2012年02月12日
穏やかな日曜日。
午後4時をすぎ、午後5時頃になって、日が傾きだして、テレビ番組の「笑点」がはじまり、座布団一枚という、関東的な笑いで、上品に笑う。日が暮れて「ちびまる子ちゃん」や「サザエさん」の家庭的な笑いでクスッと笑い、その微妙な笑いのセンスで、ビミョウに笑っているうちに、何となく、明日の仕事のコトが気になりだし、それで、少々、「鬱」な気分が、じわ~っとやってくる。特に、穏やかな日曜日に限ってそうで、このまま日が暮れることがなく、明日も、穏やかな日曜日が続いて、もうちょっと、いや、もっと、もっと休みたい・・・・。
そんな日曜日が、社会人になってから味わうようになり、特に30代や40代の頃には、夕方にやってくる「鬱」な気分を振り払うかのように、朝早くから夜遅くまでどこかに出かけて、とことん遊びきって、その夕方に味わう微妙な「鬱」から逃れようとした。のかも。と、いま、思う。穏やかで、家庭的で、自分のライフスタイルをゆったりと楽しむ日曜日であればあるほど、夕方に、やってくる、あの微妙な感情。皆さんは、そんなコトないですか・・・・。
今日は、冬にしては穏やかな日和。先週に引き続き、次男とランニングする。走り出してすぐに、どんどん距離が離れて、遙か彼方に行ってしまい、ほとんど独りで走るのと同じ状況で、それで、内面に押し寄せるハッキリとした感情は、圧倒的な体力の違いに、くやしがる私。それでも、やっぱり、ランニング後の爽快感は、とっても魅力的。
家に帰りつくと、妙なタオルが置いてあって、これ、どうしたのぉ。と聞くと、次男の誕生日に、同級生の友達二人がプレゼントしてくれたのだという。中3らしい、「いちびった」プレゼントに、微笑ましくおもいながら、きっと、これ、買うとき、恥ずかしかったやろうな。と聞くと、そうそう、なんか、二人でレジにいきながら、これキムラのプレゼントやからなぁ。と会話しながら買ったらしいでぇ・・・と。冬の朝の穏やかな日差しを感じながらその光景を思い浮かべてほくそ笑む。
ランニング後の爽快な気分と、中学生らしい光景を想像したコトと、冬の穏やかな日和と、予定が全くない日曜日がシンクロしたコトもあって、朝10時頃、「まちのえんがわ」に立ち寄る。土曜日と日曜日と祝日と月曜日はスタッフのアオキさんが常駐してくれている。二日前に店の前に植木鉢を並べて、その「緑力」のお陰で、なんとなくウキウキした気分になれるコトも後押しして、ダウンジャケットを着込んで、日向ぼっこをしながら雑誌を眺める、そんな穏やかな日曜日。
そうそう、その植木鉢の中に、段々畑風の鉢があって、家谷植景研究所の家谷さんがデザインし、うちの手伝い職人さんが現場の廃材で、製作し、それに、うちの協力業者の海平造園の息子さんが植栽を選んで植え込んだ、「まちのえんがわ」的連携による作品で、道行く人が立ち止まって、興味を示して、聞いてくるそうだ。そんな話を聞くと、「まちのえんがわ」の道路の家々の前に、この段々畑風の鉢がおかれた「まちの千枚田」を想像してみる・・・・。
そういえば、来週の19日の日曜日からは、本格的に木村工務店ワークショップを催す予定で、まず、その第一弾が、板金ワークショップ、その次が、絵本ワークショップ、そして「縁側植栽学」として、こんな段々畑風植栽をつくる予定で、それから、ステンド硝子のワークショップへと続く・・・・。
松村貞治郎著の「大工道具の歴史」には、「材料と対話をし、それをモノにするための、その対話の通訳者になってくれるのが道具である」とあって、参加者が、板金や植栽や硝子などなど、様々な材料とコミュニケーションが出来る、そのきっかけとして、木村工務店ワークショップがなれたら良いのになぁ・・・・と願う。
昼からは、家で、ゴロゴロ。ちょっと、昼寝。そしたらしばらくすると、ご近所のお食事処の「遊びな」さんが、近くのカフェohanaさんの女性オーナと、そのお友達を連れて、「まちのえんがわ」にお越しになって、皆で、とりとめのない、縁側的コミュニケーションを楽しんだ。
そんなこんなで、何となく、久しぶりに、穏やかな日曜日だったのだ。それで、やっぱり、夕方近くになると、あの微妙な感覚がやってくるのだった・・・・。まぁ、それでも、やっぱり、穏やかな日曜日がエエ。「ハウスよりホーム」を味わえる穏やかな日曜日。その魅力。その味わい。そんなマイホームでの穏やかな日曜日を味わいたいがために、家をリフォームし、新築し、自分のライフスタイルを楽しむ家を造ろうとするのだろうか・・・・。
投稿者 木村貴一 : 2012年02月12日 23:24 « ものづくりの姿勢 | メイン | オトナの遠足 »