2004年08月02日

朝の地下鉄

数年ぶりに、朝のラッシュアワーの地下鉄に乗った。私は会社のすぐ近くに住んでいるため普段の通勤時間は歩いて2分ほどなのだが、 その日は健康診断があった。

地下鉄千日前線の小路駅から谷町6丁目で谷町線に乗り換えるため、エスカレータを左側に乗って駆け上がった。 ちょうど具合よく乗り換えの電車が来ていた。エスカレータを急いで昇りながら、先日、関東の友人と話をした時に話題に出た、 東京ではエスカレータで急ぐ人は右側だが大阪は左側に乗るのはどうして・・・。というようなことをチラッと思い出しながら、 急いで電車に飛び乗った。

ほっとして、あたりを見渡すと周りは女性だらけだった。なんで今日は女性がこんなに多いのかと思った。 そしてなぜが私に向く女の人の視線が変な雰囲気だった。今にして思えば確かに間抜けだった。間髪を入れずにアナウンスがあった 「3両目の車両は女性専用車両に・・・・・・」頭が思考するよりも体の方が素早く反応した。急いでプラットホームに飛び出した。 背中の女性の冷ややかな視線をふりほどきながら、後ろの車両に向けて駆けだした。その間、頭は体の反応速度に付いていけずに、 ぐるぐると回転していた。「えーと、今、乗ってた、車両は、何両目やったかな・・。」「うん、女性専用車両・・・?それ何・・・?」 と。 一瞬の出来事なのだがプラットホームを走りながらも頭はこの事態を何とか解釈しようとしていた。扉が閉まりそうになるのを手でくい止めて、 何とか後ろの車両にすべり込んだ。目の前で扉がプシューと閉まった。それこそ、ほっとした。

電車が動き出し、暫くして、冷静になったころ、女性専用車両というのが出来た事を思い出し、ようやく事態を理解した。 それと同時に汗がじわ~っと吹き出してきた。暑さのせいでも、走ったせいだけでもなかった。 あのまま扉が閉まって女性専用車両に乗ったまま次の駅まで行くことになっていたら・・・・駅に着くまでの間、 周りの女性の視線にどう耐えていたのだろうか・・・・と・・・・・。そう考えるとちょっと滑稽で可笑しかった。 真っ暗な地下鉄の車両の扉に映し出される自分の顔がにやけていた。

晩ご飯の時、奥方にこの話をすると、「うわーーかっこわるぅーー」とばっさりと切られた。

投稿者 木村貴一 : 2004年08月02日 01:31 « 転ばぬ先の杖 | メイン | 元気 »


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