2009年08月16日

ついている?

阪神高速道路を走っていると、運転をしていた、T本くんが、「アクセルが・・・」と言って突然、車のスピードが出なくなり、まもなくして、停止した。丁度、法円坂の降り口だったので、路肩に車をなんとか止める事ができた。もう一人の同乗者のT中くんが、阪神高速道路公団に電話をして、事情を説明する。私は、うちの会社の自動車修理工場に、電話をする。

というのは、前々日にも、おかしな兆候があって、昨日の朝には、車を点検してもらっていた。どうも、ダイナモが不調のようだが、「もう少し様子をみておきましょう」という事になった。お医者さんでも、家のメンテでも、たまに聞くセリフだなぁ・・・・・・・。

その日、高速道路上で、ダイナモ不良のランプが点灯し、残りのバッテリーを食い尽くし、停止したのが、降り口の坂の頂上だった。たまに、高速道路上の故障車を白い目で見ながら、走りがちだけれど、その見られる立場になった。社員二人と私の3人で、夏の太陽と車の熱気とアスファルトの熱気で汗を流しながら待つ。他の車の交通の妨げにならなかったのが、せめての救いだったかもしれない。

黄色い道路公団の車が来て、素早く、後続車の安全処置をしたあと、ひとりの人が、車に駆け寄って、一緒に押して、この坂を下って、車を一般道に出しましょうと言う。それで、T中くんと私と、道路公団のひとで、車を押す。下まで無事、車を降ろすと、さらに、交差点を渡って、安全なあそこまで、車を押しましょう!!と、言うので、法円坂の交差点を手で押しながら渡った・・・・。

法円坂の交差点を、まるで、祭りの「だんじり」を押すが如く、T中くんとふたりで、押した。運転は会社で一番若い社員のT本くん。今、思えば、私の立場からしても、私が車に乗って、操作をし、若い社員に押してもらうのが、普通だったのかもしれない・・・・・。なんだか、ちょっと、滑稽な光景だったかも・・・・・。

直ぐに、自動車屋さんが、車両運搬車に乗って迎えに来くれた。車と人間が一台のトラックに同乗して、何とか無事に、会社まで辿り着く・・・・・・。これからは、「もう少し、様子をみておきましょう」という言葉に対して「もう少し、深く考えみましょう」かとおもう。

・・・・・・・・

お盆初日の早朝、高速道路の右車線を運転していると、突然、右後ろのタイヤがバーストする。唐突に、ガタンという音がして、車のバランスが崩れる。「あっ」と思ったが、そのまま成り行きに任せ、暫く走ると、もっと、大きくバランスが崩れて、車が左に曲がる。それで、ハンドルを少しだけ右に切ると、車のお尻が左へ降られ、大きく車が右に寄って、ガードレールが目前に迫る・・・・・・。

後で寝ていた奥方が、「ぎゃぁー」「ぎゃぁー」と、今まで聞いたことのないような声で叫び、そして、「ぶつかるぅー、ぎゃぁー」・・・・・・・・。その声を聞きながら、ハンドルを左に少しだけ切る。ほんの目の前にさし迫ったガードレールが、視界から消えて、車のお尻が右に大きく振られ、左の方に車が方向転換する。ガードレールにさし迫った瞬間は、確かに、一瞬ダメかとおもう。

車が進行方向に向き、視界が開けたが、今度は大きく左に振られたので、車を立て直すために、右にハンドルを切ると、お尻が大きく左に振られる。それで、ハンドルを左に少し切ると、車のお尻が右に大きく振られてスピンをしだしたので、大きく右にハンドルを切ってカウンターをあてると、車が高速道路の反対方向を向いて、しばらく逆走して車線の中央で停まった。

ブレーキを踏んだかどうか、記憶がハッキリしない。少しだけ踏んだのか・・・、踏んでいなかったのか・・・・、強く踏んだ記憶がないのは確かなのだけれど・・・・・。

ほんとうに幸いにも、後続車がなかった。ハザードランプをつけて、ほっと一息つくと、暫くして後続車が一台、左車線から通過して行った。それで、車を降りて、後を確認すると、右後のタイヤがバーストしているだけだった。急いで、もう一度、車に乗って、車を動かす。何とか、動くので、反対方向を向いたままで、車を左車線の路肩まで寄せる。

後部座席の奥方と息子は静まりかえっていた。目の前を見ると、数100メートル先に、南国インター降り口のゼブラゾーンが見えたので、ハザードランプを点灯しながら路肩をゆっくりと車を動かして、ゼブラゾーンに車を駐めた。それで、携帯電話からJAFに連絡をし、事情を説明すると、40分ほどかかりそうです・・・・・。

DSC00113 話し終えるやいなや、偶然にも、道路公団の黄色い車が通りかかって、停車する。係員が2名降りてきて、事情を説明する。昨日から、黄色い車の人に、事情を説明してばかり・・・・。この場所で、車に乗ったままいると、ぶつかってくる車もいるので、路肩のガードレールの向こうへ、避難して下さい。と諭される。黄色い服の人の指示で、ある日は車を押し、ある日は避難する。

道路公団の人は手際よく、親切だった。とにかく、蒸し暑く、カメラのレンズも蒸れて、曇るぐらいだった。それで、係員の人が、自分たち用の青いクーラーボックスを持ってきて、水を飲んでくださいと、差し出してくれた・・・・。感謝。

JAFを待つ間、息子は、母親のその叫び声の大きさにビックリした・・・と語った。その間、どうしてたのかと奥方が息子に聞くと、お母さんをしっかり押さえて、支えていたでぇ・・・・・・という。え、そうなのぉ、と奥方は、首をひねりながら、そんな大きな声で叫んだ記憶はないけれど、とにもかくにも、無事が何より良かった・・・・・・・と語る。

JAFの人は、ほんとうに手際よかった。敏速な行動で、すぐに、タイヤを交換してくれる。年に数回しか乗らない車なので、スタッドレスを履いたままだった。夏にスタッドレスで高速を走り、高温になり、なおかつ、重量の重い、こんなタイプの車だと、バーストしやすいですから・・・・、また、スタッドレスは、雨の日に滑りやすいですから・・・・、ほとんどのワンボックスカーの横転事故はタイヤのバーストですから・・・・と、諭された。

このまま、長距離を走るのは危険ですからと、係員自ら、近くのオートバックスをナビに登録してくれたので、高速を降りて、高知市内で、タイヤ屋さんを探す事にした。何だか、とっても、とっても、不思議な感覚。

DSC00118オートバックスが開店するまで1時間近くもあって、その信号を5つほど行った所に、偶然にも、開店しているタイヤ専門店があった。そこで、事情を説明する。この二日間、車の事で、いろいろな人に、何度も繰り返し、事情を説明している、不思議な状況の「私」。

親切なタイヤ専門店のご夫婦だった。5万7千円という金額で4本のタイヤをその場で直ぐに、交換してもらう。奥方曰く、その金額やったら、エエホテルに泊まれたかも・・・・・、お金を使わない旅行の予定だったのに・・・・、それよりも、何よりも、命が大事やし・・・、他の人に、迷惑をかけずに済んだのが何よりだったのかも・・・・、と語った。それにしても、道路公団の人とJAFの人には感謝です。

そんな訳で、旅を続けることにした・・・・・。

2件の連続する車の出来事と、7年ぶりに訪れた四万十川での時間と環境。その他の訪れた様々な場所。それらが、私の脳内のメモリーに一時的に貯めていた、不要なキャッシュや有用なキャッシュも含めて、一時的にクリアーさせてくれたのかもしれない・・。

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投稿者 木村貴一 : 2009年08月16日 22:37 « 椅子によって「育ち」が違ってくるのだろうか。 | メイン | ブログ上で、様々な事柄が絡み合う。 »


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