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2007年01月28日
土地さがし
「土地探しのお手伝いをします」という事で、今日は弊社で相談会を実施した。日曜日の一ヶ月に一度だけ、 土地探しと設計相談会を催しているのだ。土地だけでなく、リフォームをする予定で最初から中古住宅を探す場合もある。本日は、西宮北方面、 堺・河内長野方面、生野区小路界隈、仁川界隈と、実に多方面にわたった。今までも何人もの人たちと相談させていただいているのだが、 なかなか、見つからないのが実情だなぁ・・・・・。
勿論、不動産会社に依頼をするものの、最終的には自分の足で稼いで、探しあてた土地に決まる場合も多い。そんな土地に、 自分のおもいのかなった家が建てられるかどうか、それとも感じの良いリフォームができるかどうかを購入前に一緒に見に行って、 話し合たりするのだ。仮に、良さそうな土地や中古住宅があって、一緒に見に行ったとしても、その家が完成するまでには、けっこう、いやぁ、 かなりの時間がかかるなぁ・・・・・。まぁ、それでも例えば、中古住宅を購入してのリフォームは神戸のT邸とか、 新築では、東成のK邸とか、 その他、数えてみればそれなりの数をやっているものだなぁ。
そうそう、昨年末に3年半ぶりぐらいに神戸のT邸にお邪魔すると、 初めて一緒に中古住宅を見に行った時には、まだ、ご夫婦には子供さんの影も形も存在していなかったのに、その日の奥さんのお腹は、 もうすぐ赤ちゃんが産まれるかも・・・、という様子だった。そして、後日、女の子が生まれたという報告を頂いた。 月日の流れというものを感じてしまう。
その家では、一度リフォームした後に、予算の都合もあって、二年ほどしてから外構周りを改修した。 リフォームの場合は、徐々に造っていくという考え方も、それはそれで、楽しいものだなぁ・・・とおもう。常に未完成の家で、 いつかひょっとして、完成するかもしれない・・・という家だ。そんなのにもやっぱり、憧れてしまうなぁ・・・・。
なんで、こんな話になったのか思い出した。つい先日、R社から電話がかかって、以前、R社の住宅情報誌に掲載された神戸・ T邸をもう一度掲載したいので、よろしくお願いします。という内容だった。それだけ、「中古住宅を購入してリフォームをしたい」 という要望がけっこうあるのだなぁ・・・・・・。
2007年01月21日
価値
日曜日の今朝、新聞を見ようとした時だ。「はい、昨日の朝刊」と言って、2冊の新聞を渡された。そうそう、 昨日の朝は新聞が遅れたので、見れなかったのだ。この頃ちょくちょくある。折り込みの数が多い日とか、雨の日とか、 朝の7時になっても到着しない時がある・・・・。その日、奥方が2階の窓から外を覗くと、若い新聞配達員が、 涙を拭きながら遅れた新聞を配っていたのだとか・・・・。
最初の一、二回は文句も言ったのだけれど、最近は、まぁ、ええかぁ・・・ってな気分にもなってきた。雨の日の朝は、 今日も遅れるかなぁ・・・・・、大丈夫かなぁ・・・と、こちらまで心配になってくる。私は、その配達員の顔も姿も見たことはないのだけれど、 頑張って欲しいなぁ・・・なんておもう始末だ。おそらく、私の内面の中では、インターネットでニュースが見れるので、まぁ、ええかぁ。 という気分になっているのかもしれない。いやぁ、それとも、経営者という立場から考えて、微妙な心理状態になっているからかもしれない・・・ ・。
そういえば、年賀状の配達も遅れ気味だったなぁ。建築の世界でも同じような傾向にあるのかもしれない・・・。 社内にだってそんな部分がないわけではないのか・・・・?と反省してみた。これは一体何だろう・・・。責任感というものの欠如なのか。 プロ意識の欠如なのか。社会全体にそんな何らかの因子があるのか・・・・。と考え事をしながら新聞を眺めると、 テレビの納豆騒動の記事が一面を大きく飾っていた。
こういうのを価値の捏造というのだろうかなぁ・・・・。建築の世界にも多々あるのかもしれない・・・・。そうだ、 構造偽装も同じジャンルだな。う~ん、断熱の様々な工法や良い家とは・・・。なんていう話なども、価値が捏造されていないのかどうか、 あらためて検証してみても良いのかもしれない・・・・。
そうだ、先月号の新建築住宅特集という雑誌に内藤廣さんという建築家が造った家と文章が掲載されていた。そこには『・・・・(中略)・ ・・・・だから、建物の中に設計者の意図や意識が混ざり込むことは出来るだけ避けたい、と考えている。 デザインを意図的に後退させること、こだわりすぎないこと、価値を捏造しないこと、やりすぎないこと、 可能であれば未完成のまま投げ出すこと、建物として無理をしないこと、機能にしたがって淡々とつくること、意識的に凡庸であること、 などを心がけるようにしている。要約すれば「意図的に無為であること」となる。モノをつくりつつ、意図的に無為であることは難しい。 クリエイティビティから距離をとりつつ、さりとてモノづくりとしての緊張感だけは保持しなければならないからだ。・・・・(中略)・・・・』 という文章があって、それを思わずおもい出してしまった。納豆騒動とその文章が妙にシンクロして、 うちの工務店の造る住宅もそうありたいものだなぁ・・・・なんて、思い描いてみたのだ。
2007年01月14日
この一週間
もう、一週間が過ぎた。あれぇ、今週、一体、何をしたのかなぁ・・・・。そうそう、月曜日は成人の日だった。毎年、あまり、 感じることもなく過ぎていくのだが、 今年は、長男の成人式だった。式の後、小学校の時の同級生が家に集ってきた。、いやぁー、皆、 大きくなったなぁ・・・。 「おっちゃん、前、テレビで見たでぇ・・」、「ホームページも見たでぇ・・」そういやぁ、、 彼らが小学生の頃は、 まだ、 リフォームする前の家だったよなぁ・・・。「皆で、記念撮影しようかぁ・・・」「ええけど、 ホームページにちゃんと掲載しといてやぁ・・・ 」「よっしゃぁ、わかった」。・・・・・。
自分の成人式の時を思い出してみる・・・・。さしたる記憶がない・・・。まさか、その当時、いま、こんなふうに、 工務店のブログと称しながら、自分の事を書いたりしている・・・。な~んて事が想像できるハズもないよなぁ・・・。親の工務店に入社して、 結婚して、子供が出来て、リフォームして、ちょっとテレビに出て(ちょうど、さっき、ビフォーアフターのテレビを久しぶりに見たところだ)、 インターネットして、ブログ書いて、工務店の社長を継いで・・・・。二十歳の時に想像してみた人生なんて、どうなるかわからないよなぁ・・・ ・。
振り返ってみれば、さしたる、大きな夢があったわけでもなく・・・。それでも、出来るだけ、目の前の出来事を受け入れて、それなりに、 意識的に生きようとはしてきたのだけれど・・・・。眠りこけたり、避けたりしたことも数知れず・・・・。流れに逆らおうとしたり、 意識的に流れに身をまかせたり・・・。 まぁ、そんなこんなで、いま、こうして、ブログを書いているわけで・・・、そして、 それは工務店というものが、いまの私の生活の大部分を占めているわけで・・・、いま、それを、ここで、心して生きよう・・・。 としているのだなぁ・・・・と、息子とその友人達の成人式のおかげで、再考させられた。まぁ、ありがとう。とでも、 言っておこう(*^_^*)
そうそう、この一週間の話だ。火曜日以降が本格的に仕事のスタートだったなぁ・・・。 先代から続く古いお得意先に新年の挨拶に行ったり・・・・。お客様との打ち合わせも始まったり・・・・。そうそう、木曜日は何十年も前から弊社の建築確認申請を手伝ってもらっていたT田さんが、 31日の大晦日に急死した。と奥様と娘さんが挨拶に来られた。なんでも、自分の設計事務所で、 ひとり安らかに息をひきとったと・ ・・・。よく、舞台で死ぬのが本望だ・・・。なんて言う話を聞くが、 図面を書くのが何よりも好きだった人が、 仕事場で死んだのは、それなりに、本望だろうなぁ・・・・。ここ半年、糖尿病を患って、 暫く会っていなかったのが悔やまれる。 合掌。
そういやぁ、昨日は上棟式もあった。初めてお会いしてからここまで(上棟まで) は長~いよなと、どの家でも、いつもいつも、同じように思う。そして、これからが本番だよなぁ・・・、 気を引き締めてやらんとあかんなぁ・・・とも思うのだった。
冬の乾いて晴れわたった空。日が暮れる早さに追われながらの化粧垂木の仕舞い。 木組みという構造が素の状態で見える上棟には、独特の喜びがあるよなぁ・・・・。これは、いったい何だろうかナァ・・・・。と、 何回上棟を経験しても、いつも湧いてくる不思議な喜びだとおもう。
上棟の宴での大工とお施っさんと私たちが交わって、たわいもない話をしながら、歓談するひと時の、大工の微妙な笑顔が好きだ。 そこには上棟の嬉しさと同時に、これからの自分のしごとに対する責任感が入り交じった、 喜びをちょっと抑えた微妙な笑顔に感じられるのだった。
それにしても、今週を振り返ってみれば、息子の成人式によって、「人生って」と考えさせられ・・・ 。 若い時から仕事でたいへんお世話になったT田さんからは「死に方」を考えさせられ・・・・。お施っさんからは上棟の「祝福」を頂き・・・と。 やっぱり「ありがとう」 という言葉がふさわしいなぁ。
2007年01月07日
一年の始まり
「新年明けましておめでとうございます」と、あらたまって、お辞儀をする時、なんで、照れくさいと思うのだろう・・・・。 そんな去来する微妙なエゴを脇に追いやって、「礼」をすると、何だかすがすがしい。人と人の間に潤滑剤のようなものがすーっと流れて、 エネルギーも、じわーっと流れ出す。
木村工務店の一年の始まりは、1時間ほど、全員で、新年の抱負を語り合った後、地元の清見原神社に参拝する。社員と業者の方々でお払いを承け、 御神酒を頂戴する。教会の葡萄酒も同じだそうだが、神の気が触れたものが「酒」だというのが、面白いよなぁ・・・。そんな「気」 を頂戴するのだった。
今年の宮司さんからのお言葉は、
「糸が合わさって紐になり紐が合わさって縄になるように皆の力が合わさって、しっかりとしたものが造られていく・・・・」
というような内容だった。確かに、お客様の家造りを実現させるべく、多くの職人さんや現場監督、設計者がひとつになって、
家が造られていくものだなぁ・・・・・。安心できる家造りと家であるべく、皆で力を合わせたいものだ。既に家を建てさせていただいた皆さん、
工事中の皆さん、そして設計中の皆さん、また、これから家造りをお考えの皆さん、家造りとは全く関係ないけれど、
ブログを読んでいただいている皆さん、本年も宜しくお願いします。
神の気を頂戴した後に宴がある。なんでそんな習慣が生まれたのか、不思議だが、そんな伝統はしっかりと受け継ぎたいものだ。なにはなくとも、
新年のはじまりに「笑い」は必要だよなぁ・・・・・。ともすれば、このまま休みが続いて欲しい・・・・。仕事するの、ちょびっと、イヤかも・
・・。ていうような、欲深い気持ちと内向きにたまったエネルギーにお別れできるのも、「宴と笑い」のおかげかもしれない。社員、大工、
手伝い、協力業者、皆のエネルギーが渦になって、いっきょに外に向かって流れ出すのだった・・・・・・。
親子兄弟姉妹が全員集まるのは、お正月ぐらいのものかなぁ・・・。 親兄弟を含めた家族での一年のはじまりは、座敷での「おとそ」だ。確か、以前にも書いたっけ。一年に一度だけ座敷に座ると、 日本建築ってええなぁ・・・と思う。造った大工と左官、それに木、それらに、ひとの息づかいのようなものがあって、 身が引き締まる。日本の伝統建築も素直に受け継いでいきたいなぁ・・・と、おもうひとときでもある。
最近、「おせち」が面白い。何十万円もする高級店のおせちはすぐに売り切れるらしい。勿論、 奥方が家で作ったおせちも素晴らしいのだが(ブログを書く時もそれなりに、気を使うのだなぁ・・・)、それぞれの店によって、 素材と味付けに、かなりの個性の違いがあって、来年はあそこの、おせち買ってみるかぁ・・・て、 皆で意見しあいながら食べるのもひとつの楽しみだなぁ・・・。
もうひとつのお正月の行事は、ほとんど毎年のように行くスキーだ。もう20歳にもなる長男が唯一、 一緒に旅行する可能性があるとすれば、スキー旅行の時だけだ。きっと、ただで、スキーできるなら、まぁ、 付いていってもソンないかぁ・・・っていう事なんだろうなぁ。私にとっては、自分の体力(耐力)を確認し、 エネルギーを外に向けて発散させる一年のきっかけなのかもしれない。自然の空気をいっぱい吸って、 呼吸量が倍増するのもこの時ぐらいかな。年間滑走日数は多くても5日ほどだろうなぁ・・・。
いつまでたっても、上達はしないけれど、年齢差を超えて、家族が一緒に楽しめるスポーツって、 スキーぐらいかなぁ・・・?。まぁ、そんなわけで、結構、年を重ねている奥方も一緒に滑る。といってもだ。今回など、 ゴンドラリフトに乗ろうとしたその時だった。5分間ほど並んでようやく、ゴンドラに乗ろうとしたその時だ。 ゴンドラのドアーにスキーの板をさそうとしたその時だった。あれぇ、スキーの板がない・・・と言い出すのだ。 両手にストックだけをもっていて、スキーの板を持ってこずに、ずーっと並んでいたのだぁ・・・。スキーの板がなぁいーーだって、 ふざけんじゃぁねえよぉー・・・・と、お笑いのマチャマチャのフレーズが思わず浮かんだ。あげくのはてはだぁ、何でぇ、 板持ってないのを注意してくれへんのよー!!っと、怒られる始末だぁ・・・。まぁ、お互い、 その程度のスキーヤーなのだと理解して欲しい。コンドラの中でその可笑しさに笑いまくった・・・・・・。
そんな、ええ加減スキーヤーの私たちが、いろいろな人との繋がりと縁で、1日だけ、スキーを習う事になった。もと、 デモンストレーターで、デモ選の選考員もしていたという、指導員の指導ををしているというK藤さんという人だった。家族で教わった。 といっても、厳しい指導を受けたのではなかった。楽しく一緒にスキーを滑ったのだ。何本も何本も一緒にその人の後に続いて滑った。一瞬、 自分が巧くなったのでわーと、錯覚してしまうほどだった。
ムダな力がいっぱい入っているらしい・・・。力が逃げているらいし・・・・。力が逃げないように耐えなければいけないらしい・・・・。 板の性能に頼って、自然に曲がるのを待って許さなければいけないらしい・・・・。センターにのっていること・・・・・。 足の裏全体を感じること・・・・・。美しいものにはムダな力がない・・・・と。一緒にご飯を食べたりしながら楽しいひと時を過ごした。
そうそう、そう言えば、コンドラの頂上から弘前平野を眺めた時、あそこに、レーダーが設置され、パトリオットミサイルが配備され・・・ ・と。例の北朝鮮の問題があって、ほんの数週間で建物が建ち、米軍が来て・・・・と、教えてもらった。
地球温暖化。暖冬。スキー客の減少。外資系の経営者によるホテルの再建。地方の町には若者の就職先がない・・・と。 どの地方に行っても同じような町並みとおもちゃのような家・・・。大阪も含めて、どの地方にも活気がないのかね・・・・。まるで、東京が、 夢を食べて育つ強大なバクのような都市に思えてきた。普通の農家の人。普通の漁民じゃぁやっぱダメなのかね。やっぱり、 大きな夢が必要なのかね。流れにまかせて生きるのはダメなのかね。普通の家造り。普通の工務店。普通の現場監督。 それでは生きていけない時代なのかね。何だかちょっと寂しいなぁ・・・・。なんて、ホテルの部屋の椅子に座って外の景色を眺めながら考えた・ ・・・・・。
あらためまして、本年もよろしくお願い致します。
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