2005年11月13日
傘がない
地下鉄の時間に間に合わせようと玄関を飛び出すと、雨がぱらついていた。駅までは何とか行けそうだけれど、 目的地に着いて地上に出ると結構な雨になっていそうな気配だった。10歩ほど歩いてから急いで家に引き返した。
長い傘を持ち歩くほどの事でもないので、折りたたみの傘でも持っていこうかと思いをめぐらせながら、下駄箱の傘入れの扉を開けた。 パイプに長い傘が数本掛けてあった。折りたたみ傘はどこかなぁ・・・と、傘入れの中の下部に、 山積み状態になっている靴関係のグッズをかき分けながら折りたたみ傘を探した。いつもの傘がない、どこかの鞄に入れたままかぁ・・・。 また探すと黒い傘が一本見つかった。取り出してみるとフリルが付いていた。これは持って行かれヘンなぁ・・・と、また探す。 靴入れの扉も開けて探す。贈答品で貰ったものか、箱に入った新品を見つけた。箱を開けると黒かった。しめた。と思って玄関を飛び出して、 小走りに走りながらビニールの包装を取り払い、黒い折りたたみ傘のホックをはずす。雨の勢いは少し強くなってきた。 急ぎながら傘をばあっと広げた。「うわー」 花柄が随所に散りばめてあった。「かっこわるぅぅ」っと大声が出そうだったが喉元で止めた。 すぐに折りたたんだ。すれ違った人に見られたかなぁっと、ちょっと気になった。なんぼなんでも、この傘をさして、 ビジネス街を歩く勇気はない・・・。予定の地下鉄を遅らせることにして、家に引き返した。
今度は部屋にまで戻って、何個かの鞄の中を探した。ない。また玄関まで戻ろうと思いながら振り向きざまに部屋を見ると、 まるで泥棒が入って物色された跡のような悲惨な状態になっていた。予定に遅れるので見て見ぬふりをした。至極単純なことだ。 長い傘を持っていけば良いのだ。が、脳の嗜好は折りたたみ傘に囚われていたのだった。
下駄箱の傘入れの中の折りたたみ傘をどうやって整理するのか? 収納名人の近藤典子さんに聞くまでのことではないのかもしれないなぁ・ ・・・。傘を吊すパイプの上に棚でも一枚追加して、折りたたみ傘置きにすれば良いだろうか。 靴入れのひとつを折りたたみ傘置きにすれば良いのだろうか。案外、いろんな鞄にほり込んだままなのかもしれないなぁ。どちらにしても、 そんな単純な整理をしていない事で立場上?良いものかと自問自答しながら、地下鉄の駅に駆けていった。
投稿者 木村貴一 : 2005年11月13日 10:42 « 学芸会 | メイン | 昼休みのちょっとした旅 »