2011年05月01日
3・11以前のゴールデンウィーク
ゴールデンウィークがやってくると、旅に出たくなる。個人的で、もっとも大きな要因は、ここ大阪市内の生野区で生まれ、育ち、この場所を離れた最も長い期間が2ヶ月ほどしかなく、おそらくそれが原因だと思うのだけれど、時々、無性に、まだ見ぬ場所に憧れるのだった。それに、建築という仕事をやっていると、現場というのが、土曜日でも工事をしているので、連続して堂々と、皆で、一斉に休めるのは、お盆とお正月とゴールデンウィークぐらいなもので・・・、いや、実は、あれやこれやとそれらしい理由をつけて、旅に出ているだけで、旅そのものに麻薬的な魅力があるのだとおもう。
まぁ、そんな訳で、ゴールデンウィークに、どんなところに旅をしたのだろうかと振り返ってみようと思った。おそらく、振り返ろうという、そんな気にさせたのは、3・11の東北地方の大震災の影響だとおもう。このブログを書き出したのが2004年で、その2004年から2011年までのゴールデンウィークの旅を調べてみると・・・。2004GW「有田」・2005GW「東北」・2006GW「五島列島」・2007GW「直島」 ・2008GW「丹沢」・2009GW「北斎と富士とB級グルメの旅」・2010GW「北斎と諏訪と甲州と箱根」 だった。よく見れば、記録から欠落しているのは「東北への旅」で、2005年の3月から5月までの3ヶ月間ほどは、ブログを書く事を滞っていた時期だった。
そういえば、あの震災の直後に思いだしたのは、2005年のGWの東北への旅の記憶で、奥方も同じように旅の記憶を思い出したのだと言う。大阪から車で、猪苗代湖に行き、キャンプをし、磐梯山を巡って一気に北上して青森まで向かい。三内丸山遺跡を見学してから南下した。乳頭温泉に浸かり、遠野で偶然知った風力発電を見学し、宮沢賢治を訪れ、わんこそばを食べ、帰りには、初めて東京暮らしをする事になった長男の下宿を訪れた。そんな楽しい旅の記憶と共に、5月の大阪と東北の寒暖の差に驚き、花粉症なども併発して、体調を崩し、苦々しい経験が、身体の記憶に刻まれた旅でもあった。それでも、何時かは東北地方の太平洋側の海岸線を北上しようとおもっていたのだが・・・・。
2004GW「有田」
10年ほど前に長男と行った有田陶器市の楽しかった記憶が残っていて、その時は、有田から阿蘇へ行ってキャンプをした。この年は次男を連れて、下関と門司を巡ってから有田の陶器市で白い陶器ばかりを買った。会社で今使っている湯飲みは、その時買った、湯飲みだなぁ・・・・
2006GW「五島列島」
森小路教会を設計施工することになり、その勉強も兼ねて、というより、それをダシにして、五島列島の教会巡りをした。ほんとうに楽しかった。、機会があれば、また五島列島に行きたい。特に野崎島での記憶は鮮明で、強烈な印象が残る・・・・
2007GW「直島」
車中泊かキャンプばかりしてきた旅で、久しぶりにホテルに泊まった。泊まるのなら、オーバルかとおもって、チョイ見栄をはって宿泊したのだった。今までの旅では観光地で若者を見かけなかったが、直島は、若いカップルがいっぱいの観光地であり、何よりも、その事に一番驚いたし、若者を惹きつける建築力というものを考えさせられた・・・・
2008GW「丹沢」
次男が中学受験をする事になり、そのためにはゴールデンウィークも塾で勉強するのだという。お父さんが家でゴロゴロしていると邪魔なので、どこかひとりで遊びに出掛けてと奥方から申し渡された。それで、友人が山小屋を営む丹沢へ出掛けた・・・・
2009GW「北斎と富士とB級グルメの旅」
2004年以前は、「縄文の遺跡のある場所」というのが、個人的な旅のモチーフだったが、今までの旅と違う新たなモチーフが欲しかった。また、次男も中学生となり、一緒に旅行するのも、あと数回かと考えて、もう少しアカデミックな旅がないものかと模索しているうちに、好きな北斎をモチーフにして富嶽三十六景の描かれた場所を探す旅はどうかと思いついた、それにB級グルメも絡めてみようと・・・・・
2010GW「北斎と諏訪と甲州と箱根」
2009GW「北斎と富士とB級グルメの旅」が、バカみたいだが、かなり楽しかった。いや、楽しかったのは、「私」だけで、奥方と次男は、バカみたいな旅に付き合わされているだけやでぇ・・・と、ニコニコしながら言う。それに奥方は、年も年で、旅館に泊まらない旅は辛い。こうなったら、クラシックホテルを予約するので、それに合わせて、旅程を組んでね!という強い要望が出た。B級グルメはそこそこにして、建築を体験する事を付け加えた。今までで、最も密度の濃い旅だったとおもう・・・・。
2011GW
そんな訳で、今年はどうしようかと考えた。3・11以降のゴールデンウィークなのだ。それに、次男も子供から少年への道を歩み始めていて、それぞれが、それぞれなりの予定があるのだと言う。中学3年の次男曰く、「まぁ、しょうがないから、一泊二日だけ、お父さんに付き合ったるわ!」なのだそうだ・・・・・。
という事で、木村工務店のゴールデンウィークは以下の日程で頂戴致します。皆さんにとって、有意義なゴールデンウィークでありますように!
投稿者 木村貴一 : 2011年05月01日 23:54 « 印象が存在すると心の中の時空がゆがむのか。 | メイン | 穀雨 »