2013年12月01日

繋ぐ

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小高い山があり、川があり、田んぼがあり、畑があり、柿の木があり、集落がある、そんな日本の原風景のような丹波の里山を歩く。本日は「まちのえんがわ」の「丹波遠足」の日で、丹波の佐治に「関大佐治スタジオ」というのがあって、そこに研究員であり移住者でもある出町くんというひとがいて、関西大学の木造設計製図の授業繋がりで知り合いになって4年ほどになり、なんとなく前々からお互いに暖めていた企画があって、丹波の佐治スタジオと大阪の生野区小路「まちのえんがわ」を「繋ぐ」という、そのきっかけとして、「丹波遠足」を催した。

関西大学佐治スタジオ
OPEN 平日 9:00~17:00
住 所 兵庫県丹波市青垣町佐治683
Tel/Fax 0795-86-7078
佐治スタジオは、関西大学の学生が佐治に滞在し授業や就業体験、
地域行事に参加する拠点、住民の方々と共にイベント企画や
料理などを通じて交流する場のほか、佐治倶楽部会員のサークル活動・
会議・各種教室にもご利用頂けます。

佐治倶楽部とは・・・地元丹波・学生・丹波以外の方々からなる空き家活用サークル。佐治らしい暮らし&佐治らしい景観を。
空き家活用サークル「佐治倶楽部」
事務局 関西大学佐治スタジオ
住 所 兵庫県丹波市青垣町佐治683
Tel/Fax 0795-86-7078
E-mail [email protected]
担 当 出町慎

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清流沿いの国道にマイクロバスを停車し、里山の道をまるで日本の里山に迷い込んだ外国人旅行者の気分で歩いた所にあったのが、青垣町稲土の猟師、足立さんの民家で、その横に倉庫のような工房のような食堂のような不思議な空間があって、そこで猟師料理としての鹿肉フルコースを食べたのがお昼のコト。アダチさんは「エエ個体」というコトバを使っていたのだけれど、エエ個体の鹿肉はとってもあっさりしていて美味で、「なんぼでも食べられるでぇ」と仰るように、かなりの量を食べても、むかつかない。鹿肉のたたき、鉄板焼き、しゃぶしゃぶ、ジャーキー、それに米ぬかを肥料として育てた粒の立ったまっ白なほっかほっかのご飯に大根のお漬け物。猟師のアダチさんの笑顔とコトバ。独特の居心地の良さと幸せな感覚は「風土と人」のエエ相互依存関係によって生まれる感覚なのかもしれない。これは裏ミュシュラン里山三つ星レストランではないのか・・・。

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鉄砲で仕留めるのではなく、夏に山に入り、獲物を調べ、狙いをつけ、その通り道を探り、罠を仕掛けるのだという。東京の有名な料理店からも依頼があるらしい。その話を聞くと、大工のオキ棟梁と通じる同じ感覚があって、なんだかとってもワクワクしてしまう。「好奇心」が大事なのだという。「どんなんやろか。どうなるのやろか。どうしたらエエのやろか」という好奇心が、肌つやの良い年のいった「職人」さんたちの共通の特徴だとおもった・・・。

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そうそう、朝に最初に訪問したのが、丹波の山名酒造さんで、社長の山名さんの案内で、純米酒の試飲をする。「私」をよく知るひとたちは、お酒に関してとっても省エネなコトをご存じなはずで、その「私」が、酒蔵で試飲するというのは、可笑しなコトだと、プッと吹き出す姿まで想像してしまうのだけれど、防腐剤のような添加物混じりのワインを飲むよりは、まだ純米酒のほうが飲めて、ま、それでも少量な事は確か。ヤマナ社長の誠実な雰囲気がにじみ出る説明を聞きながら、その300年ほど続く歴史に思いをはせてみた。継続は力なりというコトバがあるが、ま、確かに、そうだな。と思えるようになったのは50歳になってからかな・・・。そういえば、ちょうど、三輪神社からの新しい「杉玉」に差し替えるタイミングだったらしく、この日、この時、この巡り合わせで、茶色から緑色にビフォーアフしてくれて、それは私たちの心までリフレッシュさせてくれた・・・。

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午前中に訪れたもうひとつはイクジウッドという製材所で、社長の足立さんは、佐治スタジオの出町さんと一緒に、オープン当初の「まちのえんがわ」まで訪問してくれた事があって、いつか、「まちのえんがわ」と佐治スタジオを繋ぎましょうよ!と何気なく会話した事が実現出来たことは嬉しい限りで、日曜日なのに、わざわざ社員の方に機械を動かして製材の実演をしてくれて、原木が木材という材料になる過程を肌で感じとれたのは、参加者の皆さんにたいするアダチ社長の「おもてなし」だったのだとおもう・・・。そういえば、車中から見る丹波の山々の紅葉は美しかったのだけれど、青垣町にくると、ほとんどが植林された山で、おそらく杉だろうが、紅葉が少なく、雑木林と植林の割合を眺める事が出来て、そんな意味でも、エエ体験だった。
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都市で暮らす「まちのえんがわ」の参加者の皆さんが、丹波という里山の風土で暮らす、佐治スタジオのデマチさん、バスに同乗してくれて丁寧に旅のしおりの解説をしてくれた関西大学の大学院生2人、猟師のアダチさん、山名酒造のヤマナ社長さん、イクジウッドのアダチ社長さん、たちの、所謂「お・も・て・な・し」によって、「親切」を頂戴し、「行って良かったなぁ・・・」という幸せな気分をもらったコトで、「里山と都市を繋ぐ」という事は、里山に暮らす「人」と都市に暮らす「人」とを「親切」を潤滑油にして「繋ぐ」事ではないのかと、おぼろげながら気付かされた・・・・・・。丹波の皆さんと参加者の皆さんに感謝。

投稿者 木村貴一 : 2013年12月01日 23:36 « 忘年会シーズンという季節。 | メイン | 道を尋ねるというコト »


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