2013年10月27日

「まちのえんがわ」一日店長

久しぶりの青空。それにしてもよく雨が降ったなぁ・・・。外構工事の現場では、まったく工事が進まず工程が大幅に遅れている。台風による雨の合間を縫って地鎮祭があり、上棟式があって、地鎮祭では、いつもテントを張ることが、昔からの木村工務店の習慣で、雨の地鎮祭も数々経験してきているので、そんなに問題はないのだが、どちらかといえば、強風が吹くのが最も怖い。雨降って地固まるで、雨の地鎮祭もそれなりにしっとりしたエエムード。最近、上棟式は、上棟後すぐに建物をブルーシートでラッピングする事にしていて、こちらは新しい木村工務店の習慣で、雨が降っても上棟式もまったく大丈夫なのだが、風が吹くとバサバサとシートが揺れて、かなり不安。ここ最近はブルーシートに囲まれた木組みの中で上棟式をするので、それが独特のムード。
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そうそう木村家本舗期間中の奇跡の3日間の快晴は、流石に自転車に乗れなくて、それに先週は雨で、ようやく晴れて、まるまる3週間ぶりに近所のヨネクラさんと一緒に自転車で信貴山に登ると、ちょっと肌寒いくらいだった。時間に余裕があったので、三郷のカフェでモーニングを食べる事にすると、ロードバイクに乗る女性3人組と一緒になった。そういえば、ランニングをしている時はそんなに痩せる事もなく体重も減らなかったが、自転車に乗り出してから、お腹周りがへこんできて、ズボンがワンサイズ小さくなって、体重も2キロほど減った。太ももは、ぶよぶよだったのが、しっかりとした肉付きになって、トータルでは細くなっているのかも。自転車も「ロードバイクガール」の時代かね。

そんなこんなで、「まちのえんがわ」に11時頃に帰り着いて、急いで、シャッターを開けて、オープンの準備をする。そうそう本日は「まちのえんがわ」スタッフのアオキさんが、旅行中のお休みで、1日店長をする「私」。

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走行距離52Km獲得標高830m走行時間は3時間ほどで、信貴山のどか村で休憩し、龍田大社にお参りし、カフェで1時間ほどモーニングをして、たっぷり休憩しているはずのに、、久しぶりに走ると、足にきていて、ちょっと疲れ気味で、それで、「まちのえんがわ」で珈琲でも飲みながら四方山話をして、たっぷりと寛ぐ。

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暫くして、近くに住むカメラマンの弟が子供を連れて立ち寄ってくれて、ちょっと体調不良のオヤジが今日は少し元気そうなので、自分の家のスタジオで写真を撮影したのだと、その写真を見せに来てくれた。弟の5歳の長男はミニ4駆のプラモデルを持っていて、これから日本橋まで行ってレースをするのだという。そういえば、うちの長男の時に流行って、一緒に模型を作って、走らせたっけ・・・。

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そうこうしているうちに、近所に住んでいるという女性が、外壁の塗装工事の相談に、自転車に乗って、お見えになる。サイクリングのレーパン姿で対応する「私」。こんな姿なので、ちょっと居心地というか、話心地が悪く、どんな印象を持たれたのかとおもう。なんでも、このあたりに工務店があるから、行ってみたらといわれて、何度もこの前を行ったり来たりしながら、ようやくたどり着いたのですけど、ここ工務店なんですかぁ?っていう話から、コミュニケーションが始まった・・・・。

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自転車に乗っていると、肌寒かった早朝も太陽がしっかり昇ると汗をかく陽気で、汗をかいたたまま慌ててオープンしたので、お昼の間だけ、シャッターを閉めて、家に帰って、熱つ~いお風呂に入って、すっきりしてから、再び「出勤」することにした。気持ちのエエ気候だったので、建具はフルオープンで過ごす・・・。

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お昼からは、コンピュータでちょっとした作業をし、しばらくするとお腹がすいてきて、奥方が外出中で、お弁当を作ってくれていたので、「まちのえんがわ」に持ってきて、お弁当を食べることにした。そうこうしているうちに、ようやく疲れも取れて、ゆったりした気分になってきて、それで、古本でも眺めながら、1冊の本を手にとる。ビジネス書というのがほとんどなく、また、「私」もほとんど読まないのだけれど、近所に住むスヤさんがチョイスしてくれたデザインを考えるための10冊というのがあって、もうほとんど売れてしまったなかに、『ハイコンセプト「新しいことを考え出す人」の時代』という本が残っていて、それをふと手にとって読んでみることにした。午後3時を回ると急に寒くなってきて、今度は、建具をすべて閉めることにする。

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「ハイコンセプト」とは芸術的・感情的な美を創造する能力、パターンやチャンスを見いだす能力、相手を満足させる話ができる能力、見たところ関連性のないアイデアを組み合わせて斬新な新しいものを生み出す能力。

「ハイ・タッチ」とは他人と共感する能力、人間関係の機微を感じとれる能力、ありふれた日常の向こうに目的と意義を追求できる能力。

ハイコンセプトの時代には左脳主導の考え方を六つの不可欠な右脳主導の資質を身につけることで補って行く必要があり、「情報化社会」では見過ごされ、過小評価されがちだった鋭敏な感情や豊かな想像力を持つ多くの人たち本書を読んでいただきたい。

「六つの資質」とはデザイン、物語、調和、共感、遊び、生きがいだ。

なんて内容の本を読んでいるうちに夕方4時半頃に自転車に乗った親子がお見えになって、おそるおそる入って来られた。お母さんと高校生の娘さんで、ここの前は何度も通っていて、気にはなっていたのですけど・・・というコトバが、コミュニケーションのきっかけで、本を眺めながら話しているうちに、娘さんが建築志望なのだと云う・・・・。
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建築学科のある大学に行くためにオープンキャンパスを見に行った話からSANAAの妹島和世が海外で美術館を建てているテレビを見て建築に憧れたという話題になる・・・。
__ (26)それで、「まちのえんがわ」には建築の本が少なく、木村工務店の2階にある打ち合わせ室には建築の本がそれなりにあって、そこを案内してあげると、そこの本を何冊か持って下りて、「まちのえんがわ」で読んでも良いですかと聞くので、勿論、快諾した。

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そんなこんなで、建築好きな女子高生と2人で、1時間近く一緒に本を読む、ちょっと幸せなひと時が、とっても特別な経験の一日となった。thanks 。それで、5時を過ぎるとすっかり暗くなってきて、心配するお母さんから携帯電話が鳴って、丁寧なお礼と共に爽やかに立ち去る「建築ガール」だった。

そういえば、東京オリンピックのメインスタジアムの設計は女性建築家のザハで、その賛否は別にして、それが、どんな建築になるのか、ちょっと見てみたい気がする建築であることも確かで、ここ4年ほど、関西大学の後期授業の木造設計製図のお手伝いに行っていて、今年は15人中11人が女子で、前に出て、積極的で、生き生きしているのは女子なのだ。

芸術的・感情的な美を創造する能力、パターンやチャンスを見いだす能力、相手を満足させる話ができる能力、見たところ関連性のないアイデアを組み合わせて斬新な新しいものを生み出す能力。他人と共感する能力、人間関係の機微を感じとれる能力、ありふれた日常の向こうに目的と意義を追求できる能力。デザイン、物語、調和、共感、遊び、生きがいという六つの資質。「新しいこと」を考え出す時代なのだと、世の中のムードをいちはやく察知しているのは、きっと、「建築ガール」なのだろうな・・・。
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ま、こんな感じで、晴れた日曜日の「まちのえんがわ」一日店長としてのエエ経験の一日が終わり、通常より1時間早めに、シャッターを閉じたのでした・・・。

投稿者 木村貴一 : 2013年10月27日 23:59 « JAZZ的 | メイン | エルメスの手帳カバー »


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