2012年01月22日
お餅つきと日本的文化
朝、目が覚めると、午前9時を回っていた。何だか、腰が重たい。それに、ちょっと痛い。なぜなのか一瞬思い出せなかったが、そうそう、昨日、会社でお餅つき大会をして、「私」にしては、それなりに、かなりのお餅をついて、杵を振り上げては降ろし振り上げては降ろしと、けっこう楽しんだのだ。それが原因だなぁ。布団から起きて立つと、太ももにも張りがある。日曜日の朝の午前6時頃からのランニングのコトなど、問題外の状況で、走る気などまるでなかった。
そういえば、もともと社員の家族が集まって、うちの庭で始めたお餅つきも、社員の家族だけでなく、OBのお施主さんで、小さな子供さんがいらっしゃる方を中心にして来てもらうようになり、雨天の事なども考慮して、会社の加工場で催すようになった。昨年は、現場監督のナカタさんの突然の訃報で、急遽お餅つきを中止したし、それにあの震災もあって、日本国内もうちの会社も不穏な2011年だったとおもう。
心機一転。
Go Ahead 2012。
昨年の暮れに、「まちのえんがわ」という路面店をオープンしたこコトもあり、このお餅つきも、「まちのえんがわ」プロジェクトの一環として、また、これから始めていく「ワークショップ」の景気づけの役目も担いながら、なによりも、お餅つきという日本的要素をたっぷりと含んだ文化というものの継承と伝達のためにも続けていこうとおもう。
お餅をつくまでの、いわゆる面倒くさい準備があって、これが、ものづくりのプロセスと同じく、これも面白いのだ。とおもえる中年がいなければ、成り立たないのがお餅つきだとおもう。お餅をつくための杵や臼だけでなく、お米を蒸すための道具やお餅を丸めるための道具立てなどなど、うちは昔ながら、竈でお湯を沸かし、竈で蒸すので、そのために建築廃材を薪として使うこともあって、それらの段取りも中高年がする・・・。
そうそう、竈の「火」の側は人気の場所で、火を燃やし、火を見て、火の熱さや臭いを感じる。という行為の中には、不思議と癒される何かがあって、その側には何人かがたむろし、何気ないコミュニケーションが発生する。竈で火を燃やすというのは、お餅つきでの何よりもの楽しみのひとつだなぁ・・・・。
今朝、「まちのえんがわ」スタッフのアオキさんと顔を合わすと、社長、昨日、元気ですね。お餅、ちょっと、つきすぎですよ。きっと明日は足腰パンパンになってますよ。と、皆で話していたんですよね。と云われる。いや、全くそのとおり、少々パンパン、少々腰痛し、とカミングアウト。まぁ、でも、よくよく考えて見れば、今までは、何人かの年寄りの先輩達にお餅つきを指導をしてもらっていたが、今年からは、若手が積極的にお餅をつくようになって、賑やかで、威勢が良くて、活力があって、楽しかった。きっと若い人たちから元気をもらったのだとおもう。ありがとう!
そう考えて見ると、活力そのものが、お餅をつくるためのエネルギー源であって、活気が、杵と臼の間に挟まれた餅米をお餅に変容させるわけで、そうやってついたお餅には、活力パワーが宿っているのだ。と信じてみようかとおもう。いや、確かに、今朝食べたお餅は、特別美味しかったような気がするのだ・・・・。
基本的には男子がお餅をついて女子がお餅を丸めるわけで、そういう協同作業の中にも、日本的文化の何かを垣間見る。何人もの家族がお子さんと一緒にお餅をついた光景は、確かに微笑ましかったし、そういえば、現場監督のモリタくんの奥さんがお餅をつき、それを見守る娘さんが、お母さんに「頑張って!頑張って!」と声援を送りだし、それを笑顔で見守るお父さんと周囲のひと達。加工場中に、なんとも言えない暖かいムードが漂う瞬間でもあった。「子供力」だなぁ・・・・。それで、これ以降、皆がこれを真似て、おっさん声の「頑張って頑張って」コールが加工場内に響き渡る。
それにしても、何よりもお餅つきで面倒なのが後片付けという作業で、しかしながら、ものづくりのプロセスでは、必ず必要で、また一番大切なコトのひとつ。この面倒くささを軽快に乗り越えられるのがどうかが、お餅というものづくりを継続するコツなのだろう・・・。幸いにも、社員とその家族の皆さんが後片付けを気持ち良く手伝ってくれて、心地良く2012年のお餅つきを終えるコトが出来たのも、とっても嬉しい出来事だった。
ちょっと面倒で、それゆえに独特の楽しさがある、「ものづくり」と「そのプロセス」。その一端を知り、学び、遊ぶ場としてのお餅つき。参加して頂いた、まさしく、老若男女の皆々様に感謝すると共に、お餅つきという日本的文化にも感謝しておこうかとおもう。
PS
このお餅つきのあと、「音宴」という温熱のノイケさんを中心とした仲間でのお遊びが、木村家本舗であって、それが深夜まで続いたのが、朝、起きられなかった原因だな・・・。その様子は、また何時か。
投稿者 木村貴一 : 2012年01月22日 23:58 « 音タク(オタク) | メイン | 写真力 »