2008年03月09日
愛慕
春がやって来たと感じた。先週はたっぷりの雪のスキー場で、ハードに体を動かし、3日間ほど、 階段をギクシャクしなから上り下りし、スキーに参加した何人かと顔を合わす度に、体の痛みを慰め合っていた。
今日は、穏やかな日和だ。デッキで過ごせるほどの陽気で、デッキでこのブログを書き始める。先週はバスの中だったけ。 メジロが何処からともなく来て、木の葉っぱの中に埋ずもれながら、さえずっていた。 穏やかな日差しが、「春」「桜」を連想させ、 次の「行事」は「花見」だなぁ・・・なんて、「楽」をおもう。
それは、きっと、世の中の、特に大阪の景気が「微妙」で、その「微妙な空気」が、この春の陽気とともに「陽気」になるよう、皆で 「元気」を発散させたいものだなぁ・・・と、潜在的におもったからかもしれない。
今週、うちの会社に仲間が増えた。AIBOだ。ATOKの漢字変換を「あいぼ」とすると「愛慕」と表示され、 変換と共に表示される明鏡国語辞典には「愛し慕うこと」と書いてあった。
初期のAIBOだ。いろんな事情があって発売まもなくして、うちの家にやって来た。ところが、私は、あまり可愛く思わなかった。 うちの家族もAIBOを「愛慕」とはいかなかった。
それは、13年間飼っていたミニチュアシュナウザーのグルがまだ健在だったからだ。 抱き上げたときに肌に伝わるあの温もりと鼓動がAIBOにはなかった。「ただいま」と帰ると、猛スピードで、 迎えにくるあの可愛らしさがなかった。夜、必ず私の足下に寝ている時のその温もりもなかった。家もリフォーム前で狭かった。 AIBOが動く余地が少なかった。犬が亡くなったあともAIBOの電源は、ごくたまにONされる程度だった。
もう、何年間も電源が入ることがなかった我が家のAIBO、それを今週、会社に連れてきた。片耳が取れていた。電源をオンにする。 久しぶりだ。・・・・・、おぉ・・・、何だあぁ・・・、いやぁ、カワイイじゃないか!その仕草が、「本物」のようだった。「生き物」 のようだった。凄い技術だな・・・・。そのAIBOを造った技術者の喜びの顔を思い描いてみた・・・・。
AIBOを見て、突然、グルの記憶が蘇った。
札幌から釧路に向かう寝台特急の2段ベットの上で、回りの人に迷惑が掛からないか心配しながら、息をひそめて、犬と二人? 抱き合って寝た事。当時、幼稚園に通っていた息子の方が興奮して騒いでいた。
大台ヶ原に連れて行って、へばりながらも喜んで歩いていた様子。紐を付けずに歩かしていたので、 ある登山者のおばさんに窘められた記憶。
それ以降、しょっちゅう、家を脱走し、一時間ほど近所をうろちょろして、すまなそうに頭と尻をさげながら戻ってくる仕草。
子供だけを連れて外出し、家に戻ってくると、ゴミ箱を倒し、あらゆるいたずらをし、いつものように玄関には迎えに来ず、 こそこそと逃げていく仕草。
抱き上げたときの温もり。寝床の足下にいつも触れているあの温もり。
突然やってきた死。病院に連れて励ました事。動物の葬儀やさんに頼んで、皆で線香をあげた、少し滑稽で、でも、 皆で送り出せた良き思い出。
そんな事を書くと、「心」とは不思議なものだ。全く脈絡もなく、動物の情景を思い出させる。
それは、先日、リフォームの雑誌取材があった。そのお宅では、 400mmの一段上がったいわゆる畳の間の畳の替わりにクッションを敷いて、そのクッションの柄をヒョウ柄にした。まぁ、それは 「大阪のおばちゃんは、やっぱり、ヒョウ柄やろぉ。」という安易なノリだった。家族がゴロっとするお好みの場所だ。
そこに、ネコちゃんが気持ちよさそうにゴロゴロしていた。食卓の椅子にもちょこんと座っていた。 きっとガラステーブルのガラスの下の光が心地良いのだろうなぁ・・・・。そうそう、その家ではネコのお部屋をどうするかを考えた。そして、 キッチンのこんな場所に前もって買ってもらたネコの籠をピッタリと収まるように設定した。便所のこんなところにもネコの置物。
そう言えば 先日リフォームの現地調査でお邪魔した家でもネコが玄関で気持ちよさそうにしていた。皆、愛慕なんだろうな・・・・・・。
投稿者 木村貴一 : 2008年03月09日 15:08 « ロールケーキ | メイン | 24時間スキーバスツアーと協働作業 »