2004年06月14日
丁寧に生きる
15年・21万キロを走ってきたクラウンのワゴン車の調子がおかしくなってきた。
10万キロをすぎ15万キロあたりにさしかかったころ、なんとしても、20万キロは乗ろう。と考えるようになってきた。丁度、
バブルがはじけ、不況といわれるようなムードが漂ってきた頃のことだ。次々と新しい「もの」に買い換えるのではなく、「もの」を長が~く、
大切に使ってみようと・・・・。確かに私個人の年齢的なことがそうさせたのかもしれないが、時代の流れがそのようにし向けたのだと思う。
20万キロを達成した時、この車の「最後」はどうなるのだろうか・・・?という事が楽しみのひとつになってきた。なんとか、
30万キロまで走り続けてくれるのだろうか?。それとも、ある日、交差点の真ん中で突然動かなくなってしまうのだろうか?。いやいや、
走っている途中でエンジンが突然止まり、後続車が・・・・?。なんてことに思いめぐらせながら、乗り続けていた。特別、
この車に愛着を持っているわけでも、ものすご~く気に入っているわけでもなかったのだが、
19万キロあたりから愛着が湧いてきたことは確かだった。
2ヶ月ほど前、ちょっとした気のゆるみからか、大型トラックの後部に追突した。と言っても、相手方には、全く損傷はなく、
こちらの車だけがヘッドライトが割れ、ボンネットが少し歪んだ。この車にとっては15年間で受けたはじめてのダメージだった。
それがいけなかった。それから、調子がおかしくなってきたのだ。
おじいちゃん、おばあちゃんがどこかで転んで、骨を折り、入院し、それから体の調子がどんどんおかしくなり、ついには・・・・。
なんていう話を聞く。まさしくこの車がその様な状態だった。あぁ、ちょっと可哀想なことをしてしまったなぁ。と自分の気のゆるみを嘆いた。
確かに、20万キロをにさしかかるあたりから、オイル交換を頻繁にするようになった。それまでは、
オイル交換をしてもエンジンの調子の善し悪しを判断することはほとんど出来なかったのが、流石に最近は、その違いがはっきりとしてきた。
骨が弱りきしむような感じでハンドルから異音もしてきた。パワーステアリングのオイルを頻繁に交換するようになった。サスペンションも、
まるで皮膚がたるむかのようにフワーっとしてきた。それでも、それなりに快調に走ってくれていたのだった。
「もの」を大切に最後まで「丁寧」に使い続けるというのは難しい。ある日の朝、
車のエンジンをかけようとしても全くうんともすんともいわない・・・・。というような臨終を望んでいたのだが、
それはかなわぬ夢となりそうだ。なんとなく新車に替わっていく。今日、会社の長老?が乗るカローラのワゴン車に乗った。
メーターを見るとなんと30万キロだった。うん、そうだなぁ。残りの人生こそは「丁寧」に生きたいものだなぁ・・・・と。
投稿者 木村貴一 : 2004年06月14日 17:20 « 玄関の段差 | メイン | 精親会の旅行 »