2014年02月09日

職人宴と建築家宴

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初午祭という社内の伝統的な行事があって、3階の会議室に、お稲荷さんが祭られていて、それで、毎年2月になると、神事をし、安全祈願と商売繁盛を願った後、おもに、現場で働く職人さんたちが集まってきて、宴を催す、ま、いわば「職人宴」。

それで、この機会を利用して、職人としての「施主」や「マチ」との接し方と共に、その「心構え」や「立ち居振る舞い」のようなものを確認し合うのだけれど、もちろん、木村工務店の工事現場でも、近隣にご迷惑をおかけしている事は少なからずあって、この場を借りてお詫びを申し上げると共に、そんな経験を職人の皆さんと共有しながら、合意しあう機会でもあって、あんな話こんな話をプロジェクターとパワーポイントを使って説明し、こんなのが宴会でのコミュニケーションを誘発する「きっかけ」になりながら、あれやこれや、うだうだ、がやがや、と宴が続く。

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左の写真は2012年、右が2013年で、昨年から、カウンターやテーブルを設置し、照明も白熱球をぶら下げ、会場の雰囲気にもチカラを注ぎだした。「建築のチカラ」というのが、確かにあって、その力を使って、施主やマチや地球環境に貢献するのが、私たちの「シゴト」であるのだけれど、語るほどに事は上手くいかないのが世の中というもので、それでも、そういうことへの「継続的アプローチへの姿勢」として、一夜限りの宴会でも、「建築のチカラ」を工夫してみるのが、というより、ま、そんな馬鹿げた遊びを大まじめでするのが、「オモロイコト」だと、「おじいちゃん」から教わり、「遊びが勉強の場」でもあるのだと「おやじ」から教わったのだった・・・・。

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社員が、カウンターの中に入って、職人さんたちを「お・も・て・な・し」するのも昨年から始めたコトで、やってみると想像以上に楽しく、今年はこんなカクテルを作るのだと、本まで持ち込んで、新に延長したbarカウンターで頑張る社員もあって、確かに、そんなことにチカラを注がずに、もっとシゴトにチカラを注ぐべきだという、ご批判もそのとおりのコトなのだけれど、これが我が社の「社員教育の場」なのだと、お許しを頂きたい・・・・。

DSC09384そういえば、昨年の初午祭の時に、イラストレーターヤマサキミノリ製作による、協力会社と職人さんの姿を伝える冊子を作るための協力を依頼し、それがひとつの形となったのだけれど、その冊子が縁で、建築現場で働く職人さんたちの本が出版される事になり、それなりに進化しているのが嬉しい出来事で、今年も報告と取材を兼ねながら、ヤマサキミノリさんに来てもらった。

精親会

ところで、増税前の駆け込み需要という特殊な社会状況が絡んでいて、それまでの建築産業の不況続きと、ここ20年ほどの職人就労人工の減少という、日本の職人に憧れを見いだせない社会状況があって、いま、理解しがたい職人不足と資材不足が、現実として、発露していて、こんな目先の「忙しい」状況が発生すると、「こんな宴」への参加人数が、減少し、職人さんの集まりが少なかったのが、とっても残念な事。本来ならば、忙しい時ほど、お互いに「職人」としての「親切丁寧」な「心構え」や「信用信頼」を得る「立ち居振る舞い」の大切さを確認しあう場でもあるのだが、そんなふうに機能しないのが、世の中というものだなぁ・・・。

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上の写真は、金曜日の夜に、中之島公会堂であった、生山さんの関西建築家大賞を祝う会の写真で、たくさんの建築家が集まった「建築家宴」で、何人もの知己の建築家と挨拶を交わしながらの楽しい宴だったけれど、そうそう、来年の初午祭は、多くの職人さんが集う「職人宴」にしたいものだなぁ・・・・。

追伸
先日、加工場で撮影があったテレビ番組は今週の水曜日の深夜2時からの「音楽のチカラ」で、HOME MADE家族がゲストで宇都宮まきさんと共に加工場にお見えになった。さてさてどんな番組になっていることやら・・・・。

投稿者 木村貴一 : 2014年02月09日 22:30 « 侘びてどうする寂びてどうする | メイン | 縁側的会話 »


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