2014年05月11日

巡礼のような。

どことなく「ハラ」に不安のようなものと一抹の寂しさのようなものがある、そんな喪主としての葬儀が終わってから一週間が過ぎた。携帯電話のアドレス帳のデータが飛んだりし、なんか、「へん」な物事が起こったりするのも世の常なのだろう。

ゴールデンウィーク中の5月4日日曜日の早朝は、5月2日の葬儀後の個人的感情問題には、全く関与しませんわ。と「天」に言われているような、あまりにもエエ天気で、それで、その空気感に従って、普段と同じようにサンデーモーニングライドをする事にした。ただ、いまの状況を考慮して、家→十三峠→唐招提寺→薬師寺→大和郡山→慈光院でお抹茶を一服→法輪寺→法隆寺→藤ノ木古墳→カフェファンチャーナでモーニング→龍田大社→八尾寺内町→久宝寺緑地→「まちのえんがわ」 と、走ってみたら84kmほどになっていた。それにしても、朝一の誰もいない、ひとりっきっりの慈光院での、十二帖の書院から眺める、大和の景色と、心地良い風が吹くすがすがしさと、ほろ苦い一服の抹茶の味が、その日の「私」の心境にとってもフィットした、そんな追悼ライドとなった。

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ゴールデンウィーク明けには、父が関係していた生野区役所や各種団体の方々に、ご焼香へのお礼の挨拶に廻る。警察署にも寄って、死期を早める原因になった、高齢者の運転免許更新で、どうも、自分が思い描いていたほど、運転がうまく出来ず、ほんとうに体力のないことにも気付いて、少しショックな表情で帰ってきた父は、その足で警察署に寄って、免許書の交付がされたかどうか確かめて受け取るコトをせず、そのまま家に帰って、その5日後に息を引き取った。それで、ほんとうに免許が更新されているのかどうかが気になっていたので、警察署に寄って、お聴きすると、確かに、平成29年3月まで有効の免許書は交付されていますが、本人が死去されていますので、免許書をお渡しする事は出来ません・・・と云われた。仏前に供える記念として置いてあげたいという気持ちが、ほんの一瞬だけ過ぎったが、それより、なんだか、とってもすがすがしい気分になって、良かった良かったよう頑張った。と、心の中で、呟いていた。

そうそう、それより、警察署に一緒に付き添ってくれはった、区役所の女性の方が、その免許書の交付の一連の出来事に、警察署の前で涙してくれた姿に、ほろりときた。なんでも、父が、がん療養中に市民表彰をもらう事になって、もうしんどいから出席せえへんわ。と言っていたのを、その表彰式にずっと付き添って、表彰状の授与を介護してくれたのが、その女性だと知って、深々と頭を下げずにはおれなかった。人生とは摩訶不思議なものだな・・・とつくづくおもう。

本来なら、ゴールデンウィーク中に、丹沢にある山小屋の「堀山の家」に行く予定で、30年来の年上の友人が小屋の親父として営む小屋でもあって、そういえば、雑誌BePalのニッポンのベスト山の宿の表紙にもなった小屋で、そこにはオトナの隠れ家的宿と持ち上げられていて、その身内のような「私」としては、嬉しいような、こそばいような・・・。ま、それはともかく、ほとんど毎年のように訪れていたが、流石に、この状況下では、行く気にもなれず、その旨を山小屋の友人たちに伝えていたら、その堀山の家の親父が、この週末に、お悔やみのために、突然、大阪にやってきてくれたのには驚いた。

今日の日曜日は、全く予定がなく、葬儀に関することが一段落ついたエアーポケットのような日曜日でもあって、それに、あの一週間前の日曜日と同じように、とっても心地良いエエ天気で、そんなこんなで、堀山の家の親父と一緒に、大阪の町を案内がてら歩く事にした。「まちのえんがわ」から歩きだして→ 地元、清見原神社 → 今里新地 → コーリアンタウン → 鶴橋の跡 → 鶴橋商店街 → 商店街の喫茶店ログハウスで珈琲とミックスサンドを食べ → 鶴橋から環状線に乗って大阪城公園駅で降り、偶然、水上バスの発車アナウンスを耳にして、船で大阪城中之島めぐりで周遊する事にした。元の場所に戻って、大阪城天守閣に行って、難波の宮 → 暗峠街道 → 延々と続く東成商店街 → 深江郷土資料館で菅笠を見て → 高井田 → 布施商店街 → 「まちのえんがわ」と約28kmの道のりで、実際に歩いた距離は16kmほどだろうか・・・。

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ミナミやキタやアベノではない大阪のマチを一緒に巡りながら、あれやこれやと語らい続けた。そういえば、ゴールデンウィークからの一連の出来事が、とりとめのない巡礼のような気がしてきた。いや、なぜか、「巡礼」のごとくなってしまうのが、「私」のいまここの置かれた状況なのだろう・・・・。

投稿者 木村貴一 : 2014年05月11日 23:59 « 結婚指輪 | メイン | 生きる姿勢 »


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