木の仕口を眺め、木組みの揺れを感じ、木が組み上がるにつれて、木が固まり、揺れが止まっていく様子が好きだ。 大工からは、上棟時に何の役にもたてへんし、邪魔やなぁ・・・と、思われているに違いない・・・・。
それよりも、ちょっと、緊張したのが、上棟が終わ った後に、 レッカー車を通路から道路まで出す時だった。隣のブロック塀とレッカー車の隙間は数センチ。 手伝い職の松ちゃんと一緒に木組みの上から眺めていると、「もう、見てるだけでドキドキして・・・、あー、もう、 見てられヘンわ!」と言って、松ちゃんは、スーッとその場を離れ、箒を持って、後片付けをし出した。
レッカーの運転手もやっぱり、技術がいるよなぁ・・・・。あの狭い道路からこの狭い通路に入ってこようと、判断し、トライする姿勢は、 凄いなぁ。やっぱり、「経験」と「勇気」だよなぁ・・・・・。
現場にいると、職業として、大工は絶対的に出来そうにないし・・・・、レッカーの運転手も無理だなぁ・・・・と、実感するのだった。 なんだかんだ言っても、家造りは、職人さんあっての家造りだなぁ・・・・と思う。
投稿者 木村貴一 : 2007年06月17日 10:36 « ソファー | メイン | 慰安旅行 »