2012年07月15日

省エネな夏の暮らしのための「窓」

蒸し暑い。とうとう夏がやって来た感じ。この夏は、省エネの夏なのだろうが、エネルギー問題の世情が、曖昧模糊としていて、よし、省エネ頑張るぞ!みたいな気分が、いまいち盛り上がらないのは「私」だけなのか・・・。

家庭のエネルギー消費量と電力消費量を半分に減らそうという運動があって、それが1985運動と名付けられ、そういう住宅を1985住宅と呼ばれているのだけれど、まぁ、その運動のコトはともかくとして、いま、電力供給制限の可能性があるわけで、そんなご時世を考えると、それぞれの家庭の電力消費が半分になれば、原子力問題も解決するかも・・・・。まぁ、原子力問題は、そんな単純な話ではなさそうだけれどね。

それに、地球温暖化=co2削減というテーマもあって、それはいわゆる化石燃料の消費の事なのだという。ちなみに核エネルギーは化石燃料ではないので、地球温暖化の障害にならないらしい。それで、その化石燃料の消費エネルギーを算出するのに、電気ガス石油の消費エネルギー、ちなみにそれを2次消費エネルギーというらしいが、その使用量から電気ガス石油のそれぞれに決められた換算係数をかけ合わせて算出されるのが、一般にいわれる消費エネルギーの事で、それは一次消費エネルギーというらしい。兎に角、その一次消費エネルギーも半分に減らし、電力消費も半分にするという住宅モデルを考えようよ。というのが1985運動のテーマで、下がその表。

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一般的によくある電気+ガス併用の2011年標準モデルは、大阪に住む4人家族を想定し、ある条件の元で消費エネルギーを算出していて、左端のように試算できるらしい。それで、一般的なガスと電気併用住宅では、普通の断熱性能でも、4KWの太陽光発電を乗せれば、電力消費半分で一次エネルギーも半分の住宅になるという。また、オール電化住宅では、次世代省エネ基準という高断熱な性能に、エコキュートと3KW程度の太陽光発電を設置する必要があって、それは電力消費量を半分にするための条件がオール電化故に厳しくなってしまう事が、当たり前といえば当たり前の要因。

右端はガス+電気併用住宅で、断熱性能を次世代省エネ基準という高い断熱性にリフォームし、ガス給湯器をエコジョーズに交換し、高効率の冷蔵庫やエアコンに換え、夏の日射遮蔽と通風がキッチリとでき、冬の太陽熱を室内に取り込める窓を工夫した、そんな家をパッシブな家というのだそうだが、そういうパッシブな窓にして、太陽熱温水器を取り付ければ、太陽光発電を付けなくても電気消費半分、一次エネルギー半分の1985住宅になるらしい・・・。詳しくはこちらのリンクから見て欲しい

今度は、そういう機能を付加するのにどれくらいの費用がいるのかを試算した表もあって、それが以下の表で、まぁ、ここ最近は、太陽光発電の金額はどんどん下がってきているので大ざっぱな金額だとおもって欲しい・・・
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それを
イニシャルコストとランニングコストで試算した表が以下で・・・

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つまり、パッシブのための「窓」を取り付けるのが、費用対光熱費削減効果と費用対省エネ効果で一番有効で、ちなみに次点は太陽熱給湯を設置する事。太陽光発電ばかりに目を向けなくても、断熱をして、パッシブな「窓」に焦点を絞れば、省エネな住宅がローコストで実現できるという・・・。

そんな事を踏まえた上で、夏の省エネに有効な「窓」を検討するための表があって・・・
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上の表が表現したい事は、いわゆる遮熱型のLow-E硝子をつけると、日差しは、50%ほどカットされるのだけれど、それよりも普通の窓にレースカーテンや内付けブラインドを取り付けても、約50%ほどの日差しがカットされるらしい。何よりも普通の硝子窓に紙障子をつけると、38%の日差しか入ってこなくなり、なんと外付けブラインドや葦簀などを取り付けると19%の量しか日差しが入ってこないらしい。あらためて葦簀や朝顔やゴーヤなど窓の外に取り付ける日本の知恵の有効性に驚かされる・・・。
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それで、夏の暮らし方はどうしたら良いのだろうか・・・・という模索の中で、1985住宅にはこんな表があって、断熱性能が高い、いわゆるQ値が2.5以下の住宅を新築したりリフォームすると、先ほどの表のように、「窓」になんらかの「日射遮蔽」を取り付け、住まい方を工夫すれば、上記のような快適な夏の暮らしが実現できるという・・・・

うちの家の断熱性はQ値になおすと5.0以上ありそうで、まずは断熱リフォームを考えるべきなのだけれど、そう簡単には壁や天井や床に断熱材を充填することはできそうにない。それで、前述のように、まずは「窓」の工夫が費用対効果から見ても一番良さそうなので、昨年の春に、木製雨戸を外部用の葦戸にリメークして、「窓」からの省エネを楽しむ事にした。

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↑ 木製雨戸の戸板をとって、既製品の葦を取り付けた「外部葦戸」で、これは早朝とか夜間とか外気温の低い日。昼間でも風のある日。などなど、日射遮蔽しながら風を通す「外部葦戸だけモード」で、28℃以下とか、28℃~30℃で風のある日という区分になるのだろう。すごく心地良いモード。

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←は、少しわかりにくいが、外部葦戸の手前にガラス戸が入っていて、28℃~30℃で風がない日で、クーラーをかける時の窓。前述の日射遮蔽の表によると、外付けブラインドと同じ、19%まで日差しをカットする数値に近い。外部ブラインドと違って、柔らかな光と景色が見えて、心も涼しい気持ちにさせるのが葦戸の「効用」かもしれない・・・・。

DSC04907 ←は、上の写真の状態からさらに障子を取り付けた様子で、とにかく暑い30℃以上の日中や夜に、「クーラーをかける障子モード」。前述の日射遮蔽の表によると。外部ブラインドの19%にカット+、障子の38%にカットで、10%以下の日射遮蔽になるのだろう。日射遮蔽をして、光のない暗い部屋で過ごすのはちょっと寂しい気分だが、外部葦戸による、うっすらとした自然光に、障子が行灯のようなほのかな光に変換してくれて、落ち着いた暗さが、この「侘びしいモード」の魅力なのかもしれない・・・・。

「窓を工夫しながら楽しく省エネして暮らす蒸し暑い日本の夏」として、あれやこれやとクリエイティブに楽しく消費電力をサポートするのはどうかね・・・。

ps
そうそう、省エネ問題を整理整頓するためのワークショップが、収納の整理整頓と資金計画の整理整頓を併せて、3つのエコワークショップとして、7月23日の日曜日に催します。ご興味があれば、お気軽にお越し下さい。

投稿者 木村貴一 : 2012年07月15日 23:59 « 収納と家庭のエネルギーとお金の整理整頓 | メイン | まとわりつく »


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