2010年01月17日
組合せ
寒いというより、冷たい。冬だなぁ・・・・。
この週、雪がちらつく中で、石井修さん設計で、弊社で施工をさせて頂いた、目神山の家22に、学生さんと見学に行く用件があって、久しぶりにお伺いする。
テーブルに座りながら石井修さんと会話をした事を想い出す。「正直な家」「落ち着き」「うちから」そんな言霊がよみがえる。急な勾配を上がる階段なのに階段を上り下りするのが楽しい。吉村順三さんの軽井沢の山荘のような家を創って下さいと石井さんに依頼した施主の方が、石井さんから聞いた事を伝えてくれる。「川のような階段」なのだ・・・・と。なるほど。
それから、あらためて、石井修流の木組みも眺めてみる。施主の方が、吉村順三さんの家には木組みが見えない空間だけれど、石井さんの空間は民家風の木組みのような気がします・・・・と。なるほど。
若い人たちに聞くと、こういう木組みの方が新鮮に感じるのだ・・・と言う。ソファーに座って、目を細めて、味わって、お茶を飲んでいる3人の女子のくつろいだ姿が、この家の眺望の良さと落ち着きを物語っているのだろう・・・・・・。
後で、学生に感想を聞くと、あるひとりが、真ん中には窓がなく暖炉になっていて、両端にだけ、コーナー状に窓があって、普通は部屋の真ん中が「使う空間」なのだけれど、「部屋の隅」が生きた使える空間になっているのだなとおもいました・・・と。なるほど。
私にとっては、石井修さんとの不思議なご縁と、弊社で施工したことと、見学のご理解をして頂いたお施主さんと、感じの良い大学生さんたち、という組合せがあって、経験できたこと。感謝。
縁あって、奈良・佐保川にある「夢窓庵」で食事をする。建築的な表現をすれば、女将の企画設計力と料理人の腕がうまく絡みあった、美味しい料理だった。器も生け花も美しく、部屋の雰囲気も丁度良く・・・。それにしても、料理の写真を撮ることなど、めったにない、それに、どうも、食べる前に撮るのが苦手で、しっくりこない。
お正月に奥方が、食事の写真を撮るのだと言って、出てくる料理にあわせて撮るのは良いが、肝心のメイン料理の写真を撮り忘れて・・・、息子からツッコミを入れられていた。お互い、きっと、食い意地の方が、断然張っているに違いない。
私にとっては、iPhoneを持った物珍しさと、無窓庵さんとのある不思議なご縁と、料理と器の見た目の美しさと、その味に惹かれた、その組合せがあって、何とか撮影したのだろう・・・・。感謝。
そうそう、そう言えば、今年、最初に、「面白い」と思った光景は、英字新聞の上に乗っている焼き芋の姿。宿泊したホテルに暖炉があって、そこで、焼き芋を焼いてくれていて、それに、白馬のスキー場には西洋人のお客さんが多いことにビックリしたのだけれど、そのホテルにも西洋人の宿泊客が何組もあって、そんな訳で、スキーと、暖炉と、焼き芋を焼いてサービスしてくれた感じの良い年配のおばさんと、焼き芋を食べそうな私たちのような家族と、そこそこの数の西洋人の観光客。この組合せがあって、この光景が成立したのだろう・・・。
投稿者 木村貴一 : 2010年01月17日 19:04 « 過程 | メイン | 始動 »