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2016年11月27日

加工場での忘年会とワークショップ

今日の日曜日の早朝。しっかりと雨が降っていて、午前5時すぎに目が覚めたが、再びゆっくりと寝ることにした。午前8時過ぎに、じわっと目が覚めると、あっ、寝過ごした!と、脳内のどの部分かが急に慌てだして、そうそう、昨日は木村工務店協力会社の精親会の忘年会が加工場であり、その片付けをするために、早朝から手伝いさんが加工場に来ることになっていたのだ。慌てて、着替えて、加工場に向かうと、既に昨日の忘年会の片付けは終わっていて、今日の建築椅子製作ワークショップの準備が出来た状態で、手伝いさんたちは、帰ったあとだった。きっと、私が寝過ごしているコトに気を使って、電話も掛けずに、作業をしてくれたのだな。申し訳ない。ありがとっ!

昨日土曜日の加工場での協力会社の精親会のレクチャーと忘年会。
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↑ 協力会社による専門知識を共有するためのレクチャーがあり、その後に忘年会をする。いつもは、料亭の座敷で催していたが、今年は加工場ですることにした。

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↑ 昨年リフォーム工事をした、ほたる食堂のほたるちゃんが、お総菜を担当してくれた。
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↑ 右上のカウンターと正面奥の平均台風立ち飲みバーと手前の古材テーブル
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↑ 手前の古材テーブルや奥の大テーブルと、それぞれが、好きな場所に別れて、会話をし、また移動するという、1カ所に落ち着かないスタイルが可能になるのが、加工場の魅力。
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↑ 立ち飲み平均台風カウンターは、写真家の徳山さんから頂戴した作品を転用したもので、動きながら、いろいろなひとと、会話出来るのが楽しい。
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↑ 喫煙OKの職人事務所では、タバコの煙でもくもくするなか、喫煙者の会話がもりあがっていた。

同じ加工場で、今日の日曜日は、建築家矢部達也さんによる建築椅子ワークショップがあり、8組の参加者が、うちの20代若手大工の大ちゃんとモリくんのサポートのもと、建築椅子を完成させたのだけれど、お母さんが息子さんと一緒に作業しながら、お母さんがドリルでビスを揉む作業の姿や、お爺さんが、孫さんに教えながら一緒に作業をする姿や、ひとり参加の年配の女性を20代の大工がサポートする姿や、大工学校に通う20歳の若者が参加してくれた姿など、大工が関わる作業というのは、やっぱりエエなぁ....とおもえたワークショップだった。


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ワークショップ終了後、建築家の奥和田さんと矢部さんによる出座何酒店というBARがあり、スワン型のバックロードホーンから流れる音楽と共に、まったりとした時間を過ごした夜だったが、土曜日、日曜日と加工場でのイベントが連チャンになってしまって、それなりの負荷がかかったものの、ま、「流れ」に従いながら、皆の協力のもと、出来ることを、不完全なままでも、なんとなく、たんたんと、やり続けるのが、大切な気がした二日間だった。

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2016年11月20日

流行。

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小学校の同級生と3人で、ロードバイクに乗って、ランチを食べに、河内長野に向かう。遠くに岡本太郎デザインのPLの塔が見えて、畑の中にポツンと、imageサイディング貼りのフツウの平屋の建物と温室が併設して建っていて、その平屋のパン屋さんで、パンをチョイスし、それにプラス500円で、地元で採れた旬の野菜を使ったヘルシーなお惣菜とサラダと飲み物がついてきて、その併設して建っている温室をリメイクしているテラスハウスで食事をする。イチゴ農家が、お米でパンを焼くことにこだわった米パン工房であること、自家製の野菜や素材にこだわっていること、土曜日曜日だけオープンしているパン屋さんであること、ぐるっと囲われた畑の中にポツンとお店があること、そんなのが、なんとなく「いま」という時代の需要と供給の特徴を表現している「流行」のようにおもえた。

10月11月の日曜日と祝日の朝にロードバイクに8回乗ったが、日曜日にワークショップや相談会等がなくて、まるまる一日乗れたのは3日だけなので、合計で550Kmほど走って、よく自転車に乗ってるひとからすれば、たいしたことない距離で、しまなみ海道のペンションLINKの親父は66歳なのに1ヶ月に1000Km走ったというし、それでも、いままでの「私」からすれば、それなりの距離なわけ。

いや、それが、関西大学で木造設計製図の講師をして6年ほどになり、教授のEさんのもと、建築家のMさんと構造のSさんと工務店の私とで、生徒の提出する共同設計課題に対して、アドバイスと評価を繰り返しながら授業を進めるのだけれど、授業の休憩時間の会話で、構造のSさんが、最近ロードバイクに乗って、平日も含めて、1ヶ月に500km近い距離を走っているらしく、建築家のAさんも最近ロードバイクに乗りだしているよ。建築家のロードバイククラブが出来るかもしれませんよ。なんていう会話に、それとなく刺激されているのだろう。今度、皆で、一緒にしまなみ海道をロードバイクで走りながら伊東豊雄さんや隈研吾さんの建築を見て廻りましょうよ....。なんていう会話になるのが、いまという時代のひとつの「流行」を表現しているのだろう。

この木造設計製図は、吹田にある実際の高低差のある敷地が設計課題で、同じ敷地を4年連続繰り返えして課題にしていて、2,3人のチームで設計する課題なのだが、毎年毎回、違う案が出てきて、そういうことが、あっ、プランニングって、まだまだ、いろいろな可能性があるのだなぁ....と刺激を受けたりする。

設計製図は、毎週毎週、「課題」に追われるなか、どの学生も頑張って真面目に提出して、その姿に、感心するのだけれど、うちの次男も東京で建築学科の学生をしていて、奥方との会話では、「課題。カダイ。かだい」と口を開けば宣っていて、それが、建築学科の学生の呪文のようなものであるわけだが、最近の電通の鬼十則の事件など、「仕事。シゴト。しごと。」が、もはや呪文となりえず、呪いとなって、大きくのしかかって心身に支障をきたす頻度が増してくる時代でもあり、「シゴトとかカダイ」とかの有り様が問われているのが、ひとつの流行でもあるのだろう。

最近気に入っているコトバで「利用の構想力」という概念は、プランニングという概念をもう一歩進めた感じがするのだけれど、大学生が、空き長屋に興味を持って、その利用の方法や、プランニングを考えるために、先週は、うちの持つ空き長屋の調査に来たりしたが、今週は、とある大学の教授と行政の方々と鶴橋で焼き肉を食べながら、空き長屋の活性化に関して、家主のコト、大学の授業と学生のコト、空き長屋に住みたいと望む若い利用者のコト、DIYのコトなどを焼き肉のアテにしながら話し合った週でもあり、大学生が、木造のコトや空き家資源のコトに取り組むのが、いまという時代性と流行なんだろう。

こんな「流行」と遭遇した一週間だった。

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2016年11月13日

民主

トランプタワーの映像がテレビで写り、巨大なトラックが砂を積んで、ビルの周りを包囲していて、なんでもテロに備えてらしいが、確か、NYに行った時に、トランプタワーを見た記憶が、なんとなくあり、ところが、どんな状況で見たのか、全く思い出せなかったので、グーグルマップで見ると、そうか、5thアベニューにあるティファニーの横に建っているガラス貼りのビルで、トランプタワーを横目でチラッと見ながら、あの重厚な石の外装のティファニーの入り口をくぐったのだ。巨大なトラックで、そのティファニーの入り口が隠されていたので、判らなかったのだな。

今週は、生野区親交会の懇親会があり、親父から引き継いだので、私が若手のひとりだという、かなり年齢層が高い集まりなのだけれど、丁度、その会合が始まるちょっと前に、トランプ氏が米国大統領に選出されたという報道があって、そんなのが、トップニュースとして話題にあがった日で、背広にマフラーを巻いて出かけた、印象的に寒い日でもあった。会合で、11月14日はスーパームーンで、地震とかも起こりやすいという話題が印象的だった。

そういえば、NYを訪れた2014年の8月11日はスーパームーンの日で、夕方にNYに到着して、ビルの間に見え隠れする大きく綺麗なお月さんを眺めながら、タイムズスクエアーに向けて歩いた時の光景と心情が蘇ってきた。

ウィキペディアによると、スーパームーンとは、満月または新月と、楕円軌道における月の地球への最接近が重なることにより、地球から見た月の円盤が最大に見えることとあり、月が地球に最接近してから1時間以内に満月または新月を迎えて、スーパームーンよりもさらに大きく見える現象をエクストリーム・スーパームーンと呼ぶらしい。明日は、68年ぶりに月と地球が近づく距離らしく、なんでも、その近づいた2時間後が満月なので、今年はエクストリームではないというが、それにしても、どんな大きさの月が見えるのだろうか。ちなみに22時52分が満月だという。このスパームーンの引力が、アメリカと韓国の大規模なデモを引き起こしているのだろうか。

生野区空き家プロジェクトというのがあり、今週、そのミーティング終了後に、鶴橋小学校近くで、若い人たちが、長屋を自分たちで改装して、1階がバーで、2階が漫画スペースになっている、最近オープンしたばかりのスペースに連れていてもらって、夜遅くまで飲んだが、世界旅行をして帰ってきたばかりで、歯医者をしながら、このスペースを運営し、旅を続けたいという若いオーナーのライフスタイルが魅力的なのだろう。

「建築の民主化」というコトバがあり、誰でもが、その気力とセンスさえあれば、割安で魅力的なリフォームが出来る時代で、建築が建築家や工務店の設計と施工から一般の人でも可能な設計と施工になっていくのが、建築の民主化のひとつなのだろう。プロとしての工務店や建築家は、これから、どんな立ち位置を取ることが、世の中に求められているのだろうか...と、アーダコーダと話ながら飲んだ深夜でもあったが、どんなライフスタイルを生きるかが、そのひとの肌にあったスペースとして、リフォームの質を決めていく時代なのだろう。

本日は、数日前の寒さからうって変わって、暖かい日曜日だった。昨年に引き続いてのフクロウワークショップがあり、フクロウファンが15人ほど集まった楽しいワークショップになったが、フクロウを育て、ワークショップを開いてくれた都(と)さんは、生野区在住のジュエリーデザイナーで、富田林に古民家を買って、センス良く自分でリフォームをし、そこで、フクロウを育てるライフスタイルで、その様子を自転車で訪問して見学したのが昨年で、仕事と趣味と住まいというライフスタイルが、いまと言う時代のモデルのひとつでもあるのだろう。

トランプとアメリカの民主。朴槿恵と韓国の民主。ライフスタイルと建築の民主。スーパームーンの引力。フクロウパワー。時代の節目なのだろうか....。
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2016年11月06日

元町高架下

以前に、神戸元町の高架下を歩いたのは、ハッキリとした記憶がないが、確か、阪神淡路大震災が起こる以前の事で、3日の木曜日の祭日の朝に、奥方が、唐突に、神戸に行こうと言い出した。それなら、久しぶりに、高架下にしようと。

近鉄電車と阪神電車が繋がって、奈良から難波を経由して三宮まで行けるのは、ちょっと不思議な感覚で、便利なようだが、今まで一度も利用したことがなく、地下鉄小路を使う「私」は、難波から梅田に出てJRや阪急電車を使って神戸方面に行くことの方が圧倒的に多かった。地下鉄で鶴橋に出て、近鉄線に乗り換えると、そこからは直通で三宮まで行けるわけで、JRより少し時間はかかるが、座ったまま行けるのは、やっぱり便利。ところで、奈良から難波を経由して神戸三宮に行く人って、多いんですかね。一日で、朝の奈良公園を歩き、昼の難波に降りて道頓堀をブラブラし、夕方の三宮を遊ぶというのも関西圏の文化の違いを肌で感じられて面白いかもしれない。

三宮駅から高架下を元町駅に向かって歩くと、まず、「靴」が目に飛び込んでくるのが、神戸の感覚で、大阪との違いだろう。きっと奈良では、靴や服を感じることはないに違いない。高架下にしては綺麗な内装のお店で、メーカーなしの革のトートバックを売っていて、そんな革製品が置いてあるのも神戸らしいが、手ぶらで出てきてたし、ボッテガとかエルメスとかゴヤールとかブランドものは手に届く値段のはずがなく、似合いそうにもないので、手頃な安い値段で、奥方のすすめもあって、何となく買って、そのまま肩にかけて歩いた。

三宮から元町までは、そこそこの人が歩いていたが、元町から神戸駅に向かう高架下はガラガラで、シャッターも降りていて、怪しい感じの店が多いが、感覚的には、こっちの方が断然楽しい。古着を見る。ネルシャツがいっぱい売っていて、最近、着ることほとんどないが、何となく、エエ感じのチェック柄を、まとめてオトナ買いでもしてみるのが、気分なんだろう。IMG_1945レコード屋も数件あって、雑然と置いてあり、中に入っていくのもタイヘンで、見るのにも疲れてしまうが、おもいのほか値段が高く、そういえば、先日の枚方のTSUTAYAでも、レコードの値段の高さに驚いて、うちのあのレコードが12000円、えっ、これ、5800円!。と、価値観とブームのサイクルは不思議なもの。ところで、最近の我が夫婦の買い物時の価値観とブームは、「マゴ」ちゃん用の服とおもちゃで、こんな価値観を持つとは思ってもみなかった。

午後1時もかなり過ぎていて、お昼をどうしようかとおもっていたところに、64というカレー屋さんに遭遇して、キーマカレーとココナツミルクのあいかけを食べる。たまにカレーを食べたくなると法善寺にあるインデアンカレーに行くが、奥方は、私の食事に困ると、どうも、カレーを食べさせておく傾向にあり、ま、「私」は、日本人的な普通のカレー好きなんだろう。

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カレーの旨味が口の中に残りながら、暫く歩くと、MR BONDという服屋さんに出会す。まだ、店があったのだ。高校生の頃にイナモトくんやナンブちゃんと何度か行ったが、いったい何年ぶりだろう。ふらっと入ると、奥に、IMG_1966ハリスツィードのタッグが入った、ツイードの3ボタンのIVYジャケットがあり、試着してみる。高校生や大学生の頃は、ハリスツィードと書いたあのタッグに憧れたもので、昔はあまり似合わなかったが、なんとなく、着てみると似合う歳になってきて、こんなオールドな感じも新鮮で、それに、ここのお店で、昔の形をそのまま復刻して、MR BONDのタグを貼って数着作っているらしく、そういうのが、いまの時代性を感じる、ものづくりのひとつなんだろう。

シェラデザインの64のマウンテンパーカーが何着かハンガーに掛かってあり、これで3着目ですわと70歳近いひとが買いにくるらしい。ケルティーのトートバックとか、ちゃんとしたフィッシャーマンズセーターや、前後どこを前にしても着られるクルーネックの漁師セーターもあり、試着すると、とっても暖かで、なんだか昔のポパイという雑誌の品揃のようで、最近、また、こういうものが、エエように見えてくるのが、価値観のサイクルなんだろう。店主は2代目だそうで、あれやこれやと話をしながら、震災を経て、生き残って行く、高架下の老舗の服屋さんに魅力を感じた。

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シャッターが閉まっているお店がどんどん増えていくなかを暫く歩くと、コンバースの靴だけを売っているお店の柿本商店の前に着くと、若いひとでいっぱいだった。別に、買うつもりもなかったし、高校生の頃か、大学生の頃か、ジャックパーセルのつま先のスマイルラインが入ったホワイトを履いていたことがあったが、それから何十年も履いたことがなく、そんな程度で、何気なく見ていると、すべて真っ白のレザー製のジャックパーセルMIDというのがあり、思わず試しに履いてみたくなった。最初のサイズは小さくて、ツーサイズ上しかなく、ところが、中敷きを入れて履くと横幅もぴったりで快適だったし、接客してくれた、おじいさんとおばあさんの会話の軽妙さに笑いながら、中敷きをサービスしてくれるというオマケにつられたわけでもないが、震災を乗り越えて、コンバースだけで、50年以上も続く、妙な魅力に乗っかって買うことにした。

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元町の高架下の終わりまで歩いた後は、アーケードを歩いて三宮まで戻ることにしたが、昔風の服屋さんや靴屋さんやなんだかんだのアーケード下の雰囲気は、大阪のアーケードとは違う独特のレトロ感のあるエエ雰囲気で、高級店が並ぶ路面店の感じも異国的でもありエエなぁとおもうわけで、中華街の勢いも凄く、高架下、アーケード、中華街、高級店とそれぞれの異なる雰囲気を通りを歩きながら一気に見られるのが神戸の魅力のひとつなんだろう。

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