2011年11月06日
「住宅相談会」と「まちの縁がわ」
1ヶ月に一度ほど、日曜日に、住宅相談会を催していて、全くお客さんがいらっしゃらない時も年に1度ほどあり、それが前回で、1組の時や2組の時もあり、様々。本日は、3組+1組のお客さんが重なったという、1年でも珍しい日だった。
9時頃にFさんがお越しになった。現在、お父さんの事務所がある場所に、小さな小さな賃貸マンションを造る計画で、うちで提案したプランにに対して、こんな案にして欲しいという、その要望をお伺いする打ち合わせだった。日曜日しか休みが取れない人も多く、予約が詰まっていたが、1時間の中で、集中して、お打ち合わせをする。
職業が、住宅金融公庫のローン債務不履行者に対する整理をするお仕事だという。それは、住まい手の年齢によって、債務不履行になっている人が多かったりするのですか?とお聞きすると、まだ、統計はとれていないのですが、年齢ではなく、住宅を建ててから10年から15年の人が多いのです・・・・と。
確かに、考えて見れば、15年前に今の経済情勢を予測出来た人は少ないだろう。給料も経済もどんどんどんどん、まだまだまだまだ上がり続けていくのだ。と、思えた時代だった。今のように、仕事が減り、売り上げが減少し、就職難が訪れ、それに、何度も大地震がやってきて、こんな原子力発電の問題まで勃発するとは、想像できなかった。振り返ってみれば、土地や建物に多額のお金を費やした時代だったのだな・・・・・。
その方が言うのには、こんな仕事に携わっていると、家は有り余っているのを実感するので、これからは新築ではなく、賃貸したり、リフォームをする時代だと、はっきりと認識しているのに、自分自身も住むつもりの小さな賃貸マンションを建てようとする、この矛盾をひしひしと感じていて、でも、自分の年齢を考えても、やるのなら今しかないのかなぁ・・・・と。皆が、シチュエーションは違っても、同じようjに、迷っているのだとおもう。
10時、ご夫妻と男の子二人のお子さん連れでお見えになったAさん。大阪市内のご実家を譲り受けて、新築をしようという計画で、もちろん、リフォームも考えるのだけれど、増築を繰り返していて、かなり、ヘンな状態になっているので、やっぱり新築しかないのかな・・・。というお話がスタートだった。
玄関に土間があり、キャンプ道具やスキーの道具などが仕舞えればれば・・・。それに、仏壇があるので、法事の事もあって、和室は8畳ほど必要で、それにそれに、先祖があるのを常に意識して欲しいので、いつも仏壇のある和室を通過してからリビングダイニングに行けるようにして欲しい・・・・。というのは、とっても珍しい要望だった。本棚がリビングに欲しい。収納は一カ所にあれば、共働きなので、洗濯と洗濯物を干す作業がうまく出来れば・・・などなど。
LDKを中心とした住まい。という事に於いては、日本の住まいのスタイルには、さほど大きな違いはないが、食事の仕方やテレビの見方や収納などなど、細かい部分では、それぞれの家庭によって、多様性があって、それを、細かく対応しながら、編集作業を繰り返して、その家族にあった家づくりをするのが、木村工務店のスタイルなのだとおもう。
「家そのもの」が持つ価値というよりも、「家」によって、「新たなライフスタイル」がもたらされるという、そういう「付加価値」を造りだす、そのための努力が、木村工務店の家づくりのスタイルであって、それには、「家づくりの過程を一緒に共有する」というコトが、大切で、そういうコミュニケーションを施主と設計士と現場監督と職人さんが、ひとつのチームとなって、地道に面倒くさいコトを続けて行く以外に、そんな付加価値を創り出す道はないのではないのか・・・・・というのが、最近、感じているコト。
応接室や会社の玄関で、子供達が元気よく遊び、時々、その騒がしさに、お父さんが、子供を窘めたりしながら、初めての顔合わせが、進んだ。こういう、雰囲気と過程の中からこそ、その家族に応じた、「家」とその家族の「ライフスタイル」が産まれるのだとおもう・・・・。
帰り際には、会社の1階ガレージをリフォームして、「箱物」としては完成した状態の、「まちのえんがわ」に案内する。「まちのえんがわ」は、木村工務店の路面店であり、住まいのライブラリーであり、住まいのライフスタイルを考える場であり、木村工務店の仕事を伝える場であり、木村工務店のホームページのリアル版であり、新たな縁を結ぶ場所でもある。今日は、「まちの縁がわ」の、コンテンツである、古本の搬入と本を棚に展示する仕事が、コトバノイエの加藤さんによって行われていて、その作業の真っ最中だった。
午後1時過ぎ、業界では有名な設計事務所の設計士である、Kさんが、お見えになる。デザインイーストというイベントに、木村家本舗のフライヤーが置いてあって、それに興味をもったKさんが、開催日には行けないのだけれど、両親のセカンドハウスの計画があって、その相談をしたいので・・・。というコトだった。セカンドハウスと言っても、大阪市内に、両親や親戚や知り合いが、集まれる場所として、出来れば、借家をリフォームして住めれば・・・と考えているので、その家探しから、お願いできますか?というのがその概略だった。そんなセカンドハウスを大阪市内に作ろうという、そういう考え方もあるのだなぁ・・・と、興味を持ってお聴きする。同じように、帰りがけに、「まちの縁がわ」に寄って頂きながら、本も家具もすっかりなくなってしまった、木村家本舗にも、少しだけ、うちの奥方が、案内した。
午後3時、Tさんがお見えになる。先週に書いた、「そして誰もいなくなった」号で、一週間に2回もあった、ゴルフの話をしたが、その1回目の協力業者とのゴルフの会が終わって、会社に戻り、作業をしようとして、「まちの縁がわ」の前を通過したその時に、偶然、、ロードバイクに乗った男性が、通りかかって、目が合った。「ここ、何ですか、工務店ですか、何の場所ですか?」と、言って、自転車を止められた。それで、「まちの縁がわ」の意図を説明して、まだ、コンテンツが未完成の中を案内して、お話をお聞きする。
それが「縁」で、本日の相談会に、ご夫妻でお越し頂く。ある小学校の地域を限定して、建て売り住宅を探していたのだが、どうも納得いかず、家づくりを諦めかけていたその時に、偶然、「まちの縁がわ」に出会ったのだと・・・。不動産会社の日住サービスのナリタさんが、たたき台になる物件を用意しくれていて、設計のタナカくんと一緒に、あーだこーだと物件を検討する。土地や中古住宅探しというのは、まさしく「縁」と「決断」の問題であって、いつもながら、単純には行かない、ムツカシイものだなぁ・・・・とつくづくおもう。
そんな訳で、次回、一緒に物件を見るお約束をして、ご縁を持った、「まちの縁がわ」を、ご夫婦で、見てもらう。夕方5時過ぎ、まだまだ、カトウさん夫妻は、本棚の編集作業の真っ最中だった。、ツイッターやFacebookには、
加藤 博久
「まちのえんがわ」の雑誌の棚ができたよ。
http://t.co/sOmGAgu1
とあり、今は、メインの本棚の奮闘中だった。それは、なかなかの格闘状態でもあって、本の数と種類にも熟慮する要素が多々あって、そんなこんなで、まぁ、今日の作業としては、この状態で終えて、また、後日という事となったのが午後7時過ぎのコトだった。
「まちの縁がわ」は、まもなく、グランドオープンで、それは、不完全だけれど、成長していく「まちの縁がわ」として、また、皆さんに親しまれる、木村工務店ワークショップとして、オープンする予定。それに、「住宅相談会」や「お餅つき」「木村家本舗」「左官教室」「塗装教室」「障子貼り教室」「ブリキで小物造り」「端材でブックエンド造り」「スプーン造り」「リース造り」や「加工場アート展」「加工Bar」などなど様々なイベントを「まちの縁がわ」から提供しつつ、オーソドックスな「住まいの相談室」としての機能と共に、新たな「縁」を結んでいく予定です。・・・・。
そんな訳で、様々な「縁」が重なった日曜日だった。感謝。
投稿者 木村貴一 : 2011年11月06日 23:56 « ヤネメシ | メイン | そして誰もいなくなった »