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2004年01月26日

上棟の一時

今日は、大安。
茨木で木造住宅の上棟があった。

床はコンクリートの基礎のまま。
構造用合板を代用してテーブルにし、
土台の上に材木を渡して椅子にする。
壁はなく、柱だけが林立する。
天井もなく木組みの梁越しに空が見える。
そんなシチュエーションでの上棟を祝うささやかな宴。

寒い、寒い冬の夕暮れなのに、
何とも言えないあたたかで、じわーとした喜びが湧いてくる一時である。

この一時を提供して頂いた施主への感謝の念と共に、
これから訪れる、ものづくりへの戦いを憂いながらも、
建物の無事竣工を素直に願う一時でもある。

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2004年01月25日

滋養

 日曜日の朝、大阪市内では珍しく、雪がぱらついた。
暖炉の炎、珈琲とジャズ、窓の外の雪と木、
暖炉の暖かさのそばでゴロンとしながら過ごす。
時にはそういう日も嬉しい。滋養にもなる。

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2004年01月22日

暖炉

 ここ2~3日、寒い日が続きますね。
ようやく冬らしい冬がやってきた感じです。

 寒い日の楽しみのひとつに「暖炉」があります。
暖炉の炎で顔が照らされるその顔が美しかったりするのですが、
炎で面(顔)が白くなるその様子が、まさしく面白い。です。
火を眺めているだけで、何となく力が湧いてきたりもします。
暖炉のそばで、あの独特の暖かさにつつまれて、
ごろっとしながら、うたた寝するのも最高です。

 しかし、そんな楽しみを味わうためには、薪を調達し、薪を運び、火を付けるという、 めんどくさくてしんどい作業である運動エネルギーを通じてしか、暖炉を快楽するエネルギーに変換されないことを思い知らされます。

 さてさて、暖炉を使っていると、皆はどんなやり方で火を付けているのだろうか・・・?と、ふと気になったりします。そこで、「私流」 薪ストーブの燃やし方を書いてみました。

「私流」 暖炉の燃やし方 をクリックしてご覧下さい。

 きっと、皆が皆、自分なりのやり方で火付けをしているのだろうなぁ・・・・と。
ちなみに、火付けの仕方に関しては、私とうちの奥方とでは少し違います。それぞれが、自分のやり方が一番だ。と思ったりしているので、 なんだか、笑えますね。

 丹沢(神奈川県にある山)で山小屋(堀山の家)をやってる友人がいます。
私も年に数回遊びに行くのですが、そこでは、薪ストーブは楽しみ以上の必需品です。薪割りも生活の一部です。そこでの火付けは、 なかなか難しかったりします。ストーブの種類・煙突の状況・薪の種類・薪の乾燥度・温度・湿度・風の強弱・・・。 様々な要因が作用するようです。

「暖炉に火を付けること」という、そのことから学ぶことが沢山あります。
木というもの、火というもの、風というもの、CO2、臭い・・・・。環境問題。
それに、めんどくささと快楽。

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2004年01月11日

お正月には凧上げて

 今年の大阪の元旦の朝は快晴で、暖かく、心地よい日和であった。
突然、次男(6歳)が凧揚げをしようと言い出した。手渡されたのは、紙で作られた奴凧ではなく、 ライフというスーパーで買ってきたドラえもんの絵が書かれたゲリラカイトだった。ちょっと味気ない気もしたが、 新聞紙で足を作る必要もないので、気軽に応じて、会社の屋上(3階)に上がり、50mの凧糸をドラえもんの凧にくくりつけた。

 穏やかで、真っ青な空、そして優雅な雲、東側に見える生駒さんの方角には月も浮かんでいた。伊丹空港に向けて、 高安山のあたりから着陸態勢に入る鮮やかな飛行機が何台か通過した。西の大阪湾から東の生駒山に向けて頃合いの良い西風が吹いていた。 気楽に凧を飛ばしてみた。すると、みるみると凧が揚がっていった。次男が興奮して「上がった上がった」と叫んだ。彼にとっては、 初めての体験だった。いやぁ、ほんとにみるみると上がっていった。予備に持ってきた100mの凧糸を慌てて繋いだ。 あっという間に糸を使い切ってしまった。

 糸に伝わってくる「風の力」が強くて一緒に飛ばされてしまいそうな感じがして恐ろしくも感じるのだが、その風を感じているという、、 そのことが、ほんとうに心地よかった。まるで凧糸が自分のへその緒のような感じで凧と繋がり、自分自身が大空に飛んでいるような感じだった。 何よりも、冬の澄んだ青空に浮かぶ凧の姿と、着陸態勢に入っていく飛行機の姿と、昼間に浮かぶ月のコントラストが絶妙だった。そして、 遠くにビルが建ち並ぶ姿と足下に連なる長屋の屋根の姿を居心地良く眺めた。

 次男が凧糸をつかんで興奮している・・・・。
「うわー、おもろいなぁ・・・・」
「気持ちええなぁ・・・・」
「楽しいなぁ・・・・」
「飛行機にぶつかりそうやナァ・・・・」

 携帯で、妻を呼んだ。凧の姿と次男の喜ぶ様子を見て嬉しそうだった。
長男(17歳)も呼び出した。次男とけんか腰で凧糸の取り合いをしながら入れ替わった。
「凧揚げってこんな面白いもんなんかぁ・・・」
「風の力って凄いなぁ・・・」
「凧揚げって、生まれて初めてやぁ・・・」
「何時間でもこうしてられるなぁ・・・・」
そう言えば、長男が小学生の頃はバブル期でもありコンピューターゲーム真っ盛りの頃だった。一度も凧揚げをしたことがなかったなぁ・・・。

 私の父や母もやって来た。久しぶりに大空に上がった凧を見て、嬉しそうだった。父と母が凧糸を持った。 年甲斐もなく興奮して大騒ぎをしている。思い返してみれば、私が小学生の頃にも、同じように、この場所で父に凧揚げをしてもらったのだ。

  糸を通じて伝わる風の力・・・・・。

 自然の力を五感で感じる瞬間は、ほんとうに心地良い。
私達が造る建築も「光」や「風」や「臭い」を五感で感じられる住まいでありたいと願う。

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2004年01月07日

会社の年始

 1月6日、木村工務店の年始は清見原神社にて参拝することから始まる。
清見原神社は大阪市生野区小路にある神社で、昭和30年頃から私達が神社の工事に携わらせて頂いている地元の神社だ。
http://www.syoji.jp/kiyomihara_j/
http://www.kamnavi.net/en/settu/kiyomihara.htm
http://www.kimuko.net/home/sekourei/kiyomihara/kiyomihara.html
http://www.kimuko.net/home/rireki.html

 当社の社員や大工さん、 当社に出入りしている左官屋さんや電気屋さん等々の専門工事業者の社長さん、 営業担当の方々が40名ほどが集まり、拝殿にて玉串を奉り、 二拝二拍手一拝の作法で拝礼する。
この二拝二拍手一拝という作法も不思議な作法だが、兎に角、その動作を通じて、ともすれば忘れがちな、「祈願」 というものを神聖な気持ちで呼び覚ましてくれるので有り難いことだなぁと思う。

 ところで、毎年のこの参拝での個人的な楽しみは、巫女さんが手にもって鳴らす神楽鈴(小さな鈴を山型に並べた鈴)だ。 頭の上をシャラシャラシャラとされる、その時の音と心地良さがなんとも言えず好きなのだ。家にもひとつ欲しいくらいだなぁ・・・・・ <(_ _)>

 参拝の後は、お座敷に場所を移して新年宴会をする。今年は社員・職人・専門工事業者、総勢61名で、 鍋を囲んで賑やかに一年の幕が開けていく。20代から70代までの各世代が集い、建築というものづくりををする仲間として、一緒に食べ・ 飲み・語る。この新年会を通じて、今年もまた、ものづくりを一緒に頑張ろうと励まし合うのだった。まぁ、中には12時間近くも飲み続け、 延々と励まし会い続けている輩も数名ほどいるのだが・・・・。

 今年の清見原神社の参拝では宮司さんから「本殿に目を向け、手を合わした気持ちと同じ気持ちで、ともすれば忘れがちになるお客様に、 本殿とおなじような目を向けて下さい。」とのお言葉をいただいた。

 ほんと、そうありたいものだなぁ・・・・。

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2004年01月02日

座敷でおとそ

 毎年、1月1日の朝は、実家の「座敷」で「おとそ」をする。
まぁ、実家と言っても庭を隔てた向かいに建っているので、「すぐそこ」なのだけれど、それでもなかなか行く機会がない !(^^)!。
ましてや「座敷」は1年に1度だけ訪れる、まさしく、「ハレ」の場になってしまった。

 その「座敷」は祖父が「大工一代の平田雅哉」さんhttp://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0531.htmlの兄弟子にあたる庄司さんというおかかえの大工さんに仕事を依頼した。
 私が小さい頃は、長屋の中にその座敷が組み込まれてあったが、父が新築に建て替える時に、 今もうちで仕事をしている宮崎さんという大工さんに移築を任せた。

 最近は私達が新築する家には、座敷と言われるようなオーソドックスな和室を造る機会が、ほとんどなくなってきてしまった。
しかし、一年に一度その「座敷」で、私達の家族4人と両親と祖母の7人が「正座」をし、「あらたまって頭を下げ」、新年の挨拶をし会う。 その行為と場を通して、神聖な気持ちがわきき上がるとともに、伝統というものや祖父に感謝する気持ちもわき上がったりする。

 そういう貴重な瞬間を提供してくれるのが実家のその座敷であるが、 そんな座敷も普段は実家に里帰りしてきた妹家族の荷物置き場になっていたりするのである・・・・・・(^^)。

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2004年01月01日

新年明けましておめでとうございます。

 新年明けましておめでとうございます。
昨年は多くの方々にお世話になり、誠に有り難うございました。
本年も変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

 この大晦日は、数年ぶりに「紅白歌合戦」を見ました。
曲や歌手の好き嫌いは別にして、皆が皆、ほんとうに熱唱している
その姿を見て、なんだか、熱い思いをもらったようで、けっこう良
かったなぁ・・・と。

 行く年来る年の除夜の鐘を聴きながら、本年も率直で誠実な態度
で建築を造り続けていきたいと願う新年です。

 本年もよろしくお願い致します

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