2004年06月02日
黄色い帽子の訪問者たち
6月1日の朝、東小路小学校2年生の生徒5名が当社にやって来た。
聞くところによると町の工場や商店にお邪魔してインタビューをしようという校外学習だそうだ。
残念なことに当日、大工さんは現場で仕事をしていたため、会社の加工場で、
コンコンと音をたてながら手加工をしている姿を見せることができなかった。それで、
事務所内での設計の仕事や見積の作業を見せることになった。
黄色い帽子をかぶったカワイイ訪問者達は「こんにちわぁ!!!!!」という元気いっぱいの声をそろえて、付き添えのお母さんと一緒に、
勢いよく飛び込んできた。シュプレヒコールのように「今日はインタビューに・・・・・・・」と声をそろえて挨拶をする。
会社が一瞬にして明るく快活にそして陽気になった。ありがとう黄色い訪問者さん。
一人ずつが代わりばんこに(これって大阪弁かな)かわいいハートフルな声で質問をしてくる。最初の質問者が照れくさそうに質問をはじめた。
1「こうむてんはいつからはじめていまでなんねんめですか」
「昭和12年 1937年創業です。」と答えると。
皆が一斉に画板の上の紙に書き始める。「えー、えー、何々・・・、わかれへん、えー、うまいことかかれへん・・・」
なんて言い合いながら一生懸命に書く。
次に質問者が交代して、
2「みなでなんにんのひとがはたらいていますか」
「社員18人 大工さん12人 雑工4人です。」と答えると、また、大騒ぎをしながら紙に書いていく。
3「ここではどんなしごとをしていますか」と次の人が質問をしてくる。
「ここでは、実際の建物を造るまでの準備をします。設計という作業や見積という作業をしています。」なんて少し難しい言葉を使うと、「えー、
えー、それどういういみ・・・」なんて、またまた大騒ぎになる。
4「おもにどんなしごとをしていますか」と女の子が質問してくる。
「住宅・工場・事務所・マンション・神社・学校建築」と答える。
5次の女の子から「どんないえをたてていますか」と質問される。
「自然素材を使った住宅の新築やリフォームです。」なんて躊躇いも交えて答えると、もう書く方は混乱して・・・・。
6一巡するとまた最初の質問者が、「いえをたてるのにはなんにちぐらいかかりますか」と。
「実際に建てるのには4ヶ月ほどかかりますが、それまでの準備として設計や見積に3ヶ月ほどかかります。」なんて答えると、
もう筆記する方もええ加減な状態になってくる。こちらもそれを分かり易く優しい口調に言い直すのだが・・・・・・。
7「ぜんぶでなんしゅるいぐらいのしごとがありますか」とくる。
「20種類ぐらいはあります。」と答えると。付き添いのお母さんまでも一緒になって「えー、えーーそんなにあるのぉ」と歓声があがる。
8「どんなことにきをつけてせっけいをしますか」となかなか難しい質問をされる。
「住む人の要望を聞き入れることに気をつけてます。」なんて、ちょっと気取り気味に答えている私と社員。
9「木はおもにどこからやってきますか」とへぇーそんなことも考えるのかと感心する。
「九州や四国・奈良県の吉野。」と大ざっぱに省力して答えると。「へぇーよしの。」なんて声を出しながら紙に書いていく。
10「むかしのいえといまのいえはなにがかわったきたのですか」まさか、そんな難しい質問がくるとは・・・・。
「昔の家は地震に対する強度をあまり考えていませんでしたが、今の家は地震に強い家づくり考えるようになりました。」とえらそうに答えると、
ほんとうに書くのがめんどくさくなってきた様子だった。
11「むずかしいのはどんなことですか」と質問。
「住む人の意見を取り入れることです。」なんて優等生的な答え。
12「うれしいのはどんなときですか」と。
「住む人にほめてもらえることです。」とちょっと照れくさく答える。
13「こまるのはどんなときですか」と最後の質問がやってきた。
「・・・・・・・」一同絶句。全てに困っているなんて言えないし・・・と考え込んでいると、誰かが「予算に合わすのに困っています。」と。
な~るほど。思わず出た社員の答えに唸ってしまった。
投稿者 木村貴一 : 2004年06月02日 22:36 « もうすぐ春かな? | メイン | 拉致被害者家族と泥棒 »