2008年09月21日
雨だ。
雨だ。「台風が接近する・・・・」と、天気予報からアナウンスされると、工務店の社内や現場では、台風養生にドギマギする。 写真のように、建築現場でよく見かける光景だとおもう。
工事中の現場に行くと、上の写真と同じように、台風養生がしてあった。「台風養生したけど、台風の進路がそれて、台風来なかったなぁ・ ・・、でも、良かったな」と、私が言うと、そばにいた大工のNくんが、「それなりの手間と費用もかかって、ちょっと、ムダやったな・・・。」 と。「養生したら来なくて、養生を怠った時に限って台風が直撃したりして・・・・」と、ツッコミをいれてくる。そしたら、 現場監督のMくんが、「僕は、台風養生をしたからこそ、台風の進路がそれたのだ。と思いたいなぁ・・・・ 」と。
「善良な管理者としての・・・・」という文言が建築の契約書の約款などに書いてあって、「不可抗力による重大な損害が発生し、 施工者が善良な管理者としての注意をしたと認められる場合は施主がこれを負担し ・・・・・」などと書いてある。 台風時などの心構えのひとつでもあるようだ。
善良という、それはいたって曖昧な言葉なのだけれど、確かに、現場監督も設計者も善良な管理者として家を造っていきたいものだな。と、 考えさせられる。それとともに、「言うは易く行うは難し」なんていう諺もやっぱり脳裏をかすめるのだった。まぁ、それはともかくとしても、 社員共々、そのような心構えで、建築に携わっていきたいものだ・・・・・・。
そんな事を考えながら、台風が通り過ぎて、昨日は天気が良く、汗ばむほどの陽気だったのに、今日は、天気がぐずついて、 雨が降り出している。不順な天気。不順な経済。などと、思いながらその空を眺める。
と、 先週、そんな不順な天候の隙間から見た、ほんの数十分間の中秋の名月の光景を思いだした。ついつい忘れがちな「月」。そうそう、 今日は中秋の名月だな。という誰かの言葉で、「月」が空にあった事を思いだした。空を注視し、わずかな時間の月明かりを楽しんだ。たしかに、 月の光には独特のムードがあって、きっと、その妖しい光から、知らず知らずに様々な影響を受けとっているのだなぁ・・・・・。
数分後、月は雲の中に隠れ、夜中には、そこそこの雨が降る。朝起きると、雨上がりの木々の葉っぱから水滴がいっぱい垂れ下がっていた。
滴に焦点が合い、滴を覗くと、滴がレンズのようになって写し出されるまわりの光景が、万華鏡のようだった。
葉っぱや木の実についた滴が落ちていく、その姿が、リズミックで、宝石のようににキラキラ光っていた。
キノコだって、みずみずしい・・・・・。
と、まま、楽しめる雨もたまにはあるのだけれど、とうてい楽しめそうもない豪雨の報道が、ここ最近、あちらこちらにあって、やっぱり、 ほどほどの雨であって欲しいなぁ・・・・と、工務店という職業柄も重ねあわせて、天を見上げて願う。
それにしても、最近の「環境」とか「エコ」なんていう報告からすると、豪雨のそれは、多分に、人為的な問題も絡んでいるらしい・・・・
。
ここんところの報道を賑わす問題はどれも「複雑系」
だなぁ・・・・・・・。
投稿者 木村貴一 : 2008年09月21日 17:20 « 道 | メイン | 平日と休日の思考と感情 »