2013年08月04日

ものづくりのパワースポット


まちのえんがわ地図3

「まちのえんがわ」を生野区で3カ所つくるプロジェクトが進行中で、その「まちのえんがわ」どおしを道で結ぶと、それなりの生野区周遊路になりそう。散歩したり、ウォーキングしたり、ランニングしたり、サイクリングしたり、買い物したり、お茶したり、と、ま、そういうのが、町歩きの楽しみ方のひとつなのだけれど、生野区には長屋の1階を土間にして、そこに機械を入れ、ものづくりをしている会社がたくさんあって、子供の頃は、そんな町工場で働く人たちを眺めながら遊んだものだ。そんな「ものづくりを」見学できるチャリンコツアーができないものかと・・・。

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7月31日水曜日に、「まちのえんがわ」生野区プロジェクトの関係者が、『「まちのえんがわ」いたや木材』さんに集合して、チャリンコツアーを試走してみる。最初に遭遇するのが「つるはし跡」で、

「日本書紀には『仁徳天皇14年冬11月、猪甘津(いかいのつ)に橋を渡す、すなわちこの処を名付けて小橋という』とあり、文献上では我国最古の橋である」江戸時代に書かれた「摂陽群談」には、「昔、この辺りに鶴が多く群れていたため、いつの間にか鶴橋と呼ばれるようになった。」

らしい。実は、「私」もこの場所に立つのは初めてで、仁徳天皇の頃からの歴史があったり、ものづくりの小さな会社がいっぱいあったりするのだけれど、以外と知られていないのが、いまの生野区なのだろう。

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最近、有名になったコーリアンタウンの中を抜けると、その入り口にあるのが、木村工務店の材木屋さんでもある岡房商店さん。運河の前に面して、かつては、大阪湾からこの運河を通って木材が運ばれてきたらしい。運河の上にも木材がいっぱい浮かんでいたという、そんな歴史をしばし聴く。それから、またチャリンコに乗って、しばらく進むと、長屋の1階で、へら絞り加工をする吉持製作所さんがあって、突然の訪問にも関わらず、製作の作業を見学させてもらう。

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↑ 知る人ぞ知る某有名照明器具屋さんのシェードを加工している作業風景

一緒に見学していた「女子」から、カッコイイ!というコトバが、独特の、ものづくりのムードを醸し出す工場内に響いたのが、とっても印象深い出来事だった。そのコトバの響きが、生野区ものづくりチャリンコツアーを「まちのえんがわ」で企画してみようというきっかけになったのだとおもう・・・。

照りつける夏の日差しのなか、また自転車に乗って進む。うちの会社の近くにある山岡製作所さんに、唐突に押しかけて、日本で最初に作ったロイド眼鏡の話や、鯖江の眼鏡工場の話、石川遼などスポーツ選手がかけている世界の眼鏡の鋳型がここからうまれている話などなど、工場内の事務所で立ち話をしながら、山岡シャチョウの熱のこもった話にエネルギーをもらう・・・。

そんなこんなで、汗をかきながら、ようやく「まちのえんがわ」木村工務店に到着し、縁側で、アイスコヒーでも飲みながら、曖昧なコミュニケーションがはじまった・・・。なんか元気もらったわ・・。なんかディズニーランドに来たみたいでカルチャーショックやったわ・・・と。こんな場所で、こんな小さな工場で、世界と繋がっているのが面白いのかもしれない。トヨタのような大企業のものづくりは、それはそれで、素晴らしいのだけれど、小さな会社の小さな工場で一生懸命働く職人さんやシャチョウさんと間近で接すると、「私もがんばろ。のたうちまわりながらでも、何とかしてエエモノ作っろ」なんていう気持ちが湧いてくるのが、とっても嬉しい出来事だった。

パワースポット呼ばれる場所があり、かずかずの聖地があり、多くの若者にも人気らしい。それにあやかって、「ものづくりのパワースポット」というのがあってもエエのかもしれない。生野区のものづくりチャリンコ-ツアーで、小さなものづくりを巡礼し、ものづくりのパワーをもらい、願わくは、何人かの若者が、小さなものづくり、多様性のあるものづくりに挑戦してみる、そんなきっかけを、「まちのえんがわ」ものづくりチャリンコツアーが担えればエエのだが、さてさてどうなることやら・・・。

投稿者 木村貴一 : 2013年08月04日 23:06 « 同窓会。 | メイン | 岬めぐり »


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