2016年07月24日
セッション
日曜日の早朝。自転車に乗ろうとするが、どうも寝起きが良くない。そうそう、昨晩27時間テレビで明石家さんまの時間が面白く、見ているうちに、午前0時を回ってしまっていた。それにしても、さんまさんは、猛獣使いのように、個性的な司会者や専門家を仕切ってお笑いにし、若手芸人とは、セッションのように格闘しながら笑いを創造しようとする姿には、それなりに見応えがあったが、流石に中居くんの時間は、早朝の自転車の事を考えながら眠っていった。
今日の日曜日は、建築家の林敬一さんによる数列カホンのワークショップがあり、朝からゆっくりできる時間があまりないので、その切迫観念のようなものに突き動かされたのだろうか、中途半端な睡眠時間にも関わらず、自転車の振動を体に感じたいという気持ちを大きくすることで、どうにかこうにか家を飛び出して、十三峠をヒルクライムしたが、蒸し暑さと気怠さで、頂上の駐車場ではドバッと汗を流しながらハッハッいっていた。
フツウの椅子にまたがって叩くタイプのオーソドックスなカホンと違うカホンを自分で設計して造りたいというのが、建築家林敬一さんの強い意向だった。「ハヤシさん、フツウのカホンを建築的に格好良く作る方が応募者も沢山あると想うんですけど...」と私が云うと、「誰もが考えるフツウのものと違うカホンをどうしても作りたいのです...」というハヤシさんの強い意志があった。
じゃぁ、使わない時はCDケースになる寸法だけは確保してくださいね。とお願いしたが、一度目の試作では、手で叩くとエエ音が鳴らなかったし少し大き過ぎた。二度目の試作では、丁度良い大きさに調整し、合板の素材も堅い素材にチョイスし直し、それに手で叩くのではなく、マレットという叩く棒も一緒に作る事で、プリミティブで、エエ音がなる数列カホンが出来上がった。10名限定だったが、参加者があるのだろうかと心配していたにも関わらず、意外と音楽に携わる人たちが、ちらほらいて、キャンセル待ちが出来るほどで、そのひとも何とか参加出来るように工夫できて、12名の参加者による楽しいものづくりの時間を分かち合う事ができた。
こういう、今までにない何か別のモノを造りたいという、建築的なものづくりへの強いパッションのようなものに、ハヤシさんは動かされながら、きっとそれを現実のモノにするために、諦めずに、設計的な思索を継続的に繰り返したのだろうし、また、その試作を何度か造ってみるという、面倒くさい事を面倒くさがらずにするという、地道な作業に、ハヤシさんの建築家的なものづくりへの強い意志のようなものを垣間見たワークショップだった。きっと、その強い情熱のようなものが、皆に、ものづくりの歓びを与えてくれたのだとおもう。
その後の懇親会として、ハヤシさんがマスターとなったBARには、蒸し暑い夏の夜にも関わらず、多くの方に来ていただいたが、知己のひとや、口コミを通じてやってきた初めて会う若い人たちのグループもいて、若いひとたちとのセッションのような時間と空間を通じて、お互いの変化と成長を模索していく必要性があるような気がした、妙に長~い一日だった。
投稿者 木村貴一 : 2016年07月24日 23:59 « 変動と変化と進化 | メイン | 不安と躊躇 »