2015年04月05日

目に染みる桜

IMG_7085桜の花が咲いて、なのに雨が降り続いて、もう少し満開の桜を満喫したい気分が、体のどこかに残っていて、それで、今日の日曜日のお昼に、雨がしとしと降るなかを、パーゴラの庇の下で、桜を見ながら、うどんを食べる事にして、大阪風の腰がないニョロニョロのうどんが、出汁のなかにどっぷり浸かっていて、それをすすりながら、うどんのどんぶり越しに、葉桜を眺めるわけで、少し肌寒さもあって、桜も出汁も目に染みたりする。

この週は3月31日と4月1日が同居する週で、別れと出会いが同居する週でもあるわけで、現場監督として高校を卒業して15年間うちに勤めてくれていたツジモトくんが、生まれた子供さんと奥さんと一緒に郷里の和歌山に戻ることになり、その送別会を加工場ですることになって、社員や職人さんや協力会社の何人もが集まって、別れを惜しんだのだけれど、建築家の石川さんが、パワーポイントで、現場監督としてのツジモトくんが持つ技術を30分ほどレクチャーしてくれて、皆がしっとりと聴き惚れながらの話で、祝福と寂しさ、無くすものと得るものが渾然一体となりながらの送別会だった…。

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4月1日から大工の見習いとして2名の若者を迎えるコトなって、1名は、高校を卒業し専門学校の大工科で2年間学んだ女子で、木村工務店としても女性の大工さんを受け入れるコトは初体験だが、ササキ棟梁が快く引き受けてくれて、もうひとりは、高校を卒業したばかりの男子で、もちろん初めて大工という職人を目指すわけで、ご両親も心配してうちの会社まで訪ねてきて頂き、こちらも身が引き締まる思いがするのだけれど、こちらはフミノ棟梁が快く引き受けてくれて、これから大工という職人としての修行が始まる…。お二人ともインターネットで当社を探して、大工さんが「手刻み」もしているところに惹かれたそうで、これからもプレカットと加工場での手加工をハイブリットに織り交ぜながら、これからの大工職人の世界を模索していけたらと思う。

2名の大工を目指す若者の歓迎会も兼ねて、恒例の木村家ガーデンでの花見の宴を催すことになっていたのは4月4日の土曜日で、それは3月31日に送別会があることを考慮して、そのように決めていたのだけれど、天気という神々は、ちょっと気まぐれで、わりと意地悪なところもあって、3、4、5日と、この桜満開の週末に、雨を降らす予定らしい。そうであれば、天の神々に逆らうことなく、こちらが開催日をずらすのが、常套手段であり、特に建築という職業は、天気に右往左往させられる職業でもあって、天候を考慮してコンクリート打設日や上棟日をやりくりするわけで、職業柄としての会社の心意気も考慮すると、天候次第の中止ではなく、4月2日に前倒しこそ相応しくおもえて、その当日は、バタバタと段取りをしながらも、穏やかで暖かい春の陽気のもと、満開の夜桜の宴を30人ほどで楽しんだ。

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この木村家ガーデンのしだれ桜は、昨年他界した弊社会長が1000円ほどで買った小さな桜が、30年たってようやく皆を楽しませるしだれ桜になって、今年は、その足下にあるお花畑と共に、皆を笑顔にさせてくれたのだけれど、そうそう今年の花見の炭火の焼き肉は、昨年の暮れに上棟式をした東大阪H邸での焼き肉が、とっても美味しくて、それで、その買った場所を教えてもらい、そこで13kgほど購入し、そうしたら、その時のお施主さん自家製のタレが、あっさりとした絶品で、その秘伝の絶品タレを、わざわざ作って会社まで届けて頂いて、それは皆で取り合いになって、すぐになくなるほどの美味で、いや、ほんとうに、この場を借りて、感謝を申し上げたい。

3月30日の月曜日は、18歳の次男が東京で下宿生活を始めるために旅立った。4月1日には同い歳の大工を目指す青年を迎え入れたのも何かの縁なのだろうか。4月3日土曜日は東京で10年間住んでいる長男が彼女を連れて大阪に戻ってきて、どうやら結婚し、木村工務店に入るらしく、そのコトを話題にしながら、4人で、げんこつで食事し、barソケットで飲んで、これからのコトを語り合った。

今年の桜は、目に染みるのだ…。

投稿者 木村貴一 : 2015年04月05日 16:53 « さまざまなコミュニケーションのかたち | メイン | 足長おじさん »


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