2016年10月02日

ライフスタイル

雨続きの週から少し天候が回復し、秋晴れの心地良い気候を想像してみたが、なんとなく、ぐずぐずとした天気の週で、今日の日曜日の朝も雨が降りそうなうっとうしい空からパラパラと雨が落ちかけたが、そんな天候を振り切って、自転車で30kmほど十三峠を往復して1時間45分ほど、お風呂に入って、日曜日の住宅相談会に望んだ。

 

先日の健康診断の結果からも、なんらかの運動を続けないと健康を保てないらしく、先ほどiphoneのrunkeeperに記録されたデータを見ると、51歳の2010年9月5日に家から大阪城を往復して12km走ったのが最初で、あの日は、走った後に、一日中使いもにならない身体になってしまった私に苦笑いしながらぐっすり寝てしまったが、6年間、日曜日の早朝だけを中心に運動を続けてくると、それなりに心身のバランスも少しずつとれてきて、特に54歳になった2013年3月にランニングをサイクリングに切り替えてからは、体重が減りだして、運動量の増加と共に、二十歳台の体重に戻ったのが55歳の後半だった。

日曜日の早朝の運動が、自分のライフスタイルの一部になるとは、40代の「私」には想像すらできなかったし、特にロードバイクがライフスタイルの一部になるのは、不思議な感覚すらあって、運動不足の解消と共に、どんな場所を走るかとか、ヒルクライムや、どんなタイムだとか、自転車による旅や、食事や、人との出会いや、けがもあり、自転車というモノとしての興味やファッションや、家での自転車の置き方や飾り方など、そんなのがライフスタイルのひとつなんだろう。

今週、生野区の行政の方のお誘いがあって、偶然にも先日のブログに書いた、東大の松村教授の「民主化の建築、箱の産業から場の産業へ」の講義が近大であり、IMG_1688「自分らしく生きたい、という素直な気持ちから、それぞれが主体性をもってストックを利用し、暮らしをつくる時代になった。それぞれのライフスタイルの実現に向けて、既存のストックを利用するための構想力が求められている時代。」なんていう話を聴いて、「仕事か遊びかを区別する必要がなくなる。そうやって自由に働きながら、未来につながるような暮らしと仕事をまちに埋め込んでいく活動が何よりも大切で、それこそが我々のミッションと言っていい。」なんていうコトバで締めくくられた講義だった。

遊びのライフスタイルだけを云々するようなバブリーな時代背景でもなく、いまという時代は、もっと根源的な、自分の個性に応じた、仕事のスタイルや暮らし方のスタイルを考えて、既存の建築や敷地の利用方法を、それぞれが構想する時代なんだろうし、そんなライフスタイルを建築的に実現できるようにサポートするのが工務店の役目のひとつでもあるのだろう。

そんな時代の流れと共に、うちの会社でも、それぞれの社員が、自分のライフスタイルを考えて、転職が頻繁に起こる時代で、担当者の退社に伴い、それぞれが担当した家のメンテナンスの問題も発生し、迅速な対応が出来ず、ご迷惑をお掛けしているところもあり、時代背景に応じた工務店の体制づくりが求められている状況でもある。

さて、本日の住宅相談会の午前中のAさんは、成人4人のご家族が、シエアーハウスのように集まって住むというライフスタイルを選択したご家族で、その見積を提出する日だったが、コストをいかに下げるかという普遍的な問題に、基本的な構造や断熱の素材やスペックを調整して、コストダウンを目指さないのが木村工務店のスタイルで、設備機器や仕上げの素材と共に、間取りや建物の形状や大きさをライフスタイルに応じて調整することが、より大切なんだろう。

午後からのBさんは、ワークショップに何度か参加して下さったご夫妻で、経営する喫茶店の、その上階と隣にある建物をどのように利用して、職住一体型の2世帯住宅を造るかという、まさに、空き資源の利用の構想力によって、まちに暮らしと仕事の未来を埋め込むという時代背景を象徴するかのようなご相談で、コミュニケーションを繰り返しながらさまざまなアイデアを一緒に編集作業していきたいとおもった。

午後からのCさんご家族は、ご両親がそのお父さんを引き取り、娘さんご夫妻と共に2世帯住居をつくるために、何度か相談にお見えになっていたが、現在の住まいや別にお持ちの家では、2世帯住宅は、無理だと判断し、新しく手頃な価格で手に入る2世帯住宅用の敷地をお探しだった。その候補が見つかったというコトで、購入前にお越しになったが、その敷地を、グーグルのストリートビューを使って、プロジェクターに映し出して一緒に眺めながら、それぞれのライフスタイルをお聞きしつつ、プランの構想をあれやこれやとコミュニケーションした。

仕事や家族関係や心身など、調和がとれて、リズム感のあるライフスタイルを生きるコトが、まちに暮らしや仕事の未来が埋め込まれていくコトに繋がるのだと、そんなコトを考えさせられた、今週の出来事だった。

投稿者 木村貴一 : 2016年10月02日 23:59 « 木村家本舗と家と加工場 | メイン | 瓦コースターな夜 »


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