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2006年09月24日

工務店

秋がやってきたぞぉ・・・・。と、風や空の「雰囲気」が、私たちに伝えているよな感じがする。時折、 草木が風に吹かれてザワザワと言いうのが、「秋来ぬと目にはさやかに見えねども・・・・」という短歌を思い起こさすよなぁ。台風も去って、 今日も昨日も、何とも心地よい天気だ。1年のうちでも、もっとも過ごしやすい季節だなぁ。炭などいこして、「ソトメシ」 するには最高の気候だなぁ・・・・・。

そういやぁ、最近の台風の名前が面白い。アジア各地で名前を付けるのだとか。台風14号は日本で命名して、「ヤギ」というらしい。 「ジェーン」とか「室戸」とは、また違った趣で、「ヤギ」って、どうかなぁ・・・・。山羊座の「ヤギ」らしい。NHKのアナウンサーが 「今回のヤギ台風は、暴風雨を伴って、各地に甚大なる被害を・・・・」なんて云うのかなぁ。工務店をやっていると、 それなりに台風には敏感になる。「現場、大丈夫かなぁ・・・」と心配になるわけだ。ヤギは日本列島にはあまり近づかない様子で、 「ヤギにはひと安心」だな。

そうそう、昨日のイエに居るにはもったいないような天気の日の祭日に、「土地探し・設計相談会」を催した。行列が出来るほど、 来客があるわけでもなく、いつも、2、3組~4組の方々と個別に1時間半から2時間ほど話をする。電話相談も受け付けているのだが、 どうも皆さんからの話を聞くと、来社されるのも、電話をするのも、ちょっとした勇気がいるらしい・・・・。

こんな打ち合わせ室で、コーヒーでも飲みながら、気軽に話をするので、そんなに気を使わずにお起こし頂きたいなぁ・・・・。 お子様連れだっって、大丈夫。お子さんは、皆、会社の中をうろちょろしたり、打ち合わせの側で、こんな積み木で遊んでいたりする。 応対は私と設計・営業担当の田中の二人でしているので、ご縁があったら、是非、よろしくお願いします。そして、今回お見えになった方々、 どうも有り難うございました。今後とも宜しくお願いします。
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この犬の入れ物の積み木はオークビレッジの製品で、以前、 弊社で設計をしていて、今は独立して設計事務所をしている小川一くんから私の次男にくれた品物だ。 (その節はどうもありがとう。)積み木がカエデとかナラとかトチとか様々な種類で出来ていて、なかなかいい雰囲気で、重宝している。 その積み木の入れ物の背景の壁には、様々な種類の自然素材の板材があって、自然素材を現代の住まいに活かした家造りというのが、まぁ、 私たちのテーマのひとつでもある・・・。

それはそうと、つい先日発刊された「住まいnet関西」 という雑誌の特集記事に工務店の家造りとして 「木村工務店」が掲載された。是非、ご覧になって、欲しい・・・・・。

以前から雑誌の編集者のKさんが何度も訪ねてきてくれていた。そして、長時間にわたって何回も、熱血漢Kくんと会話をした。そして、 お互いに気付いた。それは、いったい、「工務店って何だろう・・・・」ということだった。

工務店の経営者の端くれで、まだ初心者マークの私がこういうのもヘンなのだが、「工務店というひとつのシステム」はいったい、 どんなふうに機能しているのか、そして、その実態は・・・・・。それを取材して探ろう・・・・。という企画だった。私たちも、 第三者の目線で見た工務店を知って、自助努力として機能すれば有り難いなと思った。内容に関しては、その実態の1/ 3ほどしか伝わっていないかもしれないが、皆さんの「工務店」を知るための一助になれば、ええのですが・・・・。


 

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2006年09月17日

地鎮祭とイナウ(北海道の旅その6)

RIMG0024RIMG0020昨日、よくいうところの狭小間口の敷地で、地鎮祭があった。 2間間口のテントが敷地の中に収まるかなぁ・・・どうかなぁ・・・と現場監督が心配するほど、間口の狭い敷地で、 ぎりぎりいっぱいだった。いつもは2間×4間のテントの2間側を南北に向けて設営するのだが、 この敷地は間口が西に向いていたので、いつものようにテントを設置することが、できなかった。

いままで、かなりの数の地鎮祭に出席させていただいているが、確かに、もっとも間口が狭い住宅のひとつだなぁ・・・・。そういえば、 地鎮祭で、テントを設営できない敷地が数件あって、それらは、山の斜面で、木が生い茂っていて、テントどころか、 人間がまともに立てる場所を探すのすら難しい状況だった。

RIMG0019今から7、8年ほど前に建てた「今田町の家」 を思い出す。山の中に地鎮祭の祭壇だけが、かろうじて設置できる平らの場所を見つけて設営し、参列者は山の斜面で、 木にもたれかけながら、何とかまっすぐ直立しようとするのだが、斜面の方に向かって体が傾いて、 何ともアンバランスな状態で神主さんの祝詞奏上を聞いていたのだ。私の身体には、その時の体の記憶が、 いまだに刻み込まれているなぁ・・・。この写真は、前述の狭小間口の家での地鎮祭の祭壇だ。御幣といわれる神に捧げる備え付けが中央にある。 「今田町の家」ではこれを設置できる平らな場所すらなかったのだ。この「狭小間口の家」では、 2間×4間のテントを南北に設置出来る広さがなかった・・・・・。 そんな状況でも、快適で良い家になれば・・・・と願う。

一般的には地鎮祭の儀式は一生に1度あるかないかだと思う。職業柄、私は沢山の地鎮祭に参列したが、実のところ、 自分の家の地鎮祭を経験したことがないのだ。両親や祖父から受け継いだイエをリフォームし続けているという訳だ。

RIMG0022初めて地鎮祭を経験する参列者は、確かに戸惑うと思うなぁ。日常的には全く見かけない光景だ。 そこで、今回の地鎮祭から「地鎮祭の次第」を制作して掲示することにした。主に、施主がするのは、「穿ち初めの儀」 (うがちぞめのぎ)と言って、鋤を持って、円錐状に盛った砂に1回2回3回と穴をあける作業だ。「施主」 と呼ばれる代表者がそれを行う。そういえば、今回の地鎮祭の後、「子供達皆にもさせてあげれば良かったな・・・」 というお父さんの声があった。確かにその通りだなぁ・・・、皆で行っても良いのかもしれない・・・。それとも、 穿ち初めをする父親の後ろ姿を眺めながら、大きくなったら僕もいつか・・・・と、 子供の記憶に留めておくのも良いかもしれないなぁ・・・・。

あと、「玉串奉奠の儀」(たまぐしほうてんのぎ)が何とも気恥ずかしくて、ぎこちない。私もそうだし、 参列者の皆がそんなふうに感じるのだと思う。玉串という「木の枝葉」を祭壇に捧げ、「二礼二拍手一礼」をする。神主さんのそれは、 ほれぼれするように美しい・・・・・。と思う反面、ちょっと、滑稽にも写る。そういう光景が日常から薄れていき、見慣れなくなり、 まるで異文化を見るように思えるあたりが、今の日本社会の状況を反映しているのだろうかなぁ・・・・。靖国問題の日中関係よりも、 もっと奥底に潜んでいる「日本」という問題の何かがあるのかもしれないなぁ・・・・。

誰もが「苦労」と「大金」で、手に入れた「自分の土地」なのだが、その「大地」を「恵み」として、「祈り」と共に「感謝」を捧げる。 確かにそんな機会は地鎮祭という、一生に一度の時にしか、ないのかもしれないなぁ・・・・・。それにしても、「エコロジー」や「環境問題」 の基本は、そんな「大地」とか「恵み」とか「感謝」というところにあるのではないか・・・・・・。と、格好良く思えるのも、やっぱり、 地鎮祭の時の神主さんが厳かに奏す、「祝詞奏上」(のりとそうじょう)を聞いている時だけなのかぁ・・・・・。昨日の地鎮祭の新酒拝戴 (しんしゅはいたい)の時、神主さんが、「お酒を神様の恵みとして頂戴する」と仰った。そして乾杯をする時、「献杯」 と唱和して皆で感謝と挨拶を酌み交わした。
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RIMG0018北海道の屈斜路湖のコタンに 到着したの は夕暮れ時だった。「イナウ」 と呼ばれる「木弊」が湖からの夕日に照らされて、美しい影をつくりだしていた。思わず見とれて、佇んだ。「湖」と「緑の大地」と 「夕日」と「木陰」と「静寂」。その美しい木の下の穏やかに盛り上がった緑の大地の上に湖に向かってさりげなくイナウが佇む。 「祈り」というものが自然とわき上がってくる、そんな「場」だった。職業柄として見慣れている、 地鎮祭の祭壇と御幣と背景の青と白の幕の光景とダブった。そして、その起源をダブらせてみた・・・・・。

コタン~2いつもいつも、紅白の幕のデザインを見ると不思議に思うのは、 いったいこの幕をデザインしたのは誰なんだろう・・・・。なんで、めでたいと思うのだろう・・・・・と。 そんなデザインとデザイナーの起源を垣間見たような気がした・・・・。え、勘違いってぇ・・・・。

RIMG0252そうそう、この地にはもうひとつの要素、「癒し」があった。それは、 湖と木に囲まれた露天風呂の存在だった。無料で開放されていて、男女の仕切りは真ん中の岩だけだ。奥方は躊躇した。 それは自信があるのかないのか・・・・まぁ、そんなことが大問題なのかどうかぁ・・・兎に角、足湯だけを楽しんでいた・・・・。

200609~2露天風呂に入って「静寂な湖」を眺めていると、湖で泳ぎたいという衝動が抑えきれず・・・・・ 、露天風呂から飛び出して、湖で泳いでみることにした。おもいのほか、遠浅で、適度に冷たくて、湖に浮かんで、 仰向けになって空を見上げてみると、夕焼けの残照が美しく、このまま、どこかに吸い込まれていきそうに思えた・・・・・・。

それにしても、この美しい場所は、「神」から与えられたというだけでなく、「誰か」が毎日掃除をしているようだった・・・・。 目立たない力として「美しい環境」を維持していく、「ヒトの力」というのも格好いいなぁ・・・・・・。

 

 

 

 

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2006年09月10日

ソトメシ(北海道の旅その5)

外メシというのは、いわゆる外食ではなくて、今日は、ベランダにでも出て、ご飯でも食べてみようかぁ。というような意味らしい。 メシという表現を使うところが、大阪的だ。豪華な食材を用意して外で食べようとするのじゃぁなくて、そこそこの素材で、「うまいなぁー」 と言いながら、ウダウダと食べるわけだ。テーブルと椅子が似合わない場合もある。敷物を敷いて、 座って食べるのが似つかわしいのかもしれない。

RIMG0004私はそんな風に解釈しているのだが、「外メシ」と宣っているのが、弊社で施工させて頂いた、 コトバノイエという住宅の設計者の矢部さんだ。 (矢部さん、解釈間違ってたらツッコミいれてよね。)そんなわけで、竣工の時には外メシをご馳走になった。 それは深夜まで続いた楽しい一時だった。そうそう、その家の施主が書いたイエにまつわる文章がいかしている。「世界の中心で、イエーッと叫ぶ」 というタイトルだ。是非、読んでみて欲しい。

RIMG0009まぁ、そんな影響が加速材となって、我が家でも「通路件デッキ」で外メシをする。この夏、 長男が帰ってきた時などは、その友達が何人か加わって、けっこう楽しい。自分がその年齢の時は、どうしていたのだろうか・・・・ と、思い起こしたりもするわけだ。もう40代の後半なのだが、若者と話しをしていると、自分自身に対して、 「このまま眠りこけるな」「まだまだもっともっと目覚めよ」と叱咤激励されているように思えてくる・・・。そうそう、 そんな話ではなくて、ソトメシ空間を創っていくのは、魅力的なことだなぁ・・・・という話をしたかったのだ。

RIMG0199キャンプでは 外で食事をするのが何よりものご馳走だ。北海道旅行でもそうだった。 時間的なゆとりが少なかったせいもあって、地元の食材を調達できなかった。偶然、イエから持って行った、 チープな食材だけでの食事だった。それでも、outdoorで食べると、それなりの満足感があるのが不思議だ。「食物」 を食べるだけでなく、 おいしい「空気」も一緒に食べているからだろうか。何よりも、空気と一緒に、その場の「印象」 を食べているからかもしれない。 ソトメシでは「印象」がいちばんのご馳走なのかもしれないなぁ・・・・・。

北海道はカニでしょう。ウニでしょ。イクラでしょ。と大きな声で訴えるように次男が叫んだ。ロクナモノ食べさせてもらってないでぇ・・ 。コンビニとか、イエから持ってきたラーメンとか・・・。それは違うでしょ。と、9歳の息子に諭された。確かにそうなのだ。僕は、そんな 「印象」や「雰囲気」にはごまかされないでぇ・・・。というのだった。私が、あまりグルメでないのが、そうさせているのかもしれない。 外食よりソトメシの方が好きだからかもしれない。そこそこ食べられれば、まぁええかぁ。てな感じなのだ。今回の北海道旅行での外食は、 ウニでもイクラでもカニでもなくコタン丼とスープカレーだった。

RIMG023615年ほど前に屈斜路湖のコタンで食べたコタン丼がおいしくて、不思議な印象を持った。 今回の旅行でも吸いよせられるようにその地に向かった。コタン丼を食べたかったわけではなく、 湖と木と露天風呂に囲まれたその雰囲気をもう一度味わいたかった。 確かに口がもう既にコタン丼の口になっていたのかもしれないなぁ。RIMG0231

丸木船というレストランのすぐ横には毛綱毅曠氏設計のアイヌ民俗資料館があって、 意外と周囲の雰囲気になじんでいて、結構、好きだ。以前に見た釧路にある同じ設計者の細岡展望台や釧路市立博物館より、 かわいらしさがあって、ええかなぁ・・・と。屈斜路湖のコタンは緑の大地に湖と木、それにRIMG0240露天風呂があって、15年ほど前は、そこで2日間ほど、キャンプした。 今はキャンプ禁止になっていたが、そのおかげで、砂湯などに比べて、人が少なくて、静けさが満ちていて、良かった。

そこで、コタン丼と新コタン丼とジンギスカンを食べた。 コタン丼は見た目は普通の卵丼のような感じなのだが、 ギョウジャニンニクと豚が入っていて、関西にはありそうで、ない味で、それなりの旨味があって、やっぱり美味しかった。 新コタン丼というのが豚のかわりにエゾ鹿の肉が入っているらしい。何だか精力がついたような気がした・・・・・。

DSC01936も うひとつの外食がスープカレーだった。帰りの小樽からのフェリーに乗る前に、 時間が出来た。そこで、札幌の市街地のはずれにある「マジックスパイス」というスープカレー店に行くことにした。 本当かどうか知らないけれど、スープカレー発祥の地だとか。

市街地のなんでもない住宅街に目立つ建物が・・・。カラオケ店か風俗店かとも思った。中にはいると、靴を脱ぐことになっていてのが、 意外だった。靴を脱ぐカレー屋さんだった。1階はもう既にいっぱいだったので2階に通された。2階もほとんどいっぱいだった。

店員の男の子に、大阪から来たんですかぁ・・・とすぐに聞かれた。まぁ、それぐらい、ベタベタの大阪弁を使う家族なんだなぁ・・・と、 あらためて、自分たちの地域性を意識した。「わざわざ大阪から来てくれて嬉しいですぅ。私も京都出身ですぅ。」と言いながら、 「この春に大阪店もオープンしましたので、大阪に帰った時はそちらも是非よろしくおねがいしますぅ。」・・・・・と、言うではないかぁ・・・ ・。まるで、ハワイ旅行で土産物を買って、帰国してからメイドインチャイナだと気付いた、「間抜けな私」状態だった。

DSC01930それでも「俺は北海道の本店でスープカレーを食べたのだぁ」と、自慢をすることで、 気を取り直すことに決めた。スープカレーを食べるのは初めてだった。豚汁とかそういった、具材がいっぱい入った汁もんの、 その汁がカレーなのだ。というようなイメージだった。いわゆるカレーをイメージするよりは、 具材のいっぱい入ったラーメンの麺なしで、スープがカレー味。そんなふうにイメージした。それに、黄色のライスが付いてきた。 ラーメンライスとはまたちょっと違うイメージだな。

お味噌汁にご飯をぶっかけて食べるのをネコ飯と呼んだりするが、それは、どの地域もそうなのかな・・・、急に、 地域性が気になったりして・・・・。兎に角、そんな風にして、スープカレーのスープや具材をライスにかけて食べる。 あまり期待していなかったので、意外に美味しくて感激した。思わず奥方はその店のスープカレーの素を買って帰った。

スープカレー、コタン丼、旭山動物園、モエレ沼公園、それにソトメシも付け加えるかぁ。「ちょっとした」 視点の違いによる新鮮さが共通項目かなぁ・・・・・・。

 

 

 

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2006年09月03日

木に囲まれて過ごす(北海道の旅その4)

RIMG0042久しぶりに茨木のN邸に訪問する機会があった。 新しく家を建ていただくお客さまと一緒だった。竣工時に比べて、物がいっぱい溢れていて、混沌としていたのだけれど、 何だか凄く、居心地が良かった。

RIMG0031子供部屋には梁からブランコがぶら下が っていた。お父さんの手作りらしい・・・・。 3人の子供達が取り合いをしながらブランコに乗っていた。ロープをくくり付けた梁には傷が付かないようにと養生してあった。 そんな心遣いが嬉しかった。まぁ、でも、ちょっとぐらい傷ついてもええじゃぁないですかぁ・・・・。

RIMG0022RIMG0023RIMG0019デッキには大きなビニ ールのプールが置いてあっ た。子供達で水浴びをして、 そのままデッキ続きのお風呂にザブンと入るらしい・・・・・。

RIMG0046和室は奥様が英語教室を開かれていて、一瞬、原型がどんなんやったかなぁ・・・・と、 戸惑いそうになったが、 それはそれで、楽しく飾り付けされてあった。「こんな和室で英語を習う」 というのもええじゃないかと思った。ご近所の方、興味があったら、習ってみては。
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机とか椅子とか家具は、今まであったものを普通に使っていた。そりゃぁ 、建築雑誌には掲載さ れないかもしれないけれど、 家の中で生活を楽しんでいる様子が随所に伺えて、家が生きているようで、嬉しかったなぁ・・・・・。

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この夏はクーラーをほとんど使っていないらしい。決して、高気密高断熱の家ではないのだけれど、屋根の野地板に杉板30mmを張って、 それを天井の化粧材とし、その上に断熱材を載っけて、屋根通気層を設けている。 オーソドックスに外壁に通気層を設けているのも効いているのかな・・・・・。あと、あちこちの窓から風が通り抜けるのが、やっぱり、 基本的な事かもしれないよなぁ・・・・・。

RIMG0198風の心地よさは、 今回の北海道旅行でのカヌーの出発点だった塘路湖のキャンプ場を思い起こさせた。 湖のそばという恵まれた環境だけでなく、「木」 が良かった。RIMG0211大きな木がつくり出す木陰が実に、心地よかった。

早起きしてカヌーに乗った疲れもあって、outdoor用のベットの上にゴロリとなった。空を見上げると、 枝と葉っぱと青空がコントラストをなして、ええ感じやなぁ・・・と、眺めた。そしたら、心地よい風が、すーっと、通り抜けて、 いっそう気持ちよさを演出してくれた。あー、やっぱり気持ちええなぁ・・・と、再び五官で感じながら、意識が薄れてきて、 「眠りに落ちていく・・・・」と思っていたら、いつの間にか寝ていた。暫くして、息子が奥方とキャッチボールする歓声で、 寝ていたことに気付いた。目が覚めてすぐ、キャッチボールの順番が回ってきた。ぇーえーと、うめき声をあげながら、 父親家業も辛いものだなぁ・・・と、ぼやいてみるものの、まぁ、それはそれで、案外、楽しんだのだ。

15年ほど前の北海道の旅では、武田泰淳の「森と湖のまつり」を読んでから旅行した。そんなわけで、その時は、 本のシーンを思い浮かべながら、塘路湖を眺めた。今回の旅行も久しぶりにその本を読んでから行こうと、本棚を探してみると、 なぜか見あたらなかった。代わりに「富士」という、読まずにおいてある本があった。先日の富士登山とイメージが重なって、 フェリーの中で読んでみるかと、鞄に入れ込んだ。そして、船室でページをめくると、それは富士山麓の精神病棟での物語であった。 なんと場違いなチョイスではないかぁ・・・・・と、苦笑しながら、2~3ページ後には、2段ベットの下段で、ぐっすりと寝てしまった。

今回の塘路湖では「木陰と湖とそよ風」を感じた。ちょっと大げさに言えば、「木」というものに「神聖」が宿っているなぁ・・・ とさえ思えた。神社のような、ちょっとした重苦しさとはまた違う、「軽やかな神聖」を感じた。「木の葉」って、心地いいなぁ・・・「木陰」 っていいなぁ・・・「木陰」は「風」を呼び込むよなぁ・・・・・「木」って精気を与えてくれるよなぁ・・・・・「木」って好きだなぁ・・・・ ・。そんな感覚だった。

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