2014年04月06日
「桜」と「行動」
庭に枝垂れ桜があって、なんでも、私たち夫婦が結婚するにあたって、結納を交わすことになり、そのために、奥方の家に、うちの両親が初めて訪問し、その帰りに、ふと立ち寄った富田林の植木屋さんで、うちの親父が、膝ぐらいの高さの枝垂れ桜を1000円で買った。そうらしいなぁ・・・と親父に話すと、そうやったかなぁ・・・というぐらい、枝垂れ桜と婚約の関係性はまったく曖昧で、深い思い入れはなかったそうで、とにかく、そんな縁で、枝垂れ桜がうちの庭の片隅の片隅に植えられたのが30年ほど前の出来事。
20年ほど、その枝垂れ桜が開花した記憶が全くなく、それぐらい開花もせず、どこに植えられていたのか記憶すらなかった桜の木が、14年ほど前に、庭の植木を綺麗にすると言い出したのは親父で、それで、祖父が気に入っていた「楠」はそのままの居場所に大切に残されて、その場所と「対」になるような位置関係に、枝垂れ桜が移植された。目立たなかった枝垂れ桜が枝垂れ桜らしい枝垂れ桜になるように、海平造園のウミヒラさんが丁寧に剪定を始めてくれて、そのお陰で、2004年から、社員と大工と手伝いさん30名ほどで、花見の宴を催せるほど開花するようになり、それが、毎年恒例の「枝垂れ桜花見の宴」として、今に至る。
この4月4日金曜日の夜はとっても寒い、花冷えの花見の宴で、ちょうど2週間ほど前から体長を崩して入院中の親父が、わざわざ外出許可をもらって、ほんの数十分だけ、皆と共に花見の宴を楽しんだのだけれど、それにしても、木の力それも桜の木と人間との関係性は、面白いなとおもう。毎年の桜の開花を多くの人が待ち望み、その春の楽しみのために、桜の木を植えて、育て、維持していく人たちがいる訳で、うちの桜だって、垂れ桜を楽しもうと、強く思う親父がいて、それを育て維持管理をする海平造園さんがいて、その満開を皆で楽しみながら宴を催そうとする、私や社員や職人さんたちがいて、そんな人と桜の木が織りなす関係性が、様々な「行動」を人にとらす訳で、今年の親父と桜の関係性を垣間見ていると、桜にも感情があるのなら、きっと親父と「二人」で、ひそひそと感情を通わせながら、開花を喜び合っていたに違いない・・・。
本日の日曜日は、「輸入壁紙によるエコバック製作」のワークショップがあり、満員御礼の参加者の皆さんに感謝申し上げるとともに、3月2日の絵本ワークショップ以来の、久しぶりのワークショップで、こちらこそ、新鮮な気持ちになって、多くの参加者の皆さんと楽しい時間を過ごせて、なんだか皆さんに一緒に遊んでもらったような、そんな感じ・・・。そうそう、ワークショップの前に早朝、自転車に乗って十三峠を往復して、もちろん、体のためだと称しながら、花冷えで寒くて、それに雨が降りそうな中途半端な朝で、ワークショップもあり、止めても良さそうだったが、黄色い花と山桜の色づく山景色を見てみたいという、大きな衝動があって、気がついたら布団をはねのけて「行動」していた・・・。
ワークショップの詳しい様子は「まちのえんがわ」ブログに譲るとして、うちの庭のお花畑を植えてくれているガーデニングのタマンサリの山田夫妻がワークショップに参加してくれていて、それで、参加者の皆さんに、うちの庭の桜とお花畑を急遽、案内することにした。散り始めた桜とチューリップの花など花々が「私」にこんな「行動」を取らせた訳で、きっと全国各地で、様々な「桜」が様々な「人」を様々に「動」かしているのだろうなぁ・・・・。
投稿者 木村貴一 : 2014年04月06日 23:59 « 衣食住の「食」 | メイン | 川から海へ »